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9. 急転直下
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*お気に入り登録や、しおりを挟んで下さった方々、本当にありがとうございます!
物語の完結まで頑張って書いていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたし
ます。
では、続きをお楽しみください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三人の男たちに床に押し付けられ、もうダメかと思った時、小屋の扉が吹き飛んだ。小屋の中にその木片が飛び散り、降り注ぐ。
男たちが一斉に入り口を見た。一人の騎士が剣を片手に立ち、その後ろにも沢山の騎士がいる様でした。
すると、男のうちの一人が私の着ている寝衣の襟首を掴み、引き摺り上げる様にして立たせると、首に剣の刃を当てた。
首がチクッとした、恐らく少し切れたのでしょう。
「この女の命が惜しかったら、剣を捨てろ!」
男は一歩前へ出て、首に剣を当てている様を騎士たちに見せつけているみたいです。
そこへ、ウンツフリーデン伯爵令嬢が、私たちの隣にたちました。
「フン!今、その男が言ったでしょう。早く剣を捨てなさいよ。
「…わかった。」
そう言うと、剣を投げ捨てます。その時に片足を前に出し低い姿勢だったので、顔が見えました。
コンラート様。いいえ、さっきまで何度も名前呼びしておいて今更なのですが、もう婚約者ではないので、名前呼びは失礼ですね。リンドブルム侯爵令息でした。
扉を吹き飛ばし、私を助ける為に(?)格好良く登場なさったのは良いのですが、あの詳細過ぎるほど詳細な内容の手紙が思い浮かんで、少し残念と言うか、複雑な心境になったのは無理も無いと思います。
けれど、そんな私の思いなど知らない彼は、私を助ける為に窮地に陥っています。彼の足を引っ張る事になってしまった私は、益々情けなくてまた涙が溢れそうになってしまいました。
そして、隣にいたウンツフリーデン伯爵令嬢が、床に捨てられた彼の剣を手にすると、男たちに合図した後、私に剣を突き付けている男と共に入り口に向かいます。
勿論、私を引き摺る様に…。
「この女を殺されたくなかったら、後ろに下がりなさい!そして、馬車までの道をあけるのよ!」
ウンツフリーデン伯爵令嬢が、リンドブルム侯爵令息と外にいた騎士たちに向かって叫びます。
彼等は、剣を構えながらも手を出す事が出来ない事に、今にも舌打ちをしそうな顔をして犯人たちを睨みつけ、遠巻きにじりじりと移動しています。
リンドブルム侯爵令息は後ろにゆっくりと退がり、私たちはその横を通ります。その時に眼だけ動かして彼を見ると、血が滲むほど強く唇を噛んでいたのです。
それを見て、私の胸はズキズキと痛みます。何だか彼に申し訳なくて、俯いてしまいました。
そんな彼に、隣にいた騎士が剣を手渡しています。
このまま犯人たちの思い通りにさせたくなくて、何とか反撃は無理でも、隙が出来ないものかと様子を伺ってみますが、2人から剣を突き付けられ、後ろは残り二人が私たちと背中合わせで、周囲にいる騎士たちに牽制していて、隙はなさそうです。
騎士たちに遠巻きにされた状態で、馬車の傍まで来てしまいました。このまま馬車に乗せられたら終わりの様な気がして、私の中で絶望と焦燥がない交ぜになってどんどん大きくなっていきます。
彼と騎士たちはじりじりと間合いを詰めてきます。
それを見たウンツフリーデン伯爵令嬢が、私の首に当てていた剣の刃を軽くすうっと引きました。
ピリッとした痛みを感じ、横顔しか見えませんでしたが、その口元は笑っているように見えて、背中に嫌な汗が流れたみたいな感じがしたのでした。
「下がりなさいよ!じゃないと、次はもっと血が出る事になるわよ!」
そう言って、騎士たちに威嚇します。
更に怒りを増した騎士たちでしたが、私が人質に取られている為、下がらざるを得ません。
