R18・優しすぎる貴方【完結】

雫喰 B

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16. コンラートの追想 ①

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*お気に入り登録、栞を挟んで下さった方々、そして、読んで下さった方々も、本当にありがとうございます!
*感想にて、ご指摘ありがとうございました!
    早速、加筆修正させて頂きました。
    拙い文章ですが、これからもよろしくお願いい       たします。
                            sivaress

*****************
今話は、暴力シーン、不適切と思われる表現等ありますので、苦手な方は全力で回避して下さい。読まれる方は自己責任でお願いいたします。
*****************

それでは、“モヤモヤ解決編”の続きをお楽しみ下さい。





  ~~~    一週間前     ~~~

    馬車の中、俺は彼女を抱きしめた。

    彼女の存在が消えてしまいそうな気がしてその存在を確かめずにはいられなかった。

    彼女を抱きしめ、頬擦りし、その匂いを嗅ぎ、確かに存在している事を、感触でも噛み締める。

    それに戸惑い、ドギマギして、わちゃわちゃしている彼女が、この世の者とは思えないほど、可愛くて愛おしい。

    そう思うと、またその存在を確かめずにはいられなくなり、彼女の感触を堪能した。

    そして、それを脳に、この身に、刷り込む様に繰り返したのだ。何度も何度も…。
勿論、彼女が気を失った後も。

                 *************
    ********

    目一杯力を込めて扉を蹴り飛ばした時、押さえ付けられ、男に覆い被さられかけている彼女の姿が、眼に飛び込んで来た。

    頭に血が上る。彼女に触れている男たちを排除する事で頭の中が、埋め尽くされる。

    だが、三人も彼女の命を奪える位置にいる。一人倒しても残った奴が危害を加えるだろう。
    結局動けないまま彼女を人質に取られ、武器まで捨てさせられた。

    彼女の首に見える赤い色が、辛うじて優先されるのは彼女の命だと、怒りで支配されそうな頭に歯止めをかける。

    身動きできないもどかしさと苛立ちに、唇を噛む。
    だが、まだ動けない…。

    レーナ必ず助けてみせる!

    彼女は、か弱いだけの女じゃない。現に今も隙を伺っている。
    俺も感情を抑え、冷静にその時を待ちながら、一気に間合いを詰める事が出来る距離を保った。
他の騎士たちも、犯人の死角に回りつつ取り囲む様に動いている。

大丈夫だ。仲間もいる。必ず助け出せる。

    犯人たちの隙を伺いながらその表情を見る。

    その中の一人は幼馴染みだった女だ。彼女の境遇に同情していた。

    まだほんの幼児だった時に、俺の後ろを覚束ない足取りで、ヨタヨタと付いて回る姿を妹が出来たみたいな気がして可愛がっていた。

    その姿が眼に焼き付いていて、その後成長していくにつれ、その見た目に反して毒をその身に纏っていこうとも、芯の部分では善だと思っていた。いや、思いたかったのだ。

    だが、歳月は人を変えてしまった。

    彼女の悪意と悪行は止まる事は無かった。
揚げ句俺の最愛の人に刃を向けるに至った。

    最早、目の前にいるのは、幼児だった時の彼女では無い!



    お互いに牽制し合っているうちに、遠巻きに取り囲んだまま、馬車の側まで来た。

    勝負を仕掛ける機会を伺う。

   彼女が馬車の中に、突き飛ばす様に押し込まれた。
そして、の女が仲間の男の方を向いた時にそれは起こった。

    馬車の中から、白く美しい足が伸びたと思った次の瞬間、女の身体が飛んだ。

    俺が思っていた通り、やはり彼女はか弱いだけの女では無かった。

「   今だツ!!   」

   一斉に犯人たちに飛びかかった。

    俺は馬車の扉の一番近くにいた男に斬りかかった、男は俺の剣を自分の剣で受け、押しやると俺に斬りかかって来た。俺はその男と斬り結びながら隙を伺った。

    背後では一味の女が、ギャーギャー喚き散らしている。
そして、御者台にいた二人も地面に組伏せられた。
    
    男が一瞬だけ、そちらに気を取られた隙に、ソイツの手を斬り落とした。
手から血を噴き出しながらソイツがのたうち回る。

    剣に付いた血を一振で払い、鞘に収めると馬車に乗り込んだ。

    彼女が怯えてこっちを見た。俺は生きている彼女を見て安堵の息を吐いた。

    一瞬遅れて、俺だと分かった彼女が大きく息を吐いた。眼から涙が溢れている。

    矢も盾も堪らなくなって彼女を抱きしめ、彼女が生きている事に感謝した。
安心して、緊張の糸が切れたのか、彼女は気を失った。

    彼女を横抱きにして馬車を降りると、ウオォォーッ!! と、歓声が上がる。

    俺の胸に凭れたまま気を失っている彼女を、抱きしめている腕に力が入った。

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