ボクの父さんはダメおやじ

有箱

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 体力の消耗を見抜いたのか、父さんは僕を学校まで送ってくれた。ほんのりアトラクション気味の車内で、席に引っ付きながら考える。

 汗をかくほど怖かったくせに、助けに入れるなんて凄いところあるじゃん。僕なんか、声さえ出なかったのに。ちょっと見直したかも――と。

 父さんも僕と同じ、ダメな部分もいい部分もある人間だったのだ。あの父さんに格好いい一面があるなんて、僕にとっては世紀の大発見に近かった。
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