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15. マグダレーナの追想 ②
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「では、令嬢話を続けてもらえるだろうか。」
騎士団長に促され、頷くと続けた。
婚約破棄後、気付けばずっと誰かの視線を感じた事、最初は外出時だけだったのが、自分の部屋に居るときでも視線を感じる様になり、恐怖心にいてもたってもいられなくなり、両親の勧めもあって、心身共に静養する為に領地へ行った事。
領地で暮らす事になって暫くは何事も無かったが、気付けばまた誰かの視線を感じる様になった事を話した。
そしてあの夜、深夜に眼が覚めると、賊に刃物を突き付けられ、拐われた事も話した。
言い辛かったが、小屋で目覚めた後、伯爵令嬢から罵倒され、暴力を振るわれた揚げ句、陵辱されかけた事を話す。
「後は、皆様のご存知の通り、騎士団の方々に助け出されたのでございます。」
そこまで話すと、終わりとばかりに礼をした。
「辛い事を思い出させてすまない。罵倒や暴力に恐い思いをしてさぞ辛かったと思う。令嬢が陵辱される前に助ける事が出来た事が救いだ。すまなかった。」
騎士団長は、そう言うとマグダレーナに深々と頭を下げた。
「団長様、頭をお上げ下さい。助け出して頂き感謝してもし足りません。本当にありがとうございました。」
それを聞いて、申し訳無さそうに少し微笑むと、
「そう言ってもらえると有難い。すまないが、質問させてもらってもいいだろうか?」
「はい。何なりと。」
「小屋の中で、捕らえた犯人以外の者は居ただろうか?」
「いえ、いませんでした。」
「そうか。ではその時、伯爵令嬢は何か言ってはいなかったか?」
「…確か、婚約破棄した事で計画が台無しになったとか…。」
「計画?」
「はい。とは申しましても、侯爵夫人の努めは大変だから、愛人か、金銭的な援助を受けるだけの立場になりたかったが、台無しにされたとかなりお怒りでした。」
「 ……… 」
その場に居て、それを聞いた者たちは、皆一様に唖然としていた。
「そんな理由で?」
いち早く正気に戻った騎士団長が呆れた様に言った。
マグダレーナは、頷くと話を続けた。
「そして、リンドブルム侯爵令息から受け取った手紙を全部見せられました。」
「その…内容は…? いや、これも仕事なので出来れば、話してもらえると有難いのだが…。」
言われ彼女は困った。考えない様にしていたのに…。思い出して、ふるりと震えた。
そんな彼女を騎士団長は不思議に思った。
「何か、憚られる様な内容だったのだろうか?」
「…いえ…、そういう訳では…。」
口元に手を当て、逡巡していたが、ポツリポツリと、申し訳無さそうな視線をコンラートに向けながら話した。
「あの…、内容は…その…私の一日の行動…が、その…事細かに…。半年分、毎日…欠かさず書かれていました。後、私への気持ち…と、伯爵令嬢への怨み辛み…?が…。」
周囲の皆が、コンラートを残念そうな、不気味な者を見る様な眼で見ていた。
話し終わったマグダレーナは俯いてしまった。
けれどそんな中、騎士団長だけはあまり驚いた様に見えなかったのが、気になった彼女は、騎士団長を見ると、彼と眼が合った。
(ひょっとしたら、騎士団長はこの事を知っていたのだろうか?)
