【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

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番外編1(新婚旅行編)

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「あっ……♡ は、ぁあ……♡」

 殊更にゆっくりと腰を進められて、狭い腸壁が柔らかく押し広げられていく感覚をじっくりと身体に刻まれる。微かな息苦しさも心地よく感じて、ジュゼはうっとりと目を細めた。
 灼熱の肉杭に触れて、甘く爛れる粘膜を余すことなく刺激しながら、奥の奥までを征服される。指では届かなかった場所を開かれれば、それだけで脚が歓喜に宙を蹴った。

「んぅっ……♡ あ、ぁ……♡」

 熱い肉に体の内側をみっしりと埋められて、体温が上昇し息が荒くなる。ハァハァと呼吸をするだけで締まる肉膣は挿入の感覚をたっぷりと堪能し、盛り上がった血管や柔らかな鱗に弱い場所を抉られる度に鋭い快楽をジュゼの全身に電流のように流した。
 譫言のような嬌声を喉からこぼしながら、もう一思いに貪って欲しいと、逸る胸がドキドキと暴れている。強請るように足を絡ませれば、小さく笑ったレーヴェが下着に抑えつけられた花芯に指を這わせた。

「あっ♡ そ、こっ……♡」

 柔いままの花芯を濡れた布越しの熱い手で揉みしだかれ、反らした胸元にぷっくりと膨れて芯を持った乳首を指先でこりこりと捏ね回される。突如として再開された愛撫を素直に悦んだ身体は勝手に内側を締め付けてしまい、自らしこりをぐりぐりと押し潰してしまったジュゼは思わず悲鳴を上げた。

「ひぁっ⁉ あ♡ だめ♡ あ、あぁ、そこ……っ♡」
「いい子ですね、ジュゼ。このまま、もっと奥まで、入れてくださいね……?」
「んっ♡ んぅ……っ♡」

 あくまでもゆっくりと腰を推し進められて、ほんの僅か奥に進むだけで、激しさを増す快楽が身体に押し寄せる。ゆったりとした動きによって、理性を押し流してもらえない頭はその快楽を余すことなく敏感に拾い、苦しいほどの甘さに涙がほろほろと溢れ出た。

「あ……っ♡ あっ、あぁっ♡ や……っ♡ やあぁ……♡」

 荒くなるばかりの呼吸を落ち着かせようと深呼吸を試みても、短く収縮を繰り返す膣の動きに翻弄されて、切れ切れの息をこぼすことしかできない。快楽を一つ一つ思い知らされるような性交を身の内に刻まれて、身体の芯まで蕩けてしまう。
 やがて、こつりと結腸の入り口に先端が当たり、最奥までを埋め尽くされたと理解した瞬間。脳を犯した、閾を越えた官能に、全身が総毛立ったジュゼは髪を振り乱して喘いだ。

「ジュゼ」
「んっ、む……♡」

 しっとりと濡れた唇に口付けられ、頭を打ち振ることも許されなくなってしまえば、寝台に磔にされた身体には逃すことのできない快楽が積み重なっていく。触れ合った肌は内側からの熱に炙られて上気し、汗に濡れながら愛しい相手にぴとりと吸い付いた。
 唇が離れると、厚みのある身体が体重をかけて圧し掛かってくる。熱く火照った耳の先をぬるりと舌が滑り、欲を含んだ熱い吐息を吹き込まれて、息も絶え絶えとなったジュゼの身体がぴくぴくと震えた。

「っ、ふ……♡ あ、ぁ……♡」
「ふふ、愛しい人。……私の花嫁」

 普段より少し掠れた声で、耳元で愛の言葉を囁かれて思わず身を捩る。最愛の悪魔に優しい声色で甘い言葉を耳に吹き込まれれば、たちまち体の芯が火照って堪らなくなってしまう。穏やかで甘いのに、どこか追い詰められたような焦燥感に、ジュゼは全身をくまなく炙られ蕩かされていた。
 奥まで楔を埋め込まれたまま、口付けや愛撫をたっぷりと繰り返されて、馴染み切った粘膜を引きずりながらゆっくりと腰が引かれていく。熱を帯びて腫れ上がり、精気にはち切れそうな陰茎が肉壁の弱点の一つ一つを、存分に摺り上げながら抜けていった。

「あっ、あ♡ はぁ……っ♡ ひっ⁉ あ、あぁあ――っ♡♡♡」

 そのまま抜け落ちてしまいそうなギリギリまで引き抜かれて、いやいやと絡みついた粘膜をたっぷりと巻き込みながら、ずぷりと一思いに最奥までを貫かれる。持ち上げた太ももにレーヴェの腰がぶつかり、結腸の入り口を逞しい亀頭が激しく突き上げた。
 下肢ががくがくとひとりでに痙攣する。股と腹が温かな液体に濡れる感触を得て、潮を噴いたことに気付いた。
 何が起こったのか、どうしてこんなに気持ちがいいのか。頭が追い付かない内に、これまでの静けさが嘘のように激しく腰を打ち付けられて、ジュゼが高い悲鳴を上げて善がる。

