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ブライアンにもわからないってこと?
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「確かに」
クリフトン卿もわたしを見て頷く。
「? なんでわたしを見るの?」
二人の視線の意味がわからなかった。
「跡取り娘を持ち上げまくって、妹を貶しまくって良いように操った例がここにある」
「あ・・・」
言われてみたらそうだ。
というか、さっきから何度も言われていた。
でも、フェルナンドのことだと思っていたから、自分のことだって思っていなかった。
「周りの貴族からの評判が落ちようが、領主の仕事さえ任せておければ、跡継ぎがいなくてもこいつの子どもを養子にすりゃいい話だ。さっさと嫁に行って、跡継ぎかスペア産んで、跡取り娘が早死にしてもいいようにしたいんだろ」
「・・・」
さっき、家を出る時にお母様に言われた言葉を思い出した。
『私達はお前の婚約を取り付けた時点で親としての義務は終わったの。婚約者の家が社交界に出られるようにする義務があるのよ』
お母様がわたしに望んでいたのは婚約すること。それ以外は求めていなかった。
貴族の女性として必要なことは自分たちではなく、婚約者の家がおこなうものだと言っていた。
わたしはそれを早く嫁に行って、ダヴェンフィールド家から出て欲しいからだと思った。
でも、ブライアンが言う通りなら、お姉様の代わりになる跡継ぎを早く産ませることだとしたら。
社交界に出るだけのマナーや教養など、お母様たちにとって不要なものだ。お母様たちが求めているのは子どもを産むこと。ただそれだけで、社交界に出ることなどは考慮されていない。
だって、子どもを産むのにマナーや教養なんか必要じゃないから。
子どもを産むのにマナーや教養が必要なら、貴族以外は子どもができない。
ブライアンはお姉様が早く死んでもいいようにと言うけど、わたしがお姉様の代わりに跡継ぎを産むっていうことじゃない。
「それって、わたしがお姉様の代わりに跡継ぎを産むってこと?」
「まあな。お前が男だったら、こんな目に遭わなかったじゃね? 一人目が女で二人目も女。これ以上、産みたくないけど、女はすぐ死ぬ。今度こそは男を産もうとして、期待外れだったお前に八つ当たりしているよーに見えるわ」
「そういう理由だったのね」
貴族が子どもの母親に求めるのは貴族であるということだけ。跡継ぎだけを求められる結婚だって、条件は貴族の女性であること。
多少、問題があっても、貴族の女性なら後妻にはなれる。
それが貴族の常識なのだから、同じ養子でも、孫のほうがいいだろう。
社交界に出てよく聞くのは、貴族女性はよく死ぬということ。病弱であったり、結婚した翌日に亡くなるなんてこともあったり、妊娠している時や出産時に亡くなる。
片や八人産んだ次の日には農作業を手伝っている農家の女性。片や命と引き換えに子どもを産む貴族の女性。そんな笑い話すらある。
そのせいで、多産な貴族女性は『農婦のようだ』と陰口を叩かれる。
お姉様とわたしを産んで、お母様はもう子どもを産む危険を冒したくなくなったのかもしれない。
けれど、お姉様の死ぬ危険を冒させずに跡継ぎを手に入れたかった。
息子であれば良かった期待外れのわたしに代わりに産ませようと考えてもおかしくはない。
お姉様が産まなくても、妹のわたしが産んでもお母様にとっては同じ孫。お姉様が少しでも危険を冒さずに済むなら、いらないわたしが命懸けで産んだほうがいい。
「だが、それではアリス嬢の婚約者を奪うことは下策じゃないか?」
「八つ当たりと嫌がらせ兼ねてんだから、どっち転んでもいいと思ってんじゃねーの? 俺、あいつらじゃねーから、そこまでわからねーし」
ブライアンにもわからないってこと?
