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過ぎいく夏
お父さんもお母さんも騙されないで!
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「食事中に申し訳ありません。僕は実花さんと同じ高校の三年で夏川 悠斗です。実花さんとお付き合いをし始めたのですが、部活が忙しくてご挨拶に上がるのがこんな時間になってしまって、申し訳ありません」
王子様は爽やかに笑って言った。私にはどうしてもどこか胡散臭いものにしか見えないものも、うちの親には気付かれなかった。
お父さんもお母さんも騙されないで!
「お付き合い?!」
「あら。実花ったら、ただの知り合いだって言っていたのに、もう付き合ってたのね」
私の言葉を信じていたお父さんはショックを受けているけど、お母さんは予想が当たって喜んでいる。でも、その予想は妄想とか希望・・・。
まずい!
ただでさえ、夏川先輩がイケメンだって気に入っているから、夏川先輩の付き合ってる発言も両手放しで受け入れるに決まってる!
お母さんが夏川先輩側だなんて悪夢だ。
ああ、お母さんが招き入れる前に夏川先輩を追い返せなかった私の失敗だ・・・。
隔離しなきゃ!
会わしちゃいけなかった二人をどうにか引き剥がさなきゃ!
「実花の母です」
って、リビングでお母さんと挨拶し始めてるのをどうやって引き離す?
「夏川です。あまりにもお若いので、てっきり、実花ちゃんのお姉さんかと思いました」
「まあ、お口がうまいのね」
二人はわざとらしい笑い声を上げる。
私とお父さんは一目で意気投合した夏川先輩とお母さんの目がキラリと光って、目くばせし合っているのに気付かず、こそこそ話をしていた。
「実花、どういうことだ?!」
「私にもなにがなんだかわからないよ」
私もお父さんも夏川先輩の落とした爆弾で目を丸くしているのに、お母さんはお父さんの座っている席の後ろにまわる。
「で、こっちが私の夫で実花の父親よ」
「はじめまして、実花のお友達。実花の父です」
お母さんに紹介されたお父さんは取り乱していたのを取り繕って澄まして言った。頭の中では娘が彼氏と別れたと聞いたばかりなのに、私が知り合いだ言った夏川先輩自身から付き合っていると言い出したこの状況に戸惑っている。
こんな状況、私がお父さんの立場でも理解できないよ!
説明するのも大変だし、私自身が夏川先輩のことを一つも理解できていないわけだし。気付いたらいつもいいように流れを持っていかれていて、後悔ばっかりしている。
「お会いできて光栄です」
ザ・スポーツマンな笑顔の夏川先輩にお父さんは険しい目を向ける。
その目付きに私はお父さんが心強い味方なんだと実感した。
そうだよ、その通りだよ。私が喪女もどきの生活をおくる為にも頑張って、お父さん。
「部活が忙しいと聞いたが、何をやっているんだい?」
挨拶じゃなくて、部活のほうを聞くことでお父さんはこの訪問への不快感を示す。
今日は花金でグラタンだもんね。
いつもより早く帰ってきて家族で夕食をとっていたひとときを台無しにした夏川先輩はこれくらいされてもいい。
その夏川先輩はというと、ノーダメージ。笑顔は一ミリも崩れていない。
「テニスです」
「テニスか。今、流行りの」
あいつは流行りで始めたから、あいつと同じ部活だと聞いて余計に気に障るらしい。
「はい。今も昔も何度も流行っていたテニスです」
何度も流行っていたんだ・・・って、他の人気スポーツの解説にまで登場する暑苦しい元テニスプレイヤーもいるぐらいだから、何回も流行っていておかしくないか。
ちなみにうちのリビングにあるカレンダーはその元テニスプレイヤーを扱ったものだ。落ち込んだ時には掲載されている熱い言葉に元気をもらっているが、今は夏川先輩にその存在を気付かれては困る。
「流行りでやっていて面白いのか?」
お父さんが鋭いことを言った。
だが、相手はテニス馬鹿。
「流行りでなくても楽しいですよ。テニス以外のスポーツは体育の時間でしかやったことがないので、楽しいかどうかは知りませんが。――」
テニス以外のスポーツは夏川先輩には興味も持ってもらえなかったらしい。
そういえば、体育の時間って楽しいなんて感じられないもんなあ。
何かの競技だとその部活をしている人だけが生き生きして、その人がチームに入ってくれるかどうかで勝敗も変わってきたし、体育会系の部活に所属していない子は運動神経が良くない限り、肩身が狭い時間だった。
ん?
