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しおりを挟む勿論、そのおかげで、私は1人で颯爽と現れようとした訳ではあるのだけど、それはある意味、意中の相手若しくは懇意の相手がいないと敢えて知らしめる為にも繋がるので良かったのだ。
まあ、それは成就せずに終わったのは今はどうでも良い話だ。
「ええ、見ればわかるのだけど。して、どうしてそんな面白……失礼致しました。醜悪な茶番劇を見せしめにする為に、私達は招かれたのかしら? 私共以外にも多くの貴賓、来賓が来ているというのに」
「いえ、恐らくこれは王子側の独断と偏見で起こっている事だと憶測されます」
言葉を途中で切ったのは、彼に睨まれたからではあるが、確かに不躾だったと後で彼女にも謝ろうと思う。
それにしたって、これは独断ならば、多少は納得出来る。
多くの来賓が来ているのもあると言うのと本日のある意味、主役と言える話題の2人が、違う催しを始めてしまったのである。と言ってもこれは、見るからに彼女のフィーリア侯爵令嬢の不祥事になろうとしている点である。
しかし、少し用意周到な気もしなくもない部分もチラチラと垣間見得るので、もしかしたら意図的、又は計画的に事は進んでいたのかもしれない。
それを証明するように後ろに控えていた何処かの令息が王子の許可を取るとスっと書状を広げ、読み上げ始めた。
「一つ、身分差を笠に着て下級貴族を虐げていた事。一つ、時期王女と謳い傲慢な態度を取っていた事。一つ、他国との交友と称して自国を売買していた事。一つ、──」
次々と読み上げられていく明らかに彼女のみでは不可能に近い言い分も含めて、これではあまりにも酷い話である。
真偽も裏もあったものでは無いのだろう。この場で彼女を貶める事に意味があるように感じる。
いや、彼女だけでは無いのかもしれない。それぞれの思惑があるように映ったのは言うまでもないわね。
「あの令息達はどちらの家門かしら? クロイ」
「あちらはビジュー王国公爵家嫡男、第二令息でございます。続いて王国騎士の子息と鉱石採集で有名な伯爵家の令息でしょうか? あとは、ああ彼は存じ上げませんが留学ですかね、何を考えていらっしゃるのやら。そうそう私の今日の名義はクロイではございません。公式の場ですので、エクラとお呼びください」
淡々と話す従者ことエクラは一息着くように、先程私が手で制したグラスのシャンパンを飲み干した。従者のわりに態度が図々しい気もするが、いつもの事の為、気に留めない。
私は寛大な心の持ち主だから。
「ええ、そうだったわね、エクラ。ところで、彼らは理解していてこんな事をしているのかしらね?」
醜態を晒して、あんな愚行をお披露目しているということだ。このままでは、諸外国の反感をも買いかねない。
まあ、既に私の反感を買っているのだけれども。下手したら戦争にまで発展しかねない。寧ろその気でいるのだろうか?
「それは分かり兼ねますが、他の後ろに控えている令息を見る限りは考え無しにだけ動いている訳では無さそうですね……」
「もしかして侯爵家の反感勢力とあの王子の後ろで庇われていらっしゃる令嬢に何か訳ありでもあるのかしら」
「流石はベアトリス様。こちらは隣国であるにも関わらず、大した勢力でも無い王国の更にはその内情に敏感にお気づきになられるとは、従者の身では有りながら感銘致します。尚、あの令嬢は存じ上げませんが、もしかしたらビジュー王子殿下が懇意にしていらっしゃる噂の子爵令嬢では?」
「……エクラこそ、隣国である王国のましてや学園の噂に詳しいのね」
「ええ、それはもうベアトリス様の身の回りの懇意の方並びに交友のある諸外国の知人やその身辺に至るまで、把握しとくのも従者の務めですので」
ニコリと笑い嬉々として語るエクラは何処か自慢げだ。少々嘗められているような気もするし、いつそこまで調べ上げたのかは今は聞かないで置くとして、さてどうしたものかと考える。
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