R18・優しすぎる貴方【完結】

雫喰 B

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8. 嫌だ!!

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 憤怒の表情で腕を組み、仁王立ちしている、元婚約者の愛しい(はず…だと思っていたのですが…?)幼馴染み、“ツォルニヒ・ウンツフリーデン”伯爵令嬢(お名前、この手紙で初めて知りましたわ。愛称は、ルーニーだそうです。)

ただでさえ、そんなツォルニヒ嬢が恐ろしいのに、

それ以上に、元婚約者の書いた手紙、怖すぎます。



内容を要約いたしますと、私の日常生活が事細かく、微に入り細を穿って書かれており、俺(元婚約者)はここまで彼女(私)の事を知っていて、これほど彼女の事を愛している。ルーニー嬢の事は幼馴染としか思っていない。なのに、お前(ルーニー嬢)が、全て台無しにしたと言う様な事を延々と書いてあるのです。



しかも、一通や二通ではなく、この半年間ほぼ毎日。何通も。

コンラート様、怖すぎます!!



勿論、眼の前のルーニー嬢も。



そして、勝ち誇った様に私を嘲笑うと、傍にいた男たちに、



「思い知らせてやって!」



等と言うではありませんか!?



手が自由になった私は、立ち上がり逃げようとしましたが、男三人相手に勝てる訳ありません。一人相手でも無理です。即座に引き倒され、床に押さえつけられてしまいました。



「私は、愛人になるか金銭を援助して貰うだけで良かったのよ。なのに、婚約破棄するなんて!」

「え?あなたは、コンラート様を愛しているから、彼と結婚したかったのではないのですか?」



私がそう言うと、馬鹿にした様に言います。



「あんた、馬鹿なの? あんな四角四面な、剣を振る事しか出来ない男と結婚なんてしたら、それこそ修道院に行くのと変わらないじゃない。公爵夫人の仕事なんて七面倒臭い事、したくなんてないの。私は楽して遊びたいのよ。それに宝石だって、ドレスだって一杯欲しいしの!」

「 … 」



驚きのあまり絶句していた私に、



「そんな訳でぇ、後は、ゆっくり可愛がってもらってねぇ。」



と、楽しそうに高笑いしながら、部屋の隅に置かれている椅子に座り、此方を見て、ニヤリと笑っています。どうやら、高みの見物を決め込むつもりでしょう。



彼女の身勝手な言い分に腹が立つやら、押さえつけられたまま何もできない自分に腹が立つやら…。

こんな男たちに好き勝手されるしかないのか。そう思うと悔しくて悔しくて…。みっともなくても、悪足搔きでもいいから、何とか逃れようと身体を捩ったりしましたが、ビクともしません。



そんな私にニヤニヤと、纏わりつく様な厭らしい視線を送ってきます。

悔しすぎて、眼に涙が浮かびます。



そして、とうとう男の内の一人が、私が着ている寝衣の襟を掴んで乱暴に引っ張りました。

ボタンは弾け飛び、寝衣の前生地が破れ、寝衣の下に着ているシミーズが丸見えです。この先に待ち受けているであろう厄災に息が詰まり、怖気が走ります。

男の手が伸びて来て、シミーズの襟に手が…。



顔を背け、眼をギュッと瞑り、心の中で叫びました。

嫌だ、嫌だ。嫌だ!嫌だ!!



その時、小屋の扉が吹き飛んだのでした。

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