なんか言い方おかしいような・・・。
もしかして、テニス馬鹿のスイッチ入った?
このままテニスの素晴らしさを布教し始める?
それともテニスのトリビアとかあるあるネタの披露?
布教はまだされたことはないけど、トリビアは既にされたからそっちかもしれない。
どちらにしろ、話を少しでも早く切り上げて夏川先輩に帰ってもらいたい私としてはお父さんに注進。
「お父さん、夏川先輩はテニス馬鹿なの。テニスの話題をすると長くなるから気を付けたほうがいいよ」
私の話を頷きながら聞いた後、お父さんは夏川先輩に向き直って良い笑顔で言った。
「そうか、わかった。――じゃあ、挨拶は終わったな。家族の団欒の邪魔だから帰れ」
お父さん、最高! 喪女の守護者! 尊敬しちゃうじゃない!
・・・嫁に行かなくていいって言う前から、とっくに尊敬しているけどね。
でも、残念なことにそんなお父さんの攻撃は夏川先輩には効いていなさそうだ。
「じゃあ、ご両親への挨拶も終わったことだし、本題に入るよ」
「本題って、何?! 挨拶が本題じゃないの?! さっき、自分でそう言っていたよね?!」
「付き合い始めたのはいいけど、週末は平日と違ってもう少し時間とれるのを言い忘れていたよ」
「ええ?!! そんなの言いに来なくていいよ!」
なんでもう、付き合ってることになってんのよ?!
外堀から埋めに来ただけで、付き合っていないのは夏川先輩もわかってることでしょ?!
「それはそれはご親切に」
『ご親切に』じゃないよ、お母さん!
なんで夏川先輩に返事しているのよ?!
そして、なんで私の言ってること無視してんの?!
そこはお父さんが異議を唱えてくれた。
「ちょっと待って。実花は付き合っていないって言ってるんだぞ?」
「そうよ。付き合っていないんだって!」
私もお父さんの意見を後押しするけど、夏川先輩はそんなことで引き下がるような性格はしていない。
「平日は昼休みくらいしか一緒じゃないし、そこには他の人間もいるからつい言い忘れてしまったんです。まるで付き合っているのをあてつけているようで」
いや、忘れといてくださいよ。
こんな話題をあいつも一緒の昼休みにしたらあてつけになるけどさ・・・。
って言うか、私とお父さんを無視しないで。
「じゃあ、実花の作ったお弁当が増えたのは、もしかして夏川くんと付き合いだしたから」
「そうなんですよ。いつも腹を空かせている春原だけじゃ可哀想だって」
いやいやいやいや。違うでしょ。
あんたの分は有料でしょうが。
って、これはお父さんやお母さんには内緒にしている。
私の作ったお弁当でお金もらっているなんて、自慢じゃないけど言えるようなウデじゃないし。これは夏川先輩への嫌がらせで始めたことだし。
お父さんは夏川先輩の発言でショックを受けている。
私の肩をつかんで揺らしながら聞いてくる。
「そうなのか、実花?! こいつに弁当作ってやっているのか?!」
「う、うん・・・」
有料だから。それを口にしないようにしたら語尾をはっきりできなくなった。
「実花ーー!!」
叫ぶお父さんとここから消えたい私を無視して勝手に盛り上がるお母さんと夏川先輩。
この二人は・・・。いや、お母さんは何を考えているのやら。
「実花ちゃんっていい子ですよね。好きなものをリクエストしたら、入れてくれるんですよ」
お金貰うんだもん、リクエストくらい叶えるでしょう。普通。
「ああ。もしかして、茹でたソーセージは夏川の好物だったの?」
「ええ。焼くと塩分過多にもなって好きじゃないんです」
「あら。健康的ね」
王子様は爽やかに笑って言った。私にはどうしてもどこか胡散臭いものにしか見えないものも、うちの親には気付かれなかった。
お父さんもお母さんも騙されないで!
