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大陸を翔ける
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「全軍前進!!蹴散らせー!!」
ドラーク伯爵領の騎士団を預かる、騎士団長ランカスが己が率いる部隊に突撃を指示。
そして自身もハルバードを手に駆け出した。
相手は、ゴンドワナ帝国の騎士団。
自国の内乱で、他国に攻め入っている場合ではないと思うのだが、サーメイヤ王国での内乱を確認すると、自国の内乱を鎮圧する事なく、サーメイヤ王国へと軍を起こした。しかも、電撃的に。
その為、傭兵や歩兵、弓兵などを集める前に、騎士団のみで攻め入ろうとした。
勿論、その動きはカイト達には筒抜けだったわけで、ランカスが一軍を率いて対応にあたった。
兵の数は、ゴンドワナ帝国が二倍の兵数で攻め込んだが、ランカス率いる騎士団に、片っ端から蹴散らされていく。
同じ騎士団でも、ドラーク伯爵軍とゴンドワナ帝国軍では、全てにおいて違いすぎた。
先ず、騎士のレベルが違う。
スキルの習熟度も違う。
さらに、装備においても天と地ほどの差があった。
互角に戦おうとするなら、さらに倍の兵数が必要だっただろう。
それでも勝ちは見えないだろうが……。
「ランカス団長、捕虜の護送準備出来ました」
「ご苦労、国境警備の人員を残して捕虜を移送する。その後、バスターク辺境伯領までの哨戒任務に移る」
「捕虜が面倒ですね」
「さすがに全滅させる訳にはいかんからな」
ランカスが言うように、帝国兵を全滅させて終わりには出来ない。
相手が騎士団と言う事は、貴族家の子息や当主も居るだろうし、かと言って解放する事も出来ないので、面倒な事この上ない。
これが傭兵や徴集された民兵なら、下手に解放でもすれば、そのまま山賊や盗賊になりかねない。
ランカス達の部隊は、捕虜の護送と討ち取られたゴンドワナ帝国の騎士達の死体処理を進める。
「全員タイミングを合わせて下さい!
撃てーー!!」
ルシエルの号令で、魔法師部隊から法撃を一斉に放たれる。
ドガァァァーーーーン!!
サーメイヤ王国内、ベルトルト公爵を擁する貴族家の勢力にある砦を、ルシエル率いる魔法師部隊を中心とした部隊が攻撃を仕掛けていた。
この砦に立て籠もったのは、貴族家お抱えの騎士団と傭兵部隊、それに加えて、ゴンドワナ帝国やローラシア王国から流れてきた無法者を臨時に傭兵として砦に引き入れていた。
強力な法撃に曝された堅牢だった筈の砦は、ルシエル達の法撃の前に瓦礫と化した。
「油断しないよう!生き残りの兵の捕縛を急いで下さい」
ルシエルの指示で歩兵が砦へと進軍する。
強力な法撃に曝され、籠城の意味もなくなった砦に籠る者達の心はすでに折れていた。
砦はわずかな時間で制圧されていく。
「オラッー!!」
戦斧を持つ、太い丸太のような腕が横に振るわれると、重装歩兵が鎧ごと真っ二つに泣き別れる。
虎の獣人族らしい、俊敏さと力強さで、貴族派の重装歩兵部隊を蹴散らすバルデス率いる獣人部隊。
虎人族や狼人族などが中心となっている部隊を率い、貴族派の貴族連合が起こした軍を鎮圧して行くバルデス達。
貴族派自慢の重装歩兵部隊と、正面からぶつかるバルデス達。そこに横から新たな部隊が、貴族派の重装歩兵部隊へと襲いかかる。
重い全身鎧と大盾を装備した、重装歩兵が空を飛ぶ。
横合いから襲いかかったのは、ボーデン率いる歩兵部隊。熊人族や牛人族など、力自慢が多い部隊だけあって、重装歩兵をものともしない。
横槍を入れられた貴族派連合が瓦解するのは、時間の問題だった。
ほぼ一方的に、自慢の重装歩兵部隊が蹴散らされるのを見て、貴族派の指揮官は早々に退却を決めた。
「深追いはするなよーー!」
バルデスは、退却する貴族派連合を、深く追撃する事なく、生存者の治療と後方への護送を指示する。
敵対した貴族派連合だが、同じ国の同胞相手に、殲滅戦は仕掛けられない。後々の国内統治に影響が大き過ぎるので、「余裕があれば殺さない方向で」とカイトから言われているのだ。
大陸を巻き込む戦乱を収めるため、カイトとゴドウィンは立ち上がった。
バスターク辺境伯家とドラーク伯爵家が中心となり、中立派の貴族家が、先ずは国内の内乱を鎮圧するために軍を動かした。
ベルトルト公爵は沈黙を守っている。