と思ったところで気が付いた。そう言えば、コンラートから先に話を聞いていると言っていた。それに、手紙も証拠として保管しているはずだということに。そんな当たり前の事に今頃気付くなんて。と一人苦笑した。
視線を感じて顔を上げると、コンラートがこちらを見ていた。何か言いたげである。
が、彼女は気付か無かったフリをして最後にこう言った。
「伯爵令嬢は、腹いせに私を陵辱させ様としたのです。それほど、リンドブルム侯爵令息の事を本気で愛していたのでしょう。彼女自身も言っていました。私からの話は以上でございます。」
そう言って背筋を伸ばした。
騎士団長に促され、頷くと続けた。
婚約破棄後、気付けばずっと誰かの視線を感じた事、最初は外出時だけだったのが、自分の部屋に居るときでも視線を感じる様になり、恐怖心にいてもたってもいられなくなり、両親の勧めもあって、心身共に静養する為に領地へ行った事。
領地で暮らす事になって暫くは何事も無かったが、気付けばまた誰かの視線を感じる様になった事を話した。
そしてあの夜、深夜に眼が覚めると、賊に刃物を突き付けられ、拐われた事も話した。
言い辛かったが、小屋で目覚めた後、伯爵令嬢から罵倒され、暴力を振るわれた揚げ句、陵辱されかけた事を話す。
「後は、皆様のご存知の通り、騎士団の方々に助け出されたのでございます。」
そこまで話すと、終わりとばかりに礼をした。
「辛い事を思い出させてすまない。罵倒や暴力に恐い思いをしてさぞ辛かったと思う。令嬢が陵辱される前に助ける事が出来た事が救いだ。すまなかった。」
騎士団長は、そう言うとマグダレーナに深々と頭を下げた。
「団長様、頭をお上げ下さい。助け出して頂き感謝してもし足りません。本当にありがとうございました。」
それを聞いて、申し訳無さそうに少し微笑むと、
「そう言ってもらえると有難い。すまないが、質問させてもらってもいいだろうか?」
「はい。何なりと。」
「小屋の中で、捕らえた犯人以外の者は居ただろうか?」
「いえ、いませんでした。」
「そうか。ではその時、伯爵令嬢は何か言ってはいなかったか?」
「…確か、婚約破棄した事で計画が台無しになったとか…。」
「計画?」
「はい。とは申しましても、侯爵夫人の努めは大変だから、愛人か、金銭的な援助を受けるだけの立場になりたかったが、台無しにされたとかなりお怒りでした。」
「 ……… 」
その場に居て、それを聞いた者たちは、皆一様に唖然としていた。
「そんな理由で?」
いち早く正気に戻った騎士団長が呆れた様に言った。
マグダレーナは、頷くと話を続けた。
「そして、リンドブルム侯爵令息から受け取った手紙を全部見せられました。」
「その…内容は…? いや、これも仕事なので出来れば、話してもらえると有難いのだが…。」
言われ彼女は困った。考えない様にしていたのに…。思い出して、ふるりと震えた。
そんな彼女を騎士団長は不思議に思った。
「何か、憚られる様な内容だったのだろうか?」
「…いえ…、そういう訳では…。」
口元に手を当て、逡巡していたが、ポツリポツリと、申し訳無さそうな視線をコンラートに向けながら話した。
「あの…、内容は…その…私の一日の行動…が、その…事細かに…。半年分、毎日…欠かさず書かれていました。後、私への気持ち…と、伯爵令嬢への怨み辛み…?が…。」
周囲の皆が、コンラートを残念そうな、不気味な者を見る様な眼で見ていた。
話し終わったマグダレーナは俯いてしまった。
けれどそんな中、騎士団長だけはあまり驚いた様に見えなかったのが、気になった彼女は、騎士団長を見ると、彼と眼が合った。
(ひょっとしたら、騎士団長はこの事を知っていたのだろうか?)
と思ったところで気が付いた。そう言えば、コンラートから先に話を聞いていると言っていた。それに、手紙も証拠として保管しているはずだということに。そんな当たり前の事に今頃気付くなんて。と一人苦笑した。
視線を感じて顔を上げると、コンラートがこちらを見ていた。何か言いたげである。
が、彼女は気付か無かったフリをして最後にこう言った。
「伯爵令嬢は、腹いせに私を陵辱させ様としたのです。それほど、リンドブルム侯爵令息の事を本気で愛していたのでしょう。彼女自身も言っていました。私からの話は以上でございます。」
そう言って背筋を伸ばした。
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