「お付き合い?!」
「あら。実花ったら、ただの知り合いだって言っていたのに、もう付き合ってたのね」
私の言葉を信じていたお父さんはショックを受けているけど、お母さんは予想が当たって喜んでいる。でも、その予想は妄想とか希望・・・。
まずい!
ただでさえ、夏川先輩がイケメンだって気に入っているから、夏川先輩の付き合ってる発言も両手放しで受け入れるに決まってる!
お母さんが夏川先輩側だなんて悪夢だ。
ああ、お母さんが招き入れる前に夏川先輩を追い返せなかった私の失敗だ・・・。
隔離しなきゃ!
会わしちゃいけなかった二人をどうにか引き剥がさなきゃ!
「実花の母です」
って、リビングでお母さんと挨拶し始めてるのをどうやって引き離す?
「夏川です。あまりにもお若いので、てっきり、実花ちゃんのお姉さんかと思いました」
「まあ、お口がうまいのね」
二人はわざとらしい笑い声を上げる。
私とお父さんは一目で意気投合した夏川先輩とお母さんの目がキラリと光って、目くばせし合っているのに気付かず、こそこそ話をしていた。
「実花、どういうことだ?!」
「私にもなにがなんだかわからないよ」
私もお父さんも夏川先輩の落とした爆弾で目を丸くしているのに、お母さんはお父さんの座っている席の後ろにまわる。
「で、こっちが私の夫で実花の父親よ」
「はじめまして、実花のお友達。実花の父です」
お母さんに紹介されたお父さんは取り乱していたのを取り繕って澄まして言った。頭の中では娘が彼氏と別れたと聞いたばかりなのに、私が知り合いだ言った夏川先輩自身から付き合っていると言い出したこの状況に戸惑っている。
こんな状況、私がお父さんの立場でも理解できないよ!
説明するのも大変だし、私自身が夏川先輩のことを一つも理解できていないわけだし。気付いたらいつもいいように流れを持っていかれていて、後悔ばっかりしている。
「お会いできて光栄です」
ザ・スポーツマンな笑顔の夏川先輩にお父さんは険しい目を向ける。
その目付きに私はお父さんが心強い味方なんだと実感した。
そうだよ、その通りだよ。私が喪女もどきの生活をおくる為にも頑張って、お父さん。
「部活が忙しいと聞いたが、何をやっているんだい?」
挨拶じゃなくて、部活のほうを聞くことでお父さんはこの訪問への不快感を示す。
今日は花金でグラタンだもんね。
いつもより早く帰ってきて家族で夕食をとっていたひとときを台無しにした夏川先輩はこれくらいされてもいい。
その夏川先輩はというと、ノーダメージ。笑顔は一ミリも崩れていない。
「テニスです」
「テニスか。今、流行りの」
あいつは流行りで始めたから、あいつと同じ部活だと聞いて余計に気に障るらしい。
「はい。今も昔も何度も流行っていたテニスです」
何度も流行っていたんだ・・・って、他の人気スポーツの解説にまで登場する暑苦しい元テニスプレイヤーもいるぐらいだから、何回も流行っていておかしくないか。
ちなみにうちのリビングにあるカレンダーはその元テニスプレイヤーを扱ったものだ。落ち込んだ時には掲載されている熱い言葉に元気をもらっているが、今は夏川先輩にその存在を気付かれては困る。
「流行りでやっていて面白いのか?」
お父さんが鋭いことを言った。
だが、相手はテニス馬鹿。
「流行りでなくても楽しいですよ。テニス以外のスポーツは体育の時間でしかやったことがないので、楽しいかどうかは知りませんが。――」
テニス以外のスポーツは夏川先輩には興味も持ってもらえなかったらしい。
そういえば、体育の時間って楽しいなんて感じられないもんなあ。
何かの競技だとその部活をしている人だけが生き生きして、その人がチームに入ってくれるかどうかで勝敗も変わってきたし、体育会系の部活に所属していない子は運動神経が良くない限り、肩身が狭い時間だった。
ん?
