【R18】御曹司とスパルタ稽古ののち、蜜夜でとろける

鶴れり

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《3》地味アラサー女は穏やかに過ごしたい(3)

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「ところで、今日つけている下着はどのようなものでしょう?」
「ふぇっ?!」
「あぁ、誤解しないで。洋装用の下着は着物を着るのに適していないから伺っただけです。別に色や仕様などは聞いていません」

 勘違いして情けない声をあげた瑛美を揶揄うようにくくっと微笑された。
 でも突然今日つけている下着は? と聞かれたらドギマギしてしまうのが普通だ。自分は悪くないと思わずムッとして下唇を噛む。言い返す度量もない瑛美は、うつむきながらこうするのが精一杯だ。

「普通の、一般的なものです」
「そうですか。では下穿きは履いたままで、上はとってください。着物は洋服とは違って体の凹凸をなくして筒状にすると着姿が美しく、また着崩れにくくなります。こちらのタオルやガーゼを使って補正をして、長襦袢を着てお待ちください。では一度退室しますので」
「えっ、先生が外に出るのですか」
「瑛美さんがご所望であれば、全て脱がして着付けて差し上げることも可能ですが?」
「いいいいえっ、一人で着ます!」
「では着替え終わったら呼んでください」

 柔和に目を細めた美貌の男性は跪座をし、優美な所作でふすまを開けると教室から退出していった。

「もう……調子狂うよぉ……」

 まさか着付け教室に入会したら、講師が清澄鬼部長だなんて。その事実だけでもいっぱいいっぱいなのに、着物をまとった大和は人が変わったかのように紳士的な着付け師範になっていて。普段の鬼のような表情が嘘のように色っぽくて。

(着物男子の色気が壮絶……っ!)

 瑛美は火照った頬を冷ましながら、身に着けていた洋服を脱ぎ始めた。


(凹凸を潰して、筒状にって……これで合っているのかな。成人式の時ってどうだったっけ。全然覚えてないや……)

 瑛美は苦戦しながらも綿素材の包帯とタオルを体に巻きつけていく。
 胸は平均よりも大きめなので、潰すように包帯をしっかり巻きつける。腰は特別細いというわけではないが筒状にすると凹みがあるので、厚みのあるタオルを巻いた。
 慣れない締めつけに息苦しさを感じつつ、上から長襦袢を羽織り、なんとか準備を整えて大和を呼んだ。

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