射殺さんばかりの視線で犯人たちを睨みながら、それでも、出来る限りゆっくりと下がっているようでした。
そんな緊張感に満ちた中に、リンドブルム侯爵令息の声が響き渡ります。
「ウンツフリーデン伯爵令嬢、あなたがして来た悪事の証拠は全て押さえさせてもらった。そして、あなたの父上、ウンツフリーデン伯爵及び、夫人も既に捕縛され、牢に繋がれた。これいじ…」
「噓よ!そんな嘘を言ったって、ムダよ!」
彼の言葉を遮って、彼女がヒステリックに叫びます。
「本当の事だ。隣国へ逃げる為の人脈も手段も潰した。なのに、何処へ逃げると言うんだ!」
「うるさい!煩い!五月蠅い!一人になったって逃げて切って見せるわ!」
「これだけの人数の騎士たちから逃げ切るのは無理だぞ!」
彼と彼女は睨み合っている様でした。その間にも、後ろにいた男二人が剣を騎士たちに向け、牽制しながら御者台に上りました。
私に剣を突き付けていた男が馬車の扉を開ると、私に中に入る様に言いながら、剣の柄で肩を小突きます。
私は、突き飛ばす様に馬車に押し込まれ、後ろを振り返ると、丁度、ウンツフリーデン伯爵令嬢が乗り込んで来るところでした。隣にいた仲間の男に何か言っているのを見て、一か八か、彼女を蹴り飛ばしました。すると、上手くいったみたいで、彼女の身体が、後ろに倒れていきます。
ドサッという音と共に、騎士たちの雄叫びが聞こえたと同時に外が物凄く騒がしくなり、怒号に交じって金属同士がぶつかり合う音や、馬の嘶きも聞こえます。
馬車の中で私はただ震えていましたが、やがて外が静かになったので、外の様子を見ようと入口の方へ移動したその時、誰かが馬車に乗り込もうとしているのに気付き、犯人かと思い後退ります。
けれど、それがリンドブルム侯爵令息だと分かり、ホッとした私は意識を失ったのでした。
~~~ 感想を書いて下さった方々へ ~~~
感想を書いて下さり、ありがとうございます!この場を借りてお礼申し上げます。
出来るだけ早く、次話をお届けしたくて…。個別にお返事したい所ではございますが、
この場にて失礼します事、ご了承いただければ幸いです。
物語の完結まで頑張って書いていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたし
ます。
では、続きをお楽しみください。
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三人の男たちに床に押し付けられ、もうダメかと思った時、小屋の扉が吹き飛んだ。小屋の中にその木片が飛び散り、降り注ぐ。
男たちが一斉に入り口を見た。一人の騎士が剣を片手に立ち、その後ろにも沢山の騎士がいる様でした。
すると、男のうちの一人が私の着ている寝衣の襟首を掴み、引き摺り上げる様にして立たせると、首に剣の刃を当てた。
首がチクッとした、恐らく少し切れたのでしょう。
「この女の命が惜しかったら、剣を捨てろ!」
男は一歩前へ出て、首に剣を当てている様を騎士たちに見せつけているみたいです。
そこへ、ウンツフリーデン伯爵令嬢が、私たちの隣にたちました。
「フン!今、その男が言ったでしょう。早く剣を捨てなさいよ。
「…わかった。」
そう言うと、剣を投げ捨てます。その時に片足を前に出し低い姿勢だったので、顔が見えました。
コンラート様。いいえ、さっきまで何度も名前呼びしておいて今更なのですが、もう婚約者ではないので、名前呼びは失礼ですね。リンドブルム侯爵令息でした。
扉を吹き飛ばし、私を助ける為に(?)格好良く登場なさったのは良いのですが、あの詳細過ぎるほど詳細な内容の手紙が思い浮かんで、少し残念と言うか、複雑な心境になったのは無理も無いと思います。
けれど、そんな私の思いなど知らない彼は、私を助ける為に窮地に陥っています。彼の足を引っ張る事になってしまった私は、益々情けなくてまた涙が溢れそうになってしまいました。
そして、隣にいたウンツフリーデン伯爵令嬢が、床に捨てられた彼の剣を手にすると、男たちに合図した後、私に剣を突き付けている男と共に入り口に向かいます。