「んぁっ♡ あっ♡ あぁっ‼ あぁああっ♡♡」

 レーヴェはその悲鳴を楽しむように、何度も何度も腰を押し付けて奥を穿った。蓄積した快感の波が、一気に押し寄せる。奥を叩かれる度に、押し出されるように歓喜の潮がとぷとぷと溢れて、ジュゼの下肢をぐしょ濡れにした。
 訳が解らないままに身体を裏返しにされると、覆いかぶさったレーヴェが、ずぷんずぷんと深く腰を動かし始めた。ベッドに手を押さえつけられたジュゼは、ただレーヴェが突き上げやすいようにと尻を持ち上げることしかできず、自然とはしたない格好になっていると分かっていてもどうすることもできない。噛み締めたシーツはすぐに唾液に濡れて、大きく揺さぶられる度に口から外れて爛れた喘ぎ声を撒き散らした。
 雄に屈服し、すぐにでも開いてしまいそうな胎奥の子供部屋を、先端にぐりぐりと強めに撫でられて。快楽に首を沈められたジュゼの瞳から涙が溢れた。奥の、奥の、掻き出せないところにたっぷりと欲しいと。あさましく強請り縋りつく粘膜が蠢く度に、目の前が真っ白になるほどの絶頂が繰り返して押し寄せる。

「んんっ♡ はっ、あぁあっ♡ あ♡ んぅ……っ♡♡♡」

 ぱんぱん、と。打ちつけられる腰が濡れた尻にぶつかる音に被さるように、二人の吐息や喘ぎが響く。レーヴェの色めいた吐息に内側がきゅうきゅうと収縮した次の瞬間、灼熱の媚薬がどくどくと流れ込んでくるのを感じた。
 熱く粘ついた精液が、最奥に叩きつけられながら染み渡る。子作りを目的としないセックスは、ただただ互いの愛情を確認し合うためのもので。腹を突き抜けて脳まで染み渡る情愛の証を、ジュゼは獣めいた声を上げながらたっぷりと堪能した。

「っ♡ うぅ……っ♡ あっ、はぁ……♡」

 子作りの大義名分を持つ普段のセックスよりも、いけないことをしている、という感情はより強い。そんなささやかな背徳感さえあまりにも気持ちがよくて、ジュゼはビクビクと尻と腹を震わせながら、何度でも絶頂を極めて頭の中を真っ白に染めた。

「ふふ、何回も……もうずっと、イきっ放しですね♡」

 可愛い、と。囁かれた耳が官能に震える間も、レーヴェは腰を小刻みに動かしてとろとろに蕩けた中を掻き混ぜるように快感を与え続ける。んあっあっ、と。押し出されるように喘ぎがこぼれ、絶頂の波の治まらない頭の中にちかちかと星が瞬いた。

「レーヴェ、ぇっ……♡ あ、まら、らぇ……っ♡」

 呂律が回らないまま、弱々しくジュゼが呟く。しかし、レーヴェは緩めていたピストンの動きを早め、ぱちゅぱちゅと音を立てながら、まだ肉付きの薄い若い尻に腰を激しく打ちつけ始めた。

「あっ♡ あ♡ あんっ♡ やっ♡ なんれっ♡」

 肉槍がずぷずぷと抜き差しされる度に、中に出された精液が愛液と混ざりあってぐちゅぐちゅとあからさまな音を立てる。たっぷりとした精を満たした陰嚢が下尻に叩き付けられる音が高く響き、ジュゼはシーツに顔を埋めることもできずに大声で咽び泣いた。

「んあっ‼ おっ♡ んんぅ♡ やっ、やあぁ♡ あ、らめ、イっちゃ……っ♡」

 もう、いつ絶頂を得ているのかも判らない。蕩けた頭では思考は少しもまとまらなくて、気持ちいいという感情だけで頭も心も満たされていく。好き、好き♡ と。蕩けた頭の中で愛しい番に愛を囁きながらうっとりと身を明け渡していると、突如として一層深い場所に切っ先が食い込む衝撃に仰け反った。

「ジュゼ」

 低く、甘い声に名前を呼ばれて、圧し掛かってきた身体に仰け反る身体を押し潰される。腰を回すようにしてねっとりと中を抉られると、先端を奥の窄まりへ当てられる感触がよく解った。
 こつん、こつん、と。優しく腰を揺らして、すでに緩んでしまったそこを繰り返して叩かれる。

「ここにも、入れてくださいね……♡」
「あっ♡」

 レーヴェに身も心も完全に雌に落とされたジュゼの結腸は、女の子宮のように降りてきて、招き入れるようにひくひくと震えて小さく口を開いていた。
 レーヴェは尻穴の入り口付近まで陰茎を引き抜くと、ぬち、ぬち、と助走を付けるように縁の辺りを引っ掻く。

「ぁ♡ や、あぅ……♡ だめっ……だめ、ぇ♡」

 この期に及んで焦らされるような動きに悶え善がりながら、ジュゼは熱に浮かされた声で、懸命にだめと繰り返して首を横に振った。
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