美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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番外編

バレンタインは過ぎたけど(1)

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 飲食的な僕、飲食的な僕。君に聞こう。君はチョコが好きか。

 チョコが好きか。
 違うよな?

 君は、チョコと言うよりは食べ物が好きなんだよなぁ?
 飲食的な僕が、記念日的な僕でもあれば、まぁ譲ろうとは思ったけれど。

 ……いや、譲らないけど。
 主人格は僕だし。

 まだ、彼女は僕のことを見つけてくれていないけれど。
 僕の僕が僕の中で1番多々良さんからのチョコが欲しいんだよ。



「断言できます」
 小菊はいたいけな少女とは思えない複雑な表情をしていた。少女……少女……まぁ、少女だな。男の娘も広義で少女だ。間違いない。

 ただいま水曜日、図書委員の当番中のことである。2月の雲は厚く、図書室に入ってくる光を制限している。
 外を見ればチラチラと雪が降っているような。
 まだまだ寒い2月14日のことである。

「え。バレンタインなら、僕からあげたじゃんか?」
小菊は僕のポケットを指差す。
「断言します。チョコが欲しい。特に小椿さんからのチョコが」
「小手鞠からのチョコも僕経由で渡したじゃん。ほら、多々良家姉妹3分の2からチョコ貰ってるよ。こんな贅沢なことはない」

「コンプリートしたい。というより小椿さんからのチョコが貰えればいい」

 言い切る前に頭を殴られた。完全に男性の筋力だった。

「頭を叩かれた衝撃で、僕の人格が増えたらどうするんですか!」

「まぁ、僕が君を見つけるわけじゃないし。そこはどーでもいい。君が小椿お姉様大好きなのも知ってるし。でも、ムカつくなんとなく。もう、一生連れ便所飯してあげないんだから」

 いや、そんなこと一切したことないですけどね。

「ほら、せっかくあげたんだから、開けて見てよ!」
 頭の中の飲食的な僕が開けて食べたいとうるさい。目の前の小菊もなぜか目をキラキラさせている。
 こんな瞳の美しい男子高校生を僕は知らない。

「ほ、本命以外は受け取らないことに」

「広い意味で、ボクも多々良小椿だから大丈夫大丈夫」

 何ヶ月前のことを持ち出すのか。
 
 ピンクの小さい箱と、黄色の真四角の箱。

 まずはピンクの箱を開けることにした。差出人は小学生女児の小手鞠さん。

  蓋をあけると、ふんわりニンジンの香りがした。
色合い的に、キャロットケーキだろうか?

「バレンタインって、日本ではチョコ的なものを女子から好きな男子に送るものじゃなかったですか? 女児だから別なんですか?」

「好きな男子じゃなくて、ペットにしたい男子だから、キャロットケーキなんじゃない?」

 なんだその多々良家固有の文化は。
 こわっ。

「小菊でもあるまいに」
「なんかいった?」
「なぁんにも」

「ちなみに、それ素材全部うさぎ用ので出来てるうさぎ用だから」
「完全にうさぎのついでじゃないですか!」

「うさぎの次ぐらいには好きってことだよ。だから結構上位なんじゃない?よかったね」


  完璧に棒読みだったけど?

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