勿論、私を引き摺る様に…。
「この女を殺されたくなかったら、後ろに下がりなさい!そして、馬車までの道をあけるのよ!」
ウンツフリーデン伯爵令嬢が、リンドブルム侯爵令息と外にいた騎士たちに向かって叫びます。
彼等は、剣を構えながらも手を出す事が出来ない事に、今にも舌打ちをしそうな顔をして犯人たちを睨みつけ、遠巻きにじりじりと移動しています。
リンドブルム侯爵令息は後ろにゆっくりと退がり、私たちはその横を通ります。その時に眼だけ動かして彼を見ると、血が滲むほど強く唇を噛んでいたのです。
それを見て、私の胸はズキズキと痛みます。何だか彼に申し訳なくて、俯いてしまいました。
そんな彼に、隣にいた騎士が剣を手渡しています。
このまま犯人たちの思い通りにさせたくなくて、何とか反撃は無理でも、隙が出来ないものかと様子を伺ってみますが、2人から剣を突き付けられ、後ろは残り二人が私たちと背中合わせで、周囲にいる騎士たちに牽制していて、隙はなさそうです。
騎士たちに遠巻きにされた状態で、馬車の傍まで来てしまいました。このまま馬車に乗せられたら終わりの様な気がして、私の中で絶望と焦燥がない交ぜになってどんどん大きくなっていきます。
彼と騎士たちはじりじりと間合いを詰めてきます。
それを見たウンツフリーデン伯爵令嬢が、私の首に当てていた剣の刃を軽くすうっと引きました。
ピリッとした痛みを感じ、横顔しか見えませんでしたが、その口元は笑っているように見えて、背中に嫌な汗が流れたみたいな感じがしたのでした。
「下がりなさいよ!じゃないと、次はもっと血が出る事になるわよ!」
そう言って、騎士たちに威嚇します。
更に怒りを増した騎士たちでしたが、私が人質に取られている為、下がらざるを得ません。
射殺さんばかりの視線で犯人たちを睨みながら、それでも、出来る限りゆっくりと下がっているようでした。
そんな緊張感に満ちた中に、リンドブルム侯爵令息の声が響き渡ります。
「ウンツフリーデン伯爵令嬢、あなたがして来た悪事の証拠は全て押さえさせてもらった。そして、あなたの父上、ウンツフリーデン伯爵及び、夫人も既に捕縛され、牢に繋がれた。これいじ…」
「噓よ!そんな嘘を言ったって、ムダよ!」
彼の言葉を遮って、彼女がヒステリックに叫びます。
「本当の事だ。隣国へ逃げる為の人脈も手段も潰した。なのに、何処へ逃げると言うんだ!」
「うるさい!煩い!五月蠅い!一人になったって逃げて切って見せるわ!」
「これだけの人数の騎士たちから逃げ切るのは無理だぞ!」
彼と彼女は睨み合っている様でした。その間にも、後ろにいた男二人が剣を騎士たちに向け、牽制しながら御者台に上りました。
私に剣を突き付けていた男が馬車の扉を開ると、私に中に入る様に言いながら、剣の柄で肩を小突きます。
私は、突き飛ばす様に馬車に押し込まれ、後ろを振り返ると、丁度、ウンツフリーデン伯爵令嬢が乗り込んで来るところでした。隣にいた仲間の男に何か言っているのを見て、一か八か、彼女を蹴り飛ばしました。すると、上手くいったみたいで、彼女の身体が、後ろに倒れていきます。
ドサッという音と共に、騎士たちの雄叫びが聞こえたと同時に外が物凄く騒がしくなり、怒号に交じって金属同士がぶつかり合う音や、馬の嘶きも聞こえます。
馬車の中で私はただ震えていましたが、やがて外が静かになったので、外の様子を見ようと入口の方へ移動したその時、誰かが馬車に乗り込もうとしているのに気付き、犯人かと思い後退ります。
けれど、それがリンドブルム侯爵令息だと分かり、ホッとした私は意識を失ったのでした。
~~~ 感想を書いて下さった方々へ ~~~
感想を書いて下さり、ありがとうございます!この場を借りてお礼申し上げます。
出来るだけ早く、次話をお届けしたくて…。個別にお返事したい所ではございますが、
この場にて失礼します事、ご了承いただければ幸いです。
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