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8 ドライヤー
しおりを挟む「っーーー!!!!」
最後に1回だけ大きく肌がぶつかる音が響いたお風呂の中。
「あっ・・はぁはぁ・・・」
「っ・・・」
お互いの荒い息だけがしばらく続いて、それから楓くんはパンパンに腫れ上がっていた私のそこから手を離した。
「ん・・・」
彼の手が離れて瞬間身体がビクっとしたけど、それよりも、楓くんが『いく』と言って腰を最後に強く打ち付けた直後に、私のそこにかかった熱い彼の体液のほうに気を取られていた私。
(・・・あ)
熱くて、思ったよりもドロドロしてる。そして股の間にかかった精液を吸い取ろうとしているみたいに私のそこはヒクヒクと痙攣していた。
「大丈夫?」
「・・ん・・・多分」
いつもしない格好をしたから身体が少し辛い。腰がガクガクしてかけて、少し呼吸を整えようと体勢を変えると楓くんが支えてくれた。
「シャワーだすよ」
「あ、ありが」
(・・・えっ)
そう言われて、背中に感じた彼の肌にお礼を言おうとした時、お尻の割れ目に何かが触れて私は一瞬動きが止まってしまった。
「どうかした?」
「・・・いや・・・・ま、まだ大きいんだと思って・・・」
「え?あぁ、直後はこんなもんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん」
聞いたすぐ後に、何を聞いているんだと突然恥ずかしくなった。というか、イって外に出したらすぐに小さくなるものだと思ってたけど違うのか。聞かれても不愉快な声色を出すこともせず普通に答えてくれる楓くんは、やっぱり女の子とのこういう行為は慣れてそう。
(・・・ダメだ・・・変なこと考えちゃう)
後腐れなく行うためにあのアプリを利用しているのだから、余計なことは考えるべきではないと、シャワーから流れる温かいお湯に顔を当て、私は両手で水気を振り払った。
◇◇◇
「髪先に乾かす?」
「あ、いや・・・楓くんが先に・・・私時間かかるから」
身体をまた洗って、お風呂から出た私達は大きな白のバスタオルで身体を拭いた。楓くんはタオルを腰に巻いただけで、すぐにドライヤーを手にした。
「じゃあすぐ終わらすよ」
「・・・うん」
ブーンとドライヤーがついて、熱い風が彼の髪に当たる。乾かしながら整えるわけでもなく、ただ普通に乾かしているだけの楓くん。ほんの数分で終わった彼の髪は、ごく自然に綺麗にセットされていた。
(カッコいいと何でも似合うんだろうな・・)
「使っていいよ」
「ありがとう」
(どうしよ・・・時間絶対かかる)
ドライヤーでだいたい15分はかかる。下手したら家で20分くらいドライヤーをかけているかもしれない。毛先なんてなかなか乾かないから、結構苦労する。乾いたと思っても、少しするとなんでかまた湿ってるから。短く切ればいいかもしれないけど、ショートなんて似合わないからしたくない。それに、こんなことに時間使ってたら、楓くんの熱も冷めてしまいそうな気がして、今更ながら私は焦ってしまった。
(やっぱりお風呂選ばなければよかったかな・・・)
ドライヤーを彼から受け取った私は身体にバスタオルがずれ落ちないように端を縛って巻いていた。
「早く終わらせるね」
何でもいいから早く乾かさないと。
メドゥーサみたいになりそうだけど、とりあえず全体が軽く乾けばあとはなんとか。
そう思って、ドライヤーの電源をオンにしようとした時、後から声が聞こえてきた。
「えりちゃんの髪、綺麗だよね」
「え?」
「今日最初会った時、髪巻いてたよね?」
「・・・う、うん」
「可愛かった。俺ああいうの好き」
「・・・・」
「兄貴が美容師だからさ、よく練習台にさせられてたけど、やっぱり女の子のほうが髪が長いからコテとか使うと映えるよね」
(お兄さんが美容師・・・)
何かを思い出しているのか、少し楽しそうに話す彼。アプリに書かれていた個人情報がどこまで正確かなんて、誰にも分からないけど、『たまにカットモデルしてます』って書かれていたあのプロフィールは本当だったということだろうか。
「そ、そうかな・・・楓くんも髪セットしてたよね?」
「うん、してたよ。兄貴のワックス借りたけど、やっぱりプロの美容師にしてもらうのとは仕上がりぜんぜん違った」
そう言って恥ずかしそうにした楓くんを見て、私は最初彼と会った時のことを思い出した。
(・・・かっこよかったけど・・じゅうぶんに)
「っていうか、ゆっくり乾かしていいよ。時間かかるよね」
「あ・・・ご、ごめん。でもなるべく早くする」
一旦それなりの行為が終わってしまったから、熱が冷めてしまったのだろうか。あっさりそう言った彼は、「待ってるから、大丈夫だよ」と言って部屋に繋がるドアを開けた。
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