でも、わたしもお母様に言われるまでまったく気づかなかったし、ブライアンがわからないのも仕方がないかも。
「それなら、ただの憶測ばかりだろう?」
「まさか、『長女が気に入ったから次女の婚約者を長女の婚約者にしました』なんて、本屋で毎月一冊は発売されている三文小説並みにお粗末な理由じゃねーか」
そんな幼稚な理由で婚約者変えられたら、神の花嫁を選んで修道院に駆け込む令嬢だらけになりそう。
わたしは他人事のようにそう思った。
クリフトン卿もわたしを見て頷く。
「? なんでわたしを見るの?」
二人の視線の意味がわからなかった。
「跡取り娘を持ち上げまくって、妹を貶しまくって良いように操った例がここにある」
「あ・・・」
言われてみたらそうだ。
というか、さっきから何度も言われていた。
でも、フェルナンドのことだと思っていたから、自分のことだって思っていなかった。
「周りの貴族からの評判が落ちようが、領主の仕事さえ任せておければ、跡継ぎがいなくてもこいつの子どもを養子にすりゃいい話だ。さっさと嫁に行って、跡継ぎかスペア産んで、跡取り娘が早死にしてもいいようにしたいんだろ」
「・・・」
さっき、家を出る時にお母様に言われた言葉を思い出した。
『私達はお前の婚約を取り付けた時点で親としての義務は終わったの。婚約者の家が社交界に出られるようにする義務があるのよ』
お母様がわたしに望んでいたのは婚約すること。それ以外は求めていなかった。
貴族の女性として必要なことは自分たちではなく、婚約者の家がおこなうものだと言っていた。
わたしはそれを早く嫁に行って、ダヴェンフィールド家から出て欲しいからだと思った。
でも、ブライアンが言う通りなら、お姉様の代わりになる跡継ぎを早く産ませることだとしたら。
社交界に出るだけのマナーや教養など、お母様たちにとって不要なものだ。お母様たちが求めているのは子どもを産むこと。ただそれだけで、社交界に出ることなどは考慮されていない。
だって、子どもを産むのにマナーや教養なんか必要じゃないから。
子どもを産むのにマナーや教養が必要なら、貴族以外は子どもができない。
ブライアンはお姉様が早く死んでもいいようにと言うけど、わたしがお姉様の代わりに跡継ぎを産むっていうことじゃない。
「それって、わたしがお姉様の代わりに跡継ぎを産むってこと?」
「まあな。お前が男だったら、こんな目に遭わなかったじゃね? 一人目が女で二人目も女。これ以上、産みたくないけど、女はすぐ死ぬ。今度こそは男を産もうとして、期待外れだったお前に八つ当たりしているよーに見えるわ」
「そういう理由だったのね」
貴族が子どもの母親に求めるのは貴族であるということだけ。跡継ぎだけを求められる結婚だって、条件は貴族の女性であること。
多少、問題があっても、貴族の女性なら後妻にはなれる。
それが貴族の常識なのだから、同じ養子でも、孫のほうがいいだろう。
社交界に出てよく聞くのは、貴族女性はよく死ぬということ。病弱であったり、結婚した翌日に亡くなるなんてこともあったり、妊娠している時や出産時に亡くなる。
片や八人産んだ次の日には農作業を手伝っている農家の女性。片や命と引き換えに子どもを産む貴族の女性。そんな笑い話すらある。
そのせいで、多産な貴族女性は『農婦のようだ』と陰口を叩かれる。
お姉様とわたしを産んで、お母様はもう子どもを産む危険を冒したくなくなったのかもしれない。
けれど、お姉様の死ぬ危険を冒させずに跡継ぎを手に入れたかった。
息子であれば良かった期待外れのわたしに代わりに産ませようと考えてもおかしくはない。
お姉様が産まなくても、妹のわたしが産んでもお母様にとっては同じ孫。お姉様が少しでも危険を冒さずに済むなら、いらないわたしが命懸けで産んだほうがいい。
「だが、それではアリス嬢の婚約者を奪うことは下策じゃないか?」
「八つ当たりと嫌がらせ兼ねてんだから、どっち転んでもいいと思ってんじゃねーの? 俺、あいつらじゃねーから、そこまでわからねーし」
ブライアンにもわからないってこと?
でも、わたしもお母様に言われるまでまったく気づかなかったし、ブライアンがわからないのも仕方がないかも。
「それなら、ただの憶測ばかりだろう?」
「まさか、『長女が気に入ったから次女の婚約者を長女の婚約者にしました』なんて、本屋で毎月一冊は発売されている三文小説並みにお粗末な理由じゃねーか」
そんな幼稚な理由で婚約者変えられたら、神の花嫁を選んで修道院に駆け込む令嬢だらけになりそう。
わたしは他人事のようにそう思った。
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