クレモン王は、国内の混乱にも興味を示さない。
他国の干渉を抑え、混沌とする国内を纏めるために、カイトとゴドウィンは動きだした。
ドラーク伯爵領の騎士団を預かる、騎士団長ランカスが己が率いる部隊に突撃を指示。
そして自身もハルバードを手に駆け出した。
相手は、ゴンドワナ帝国の騎士団。
自国の内乱で、他国に攻め入っている場合ではないと思うのだが、サーメイヤ王国での内乱を確認すると、自国の内乱を鎮圧する事なく、サーメイヤ王国へと軍を起こした。しかも、電撃的に。
その為、傭兵や歩兵、弓兵などを集める前に、騎士団のみで攻め入ろうとした。
勿論、その動きはカイト達には筒抜けだったわけで、ランカスが一軍を率いて対応にあたった。
兵の数は、ゴンドワナ帝国が二倍の兵数で攻め込んだが、ランカス率いる騎士団に、片っ端から蹴散らされていく。
同じ騎士団でも、ドラーク伯爵軍とゴンドワナ帝国軍では、全てにおいて違いすぎた。
先ず、騎士のレベルが違う。
スキルの習熟度も違う。
さらに、装備においても天と地ほどの差があった。
互角に戦おうとするなら、さらに倍の兵数が必要だっただろう。
それでも勝ちは見えないだろうが……。
「ランカス団長、捕虜の護送準備出来ました」
「ご苦労、国境警備の人員を残して捕虜を移送する。その後、バスターク辺境伯領までの哨戒任務に移る」
「捕虜が面倒ですね」
「さすがに全滅させる訳にはいかんからな」
ランカスが言うように、帝国兵を全滅させて終わりには出来ない。
相手が騎士団と言う事は、貴族家の子息や当主も居るだろうし、かと言って解放する事も出来ないので、面倒な事この上ない。
これが傭兵や徴集された民兵なら、下手に解放でもすれば、そのまま山賊や盗賊になりかねない。
ランカス達の部隊は、捕虜の護送と討ち取られたゴンドワナ帝国の騎士達の死体処理を進める。
「全員タイミングを合わせて下さい!
撃てーー!!」
ルシエルの号令で、魔法師部隊から法撃を一斉に放たれる。
ドガァァァーーーーン!!
サーメイヤ王国内、ベルトルト公爵を擁する貴族家の勢力にある砦を、ルシエル率いる魔法師部隊を中心とした部隊が攻撃を仕掛けていた。
この砦に立て籠もったのは、貴族家お抱えの騎士団と傭兵部隊、それに加えて、ゴンドワナ帝国やローラシア王国から流れてきた無法者を臨時に傭兵として砦に引き入れていた。
強力な法撃に曝された堅牢だった筈の砦は、ルシエル達の法撃の前に瓦礫と化した。
「油断しないよう!生き残りの兵の捕縛を急いで下さい」
ルシエルの指示で歩兵が砦へと進軍する。
強力な法撃に曝され、籠城の意味もなくなった砦に籠る者達の心はすでに折れていた。
砦はわずかな時間で制圧されていく。
「オラッー!!」
戦斧を持つ、太い丸太のような腕が横に振るわれると、重装歩兵が鎧ごと真っ二つに泣き別れる。
虎の獣人族らしい、俊敏さと力強さで、貴族派の重装歩兵部隊を蹴散らすバルデス率いる獣人部隊。
虎人族や狼人族などが中心となっている部隊を率い、貴族派の貴族連合が起こした軍を鎮圧して行くバルデス達。
貴族派自慢の重装歩兵部隊と、正面からぶつかるバルデス達。そこに横から新たな部隊が、貴族派の重装歩兵部隊へと襲いかかる。
重い全身鎧と大盾を装備した、重装歩兵が空を飛ぶ。
横合いから襲いかかったのは、ボーデン率いる歩兵部隊。熊人族や牛人族など、力自慢が多い部隊だけあって、重装歩兵をものともしない。
横槍を入れられた貴族派連合が瓦解するのは、時間の問題だった。
ほぼ一方的に、自慢の重装歩兵部隊が蹴散らされるのを見て、貴族派の指揮官は早々に退却を決めた。
「深追いはするなよーー!」
バルデスは、退却する貴族派連合を、深く追撃する事なく、生存者の治療と後方への護送を指示する。
敵対した貴族派連合だが、同じ国の同胞相手に、殲滅戦は仕掛けられない。後々の国内統治に影響が大き過ぎるので、「余裕があれば殺さない方向で」とカイトから言われているのだ。
大陸を巻き込む戦乱を収めるため、カイトとゴドウィンは立ち上がった。
バスターク辺境伯家とドラーク伯爵家が中心となり、中立派の貴族家が、先ずは国内の内乱を鎮圧するために軍を動かした。
ベルトルト公爵は沈黙を守っている。
クレモン王は、国内の混乱にも興味を示さない。
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