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10. 横領事件・結末
しおりを挟む*~~~~~線が3本出た後、
ベッドシーン入ります。
苦手な方は全力で回避して下さい。
読まれる方は自己責任でお願いします。
━ ランディ Side ━
元侍従のハリー・クリムトは、その後供述内容を変える事なく、鞭打ち100回の末、無期限の国外追放処分となった。
一部でその刑罰が軽すぎるという声もあったのだが、クリムト家の爵位剥奪、横領による損失の弁償として私財没収、一族の王都追放もあった為、軽すぎるとも言えない処分だった。
一度は一族から追放されていたハリーなのだが、クリムト家当主から自分達にも責任があるという申し出を受け、このような処分になったのだ。
ハリーの鞭打ちが終わった後、意識を失っていた彼を運んで行った、親族と思われる人間がいた事から、最後の最後で、肉親の情を捨てきれなかったのかもしれない…。と、噂されたが、本当かどうかまでは分からなかったのだが…。
~~~~~
ランディとリンジーの婚約の話し合いまであと3日、リンジーは年に3~4回ある軍関係の会議に出ている父の忘れ物を届けに王宮へ来ていた。
ついでに、横領事件以降、ずっと会っていなかったランディの事を心配していたのと、国王陛下からの「顔を見せてやって欲しい。」という伝言を父から聞いた事もあり、「婚約者だからいつでも訪問して良い。」と許可されて、そのまま彼の私室へと向かった。
執務室に行ったら、部屋にいると言われて来たのだが、いつも扉の前にいる筈の護衛がいない。
何故だろう?と思いつつ、扉に近付くと、悲鳴のような呻き声のような、何やらただ事でないと思わせる様な声がする。
しかも、1人ではなく、2人?若しくはそれ以上?の声が扉の外まで聞こえてきているのだ。
彼女は扉から少し離れて、一緒に来ていた護衛のローランドと侍女のスージーの方を困惑した表情で見た。
すると2人は扉に耳を近付け様子を窺う。すぐにスージーの頬が赤くなり、ローランドは怒りを滲ませ、扉をノックした。
けれど返事は無い。
ローランドは2人に下がっているようにと手を後ろに動かした。
ドアノブをそっと回すと、鍵は空いている。
音が出ないように、そろ~っと扉を開けて中に入り、奥へと進む。
そして、眼にした物に驚き、一瞬固まりかけたが、後ろからリンジーとスージーがついて来ていたのを思い出し、手で押し留めようとしたが間に合わなかった。
「「 っ!? 」」
息を呑み、驚愕する2人…。と、ほぼ同時だった。
「キィヤァーッ!!」
けたたましい悲鳴が上がる。
ランディが顔を上げ、ローランドを見るや否や、サイドテーブルの上にあったグラスを掴んだかと思うと、彼目掛けて投げつけた。が、狙いが外れて斜め後ろにいたリンジーの方へ。
咄嗟に、ローランドがリンジーの前に出た。グラスが割れ、破片が飛ぶ。
「ローランド!」
見ると彼の左頬から一筋の赤い線が走る。
リンジーが彼の前に回り、頬に手を伸ばす。幸いにも傷は深くないようだ。
ホッと息を吐く彼女。
そして、王太子に向かって淑女の礼をとる。
「王太子殿下には、ご機嫌斜めな様子。後日出直して参りますわ。」
そう言うと、ランディに背を向け、部屋を出ていった。
その後ろにローランドとスージーが、各々、王太子に礼をして続いた。
リンジーは泣き叫びたくなるのを、グッと堪えていた。同じ幼馴染みと言っても、やはり自分は名前だけの婚約者だったのだ。
ローザリンデのリビルド伯爵家よりも、カスペラード辺境伯家の方が爵位が上だから、私と婚約しただけの事なのだ。
それでも…幼い頃から大好きだったのに…。
不幸中の幸いというか、3日後に話し合い、婚約を解消する決心ができて良かったとでも思わなければ…。
けれど、そう思いながらも、ランディが追いかけて来てくれるのを期待してしまった事が、とても惨めに思えた。
~~~~~
~~~~~
~~~~~
「…ん…ッふぅ…あぁ…。」
目の前の白い背中をぼんやりと見ていた。リンジーとやり直したいから、別れ話をする筈だったのに…。何をやっているんだ俺は…。
ローザリンデと会った時はいつもそうだった。何故か流されるように、彼女を抱いている。
ぼんやりとした頭でそんな事を考えながらも、頭とは別の意思を持っているかのように、下半身は四つん這いになった彼女の中を獣の様に穿っている。
それに合わせ、彼女も貪りつくように嬌声を上げ、貪欲に腰を振ってくる。
俺は益々貪欲に獣になったかのように、指が食い込むほど強く腰を掴み、更に深く、深く穿つ。
彼女の嬌声が更に大きくなる。
が、その声を聞いた俺は、興奮よりも何故か苛立ち、怒りが沸き上がる。
なのに、腰は動くのを止めない。寧ろその動きは速くなる。
と、目の前に人影が…!?
次の瞬間、彼女のけたたましい悲鳴が響いた。
お前はっ!?
そう思ったのと同時だった。サイドテーブルの上のグラスを掴んで、その男に投げつけた。筈だった…なのにそれは、リンジーの方へ…
心臓を握り潰された様に胸が痛む。息が止まる。
けれど、その男、ローランドが彼女を庇った。
そしてリンジーは、その男の痛々しい傷を負った頬に、手を伸ばす。
それほど傷が深くなかったらしい。
ローザリンデと繋がったままの俺に向かって、リンジーは何も見なかったかのように、優雅に淑女の礼をとった。
「王太子殿下には、ご機嫌斜めな様子。後日改めて出直して参ります。」
そう言って踵を返し、去って行った。
侍女と護衛も俺を冷たい眼で一瞥すると、彼女の後ろに続いて部屋から出て行った。
終わりだ!何もかも!
苛立った俺は引き抜くと、ローザリンデの腕を掴み、ベッドから乱暴に落とした。
「!? いったぁーい!! 何すんのよ!」
「煩い!出ていけ!!」
泣きながら慌ててドレスを着ると部屋から出ていった。
俺の頭の中は、リンジーを失ってしまう現実に堪えきれず、パニック状態になったのだった。
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