FULLMOON

藤野 朔夜

文字の大きさ
25 / 35
第八章

しおりを挟む
「ふっ、うん。リグ、我慢、しないで、良いよ」
  なんて煽り上手だろうかとリグは思う。
  精一杯押さえて、ザークを傷付けたくはないから、痛みさえ与えたくないからと、指を増やす。
「連続三日目とは言ってもな、傷付けたり、昨日みたいに痛み与えたくないんだよ。だから、も少しな」
  空いている手でザークの頭を撫でて、もう少しほぐさないととリグは言う。
「ん、あぁぁぁ」
  内の感じやすい場所にリグの指が触れ、ザークの声は甲高くなる。
「あ、あん……リグ、そこダメ、いやぁ」
  すぐに絶頂感へと追いやられてしまうからか、頭を振って懇願してくるザーク。
  このままイかせたい欲求にかられながら、今度は一緒にと言った手前、リグは自分の欲を抑えると、更に指を増やしてザークの中を広げていく。
「んぁぁ、リグ、も、良いからぁ、は、やく……」
  もう待てないとザークはリグの背中へ爪を立てて、なんとか快楽に飲み込まれ過ぎないように必死だ。
  くちゅり、くちゅりと鳴る秘部は、リグの指に絡み付いて奥へ桶へと刺激を欲しがる。
「俺も限界」
  一言答えてリグは指を抜く。
「う、あ……」
  その刺激にザークはギュっとリグにしがみつく。
「力抜いてろよ」
  傷付けないように、暴走しないようにと、リグはザークにあてがった熱をゆっくり入れる。
「ふっんぁ……」
  ゆっくり入ってくるのが、よりリグの熱をザークにわからせる。
  絡み付く内の熱さ。リグの熱は、誘導されるように中へと納まる。
「はっ、あ……」
  ザークは息を乱しながら、身体に入ってしまう力を抜くように大きく深呼吸する。
「ん、辛くない?大丈夫か?」
  すべて納めて、リグはザークの息が少しでも落ち着くのを待つ。
「う、ん……だ、い、じょぶ」
  ザークは、リグへとふわりと笑む。
「くっ、また余裕なくしちまうだろうが」
  リグはそっとザークの背に腕を回し抱き寄せる。
「んぁ、い、いよ?」
  少し動いたために、穿つ角度が変わりザークが声を上げる。そして、動いて良いよと、我慢なんて必要ないのだと言う。
「素直なお前って本当、凶悪なまでに可愛すぎるな。動くぞ」
  ザークの背を辿り、腰を支えるとリグは宣言して動きだす。
「う、あぁ、ふんぁ……」
  声を耐えることのできなくなったザークの嬌声が上がる。
  お互いの肌がぶつかる音。秘部から漏れる卑猥な水音。二人の熱く甘い吐息。
  部屋を満たす甘い空気。
  すべてが二人の熱をさらに高めて。
「ん、リグ、あ、もう……」
  もう無理だ。とザークの声が告げる。
「ん、俺も……一緒に、な。ザーク、愛してる」
  リグは答えると、しっかりザークの瞳を見て囁く。
  前へと回った指が更にザークの絶頂を煽る。
「ひっあ、僕も、あ、いしてるっあぁぁぁ」
  愛を返しながらザークは達して、リグも最奥へと熱を放つ。
「くっ、は」
  息も整わないままキスを交わす。
「ん、一回で終わらせられそうにない」
  軽いキスを続けながらリグは言う。
「ん、ふ、大丈夫、良いよ」
  ザークは言いながら、リグへとすがる腕を強める。自分も離れたくないのだと伝えるように。
「お前敬語抜けてんのと、一人称僕になってんの気付いてる?」
  欲望のままにむさぼりたくなるのをこらえるように、まったく関係ないことを問いかける。
「ん、駄目?リグに甘えたいと、こうなるみたい」
  なんて、可愛い返事が返ってきて。
「お前な。寝れると思うなよ」
  そんな返事と同時に、リグの熱がザークを穿つ、
「ん、あぁぁぁ、だ、て、んんぁ」
  何か話そうとするザークの言葉を聞かないままに。


  今日の出来事が不安を起こしたからか。
  二人が互いの熱を求めることを止めることはなく……。
  熱く甘い吐息と、卑猥な水音が寝室をいつまでも支配していた。


  月の光は分厚いカーテンに閉ざされた部屋には届かない。
  少しだけ欠けた月が、夜の明るい街を照らしていた……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...