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ワンナイト
しおりを挟む「写真1枚で碓井くんの80%を言い当てたね。私が言えたことじゃないんだけど、彼が天涯孤独にならないか不安なんだ...凄くしっかり者だからさ...」
「心配なんですね。でも、この人かなり愛されるタイプだと思いますよ」
「えっ碓氷くんが!?」
「だってほら、見るからにネコ専でしょ?」
ネコ専、なのか?
そんな素敵な笑顔で言われても反応に困ってしまう。
私は彼の人間関係や恋愛事情に足を踏み入れたこともなければ、そういう行為をしている想像すらしたことがなかったのだから。
今考えると、キスとかセックスだって、汚いです触らないでくださいとか言いそうだし...。
「碓氷さんがフリーなら、ワンナイトしてみたいな」
「い、いけません!彼は蒼依くんに言葉のナイフを突き付け兼ねない!」
「あはは、お父さんみたい。でも俺も男だから...」
一瞬目付きが変わった蒼依に、ゾクリとした。
さっきまでやわらかな雰囲気に包まれていた目の前の男が、急に雄々しくなった気がして、思わず喉を鳴らす。
「その時は組み敷いて食べちゃう」
きゅん
切実に抱いて欲しい...!
悟っていたことも忘れ、アナルが切なく疼くのを感じた。
1度貞操帯のことを思い出してしまうと、どんどん射精したい欲がでてくる。
「あ、蒼依くんは...その、私のことも...抱けたりするんですか...」
興味本位で聞いただけだが、蒼依は大きな目を更に開き、次第に微笑んだ。
「もちろん...姫神さんのこと、とろっとろにする自信あるよ。試してみる...?」
「えっ、でも...貞操帯が...」
「あれ、七王くんに管理されてるの?俺の家に同じ型の鍵あるから、外してあげます」
!?
忌々しい貞操帯を外せる...?
しかも、蒼依くんとえっち...?
「...」
男らしい腕、厚い胸板...優しそうなタレ目に反するキリリとした眉が最高に可愛いらしい。
ちょっと、いいかも...。
「あ、ちょっといいかもとか思ってんだろ。ダメだよ、政宗には俺がいるんだから」
ん?
「あとちょっとだったのに、邪魔が入っちゃいましたね!七王くん久しぶり~」
「お久」
「神崎、何故ここにいるんだ...!」
いつの間にか姿を現した神崎は、早速料理を取り分けている。
ん、と指をさされた方へ視線を向けると、そこには私の鞄があるだけだが何やら嫌な予感がした。
急いで中身をあさり、指先に触れる物体を取り出してみると案の定、だ。
「七王くん、あれなに?」
「発信機」
「...盗聴器や貞操帯では飽き足らず、発信機だと...?本気で怒るよ、神崎」
「だって、心配なんだもん。こんなに可愛いんだから、いつどこで誘拐されるか分かんないだろ?」
誘拐って...私は35だ。
しかも私を可愛いなどと思う希少価値な人間は、この世に2人しかいないんだよ。
「今日だって蒼依と2人きりでご飯食べるなんて聞いてねぇし...。俺にも構ってよ政宗、一緒に遊ぼ?」
「ぐ...」
そんな子犬のような目で私を見るな。
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