なんか言い方おかしいような・・・。
もしかして、テニス馬鹿のスイッチ入った?
このままテニスの素晴らしさを布教し始める?
それともテニスのトリビアとかあるあるネタの披露?
布教はまだされたことはないけど、トリビアは既にされたからそっちかもしれない。
どちらにしろ、話を少しでも早く切り上げて夏川先輩に帰ってもらいたい私としてはお父さんに注進。
「お父さん、夏川先輩はテニス馬鹿なの。テニスの話題をすると長くなるから気を付けたほうがいいよ」
私の話を頷きながら聞いた後、お父さんは夏川先輩に向き直って良い笑顔で言った。
「そうか、わかった。――じゃあ、挨拶は終わったな。家族の団欒の邪魔だから帰れ」
お父さん、最高! 喪女の守護者! 尊敬しちゃうじゃない!
・・・嫁に行かなくていいって言う前から、とっくに尊敬しているけどね。
でも、残念なことにそんなお父さんの攻撃は夏川先輩には効いていなさそうだ。
「じゃあ、ご両親への挨拶も終わったことだし、本題に入るよ」
「本題って、何?! 挨拶が本題じゃないの?! さっき、自分でそう言っていたよね?!」
「付き合い始めたのはいいけど、週末は平日と違ってもう少し時間とれるのを言い忘れていたよ」
「ええ?!! そんなの言いに来なくていいよ!」
なんでもう、付き合ってることになってんのよ?!
外堀から埋めに来ただけで、付き合っていないのは夏川先輩もわかってることでしょ?!
「それはそれはご親切に」
『ご親切に』じゃないよ、お母さん!
なんで夏川先輩に返事しているのよ?!
そして、なんで私の言ってること無視してんの?!
そこはお父さんが異議を唱えてくれた。
「ちょっと待って。実花は付き合っていないって言ってるんだぞ?」
「そうよ。付き合っていないんだって!」
私もお父さんの意見を後押しするけど、夏川先輩はそんなことで引き下がるような性格はしていない。
「平日は昼休みくらいしか一緒じゃないし、そこには他の人間もいるからつい言い忘れてしまったんです。まるで付き合っているのをあてつけているようで」
いや、忘れといてくださいよ。
こんな話題をあいつも一緒の昼休みにしたらあてつけになるけどさ・・・。
って言うか、私とお父さんを無視しないで。
「じゃあ、実花の作ったお弁当が増えたのは、もしかして夏川くんと付き合いだしたから」
「そうなんですよ。いつも腹を空かせている春原だけじゃ可哀想だって」
いやいやいやいや。違うでしょ。
あんたの分は有料でしょうが。
って、これはお父さんやお母さんには内緒にしている。
私の作ったお弁当でお金もらっているなんて、自慢じゃないけど言えるようなウデじゃないし。これは夏川先輩への嫌がらせで始めたことだし。
お父さんは夏川先輩の発言でショックを受けている。
私の肩をつかんで揺らしながら聞いてくる。
「そうなのか、実花?! こいつに弁当作ってやっているのか?!」
「う、うん・・・」
有料だから。それを口にしないようにしたら語尾をはっきりできなくなった。
「実花ーー!!」
叫ぶお父さんとここから消えたい私を無視して勝手に盛り上がるお母さんと夏川先輩。
この二人は・・・。いや、お母さんは何を考えているのやら。
「実花ちゃんっていい子ですよね。好きなものをリクエストしたら、入れてくれるんですよ」
お金貰うんだもん、リクエストくらい叶えるでしょう。普通。
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