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10 挿入前・R18

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 アレクレットは抱いてもらう側の努力義務と思って、指が3本入るまで広げる練習をあらかじめ家でしてきた。
 毎日、地道に小指から親指まで広げ、二本目を入れるのには苦労したが、穴を広げるコツが力を抜いてリラックスすることだと気づいてからは三本に達するのは早かった。

 リラックスのコツを掴む練習をしているアレックスは、指二本なら比較的、余裕で入れられる。
 ついさっき風呂で解しておいたこともあってクラウディオの指は問題なく入るが、自分のものではない指が入る感覚には大きな戸惑いを覚えた。

 他人の指は動きを予想出来ず、今から何をされるか分からない不安しか感じられず、怖い。でも本当に怖いのは、自分が望んでそうしてもらっているがために拒むことが出来ないという事実。

 『やめて欲しい』と言いたくなる気持ちを抑えて、強張る体に、受け入れなければならないのだと言い聞かせる。
 自宅で解す作業をしている時も、一度も気持ちいいと感じることはできなかったアレクレットは、努めて力を抜く練習だけはしておいた。
 目をつむり、尻や周辺の筋肉が緩むようにイメージしながら、息を長く吐く深呼吸を繰り返す。

 体の緊張を解けば、力をが抜けた穴をクラウディオの指が探るように動き回り、また腸壁が反射的に締めつけてしまい、アレクレットは深呼吸をして力を抜くことに意識を集中させる。

(これ、本当に気持ちよくなれるのか?)

 参考に見ていた動画ではあんなに気持ち良さそうにしていたのに。
 お尻で気持ちよくなるには才能がいる、と書いてあったのはなんのサイトだったかと思い出そうとしたら──

「なんだっけ、前立腺を触ると気持ちいいんだよな?」

 クラウディオが聞きかじったレベルの知識で前立腺を探し始めた。
 アレクレットもそこが見つかれば気持ちよくなれるはず、と探したが結局良くわからなかった。きっと、アレクレットにはアナルの才能がないのだ。

「・・・クラウディオ、前も、触って欲しい」

 普通なら嫌がるかと思って言わなかったけど、アナルに指が入れられるなら、男の象徴を握るのにも抵抗はないだろうと思って頼んでみた。
 頼まれたクラウディオは躊躇なくアレクレットの男の徴に触る。
 大きな手がふにゃふにゃのそれをすっぽりと包み、小刻みに動かされると、クラウディオの手の温かさと自分でも経験のある直接的な刺激がアレクレットの脳に快感を思い出させてくれる。
 後ろに入れられるのは怖かったけど、前を他人に触られるのは気持ちがいい。

 アレクレットが言わなくても同じ男であるクラウディオの握りの強さはちょうど良く、硬さを持ち始めてくると、クラウディオの手の動きは激しくなり、アレクレットが弱いポイントをくすぐったり、先走りを親指で広げたりして、アレクレットを快感で翻弄した。

「んっ、んん~~!」
「腰浮いてる。先っちょクルクルされるの好き?」

 アレクレットが、男の喘ぎ声なんか聞かせたら気分が下がるだろうと唇を噛んで耐えているのに、クラウディオは研究者気質を発揮して楽しげな声で問いかけてくる。

 先走りのヌメリを塗り拡げられるのは電気が走るような気持ちよさがあれど射精には至らない。
 竿の方も触ってもらえればイけるのだが、クラウディオはわかった上で最後の一押しを与えてくれず、イけない辛さでアレクレットはクラウディオの体を強く挟んで内ももを震わせ、足をピンと突っ張らせて指先まで丸まった。

「そろそろ、無駄な力も抜けたか?」

 アレクレットが脱力して、乱れた呼吸を整えるために大きく胸を上下させていたら、そんなクラウディオのつぶやきが耳に入った。

 何を始める気なのか見ていれば、前がゆるく握られ、優しく上下された。小首をかしげた瞬間、収縮する穴に入っていた指がゆっくりと引き抜かれた。アレクレットはすっかり馴染んだ熱と存在だった指が出ていく感覚にゾクゾクと背筋が震え、脳に『気持ちいい』という言葉が弾けた。

「あぁっ・・・な、うそ・・・、んっ・・・」

 熱いクラウディオの指が尻の穴を出たり入ったりするたびに快感が全身に広がり指先まで震えた。
 明らかに気持ちがいい。だけどそれが信じられない。前が受ける快感と中を抜き差しされる感覚がリンクして快感が乗算式に跳ね上がる。

「んぁ、やめぇっ、あぁぁ・・・、んぅ~~っ!」
「良いよ、もっと、声出して。気持ちいいのが分かるとこっちも楽しい。・・・あと、この辺がちょっと膨らんできた気がするんだけど、これが前立腺かな?」

 クラウディオの指が僅かな膨らみを押し上げた。。

「アアァッ!! そこ、ダメッ!」

 アレクレットは思わず大きな声が出た。
 体が驚き、心臓がバクバクする。精液が漏れ出てしまいそうな感覚と射精の時に感じる気持ちよさが混ざった快感が下腹部で爆発したみたいだった。

 アレクレットの反応に口をポカンと開けて驚いたクラウディオだったが、一瞬後には面白いおもちゃを見つけたようなニヤリ顔で、アレクレットが背を丸めて縮めた足の膝を持ってパカリと開く。

「ここら、へん、だった、ような?」

 再び右手を後ろの穴へと滑り込ませ、クラウディオはさっき見つけた前立腺を探してグリグリと指を動かし探ってくる。

「あっ、いや、いらなっ、・・・そこじゃな、んんッ!」

 見当外れなところを撫でられたと思ったら気持ちいいところをかすめられ、数ミリづつずらされて動く指がまたピンポイントを直撃したり、またズレてしまったりと、快感の緩急が激しくて息が苦しい。

「もう、ほんと、やめて・・・。僕が気持ちよくなる必要ないから、十分ほぐれてるんだから入れなよ」
「いいから。だいぶ分かってきた。この辺、だ・・・ろ?」
「んぁあッ!!」

 前立腺を探る指の動きが大人しくなってきたので抗議したが、クラウディオは早くも前立腺の位置を特定しており、クッと曲げられた指は正しくアレクレットの弱いところを押し上げていた。

 指を増やされ、前を一緒に扱かれれば、アレクレットの中はギュゥっ締まり、指を締め上げられたクラウディオは楽しげな声を上げた。

「ほら、ここだろ? グリグリ押すのと、トントン叩くのどっちが気持ちいい?」

 クラウディオがそういって、アレクレットの弱いところをいじめるが、アレクレットはどっちが良いなどと答える余裕もない。
 叩かれるたびにビク、ビク、と身を震わせ、狙ったかのように気を緩ませた瞬間に中から押し上げられれば嫌でも腰が浮いて、手で口を塞いでも声が手の隙間から漏れ出てしまう。

 もう前を触られずともアレクレットの前はピンと勃ち、先走りがお腹へ垂れて、後ろの感覚だけで気持ちよくなれることを覚えてしまった。
 恐怖心が取り除かれたアレクレットに残るのは羞恥心だけ。体は緩み、声も抑えられず、最後の一枚は口を覆う手。それすらも取り払ってしまおうとクラウディオはアレクレットの中をわざと音を立てて掻き回し、陥落させようとしてくる。


 聖紋を撫でられ、ローションが更に追加されたトロトロの穴をクラウディオの指が激しく出し入れされ、時にバラバラに動かされる。3本の指でぐぱっと穴を広げられた時には、アレクレットの両手は枕を掴み体をくねらせ、直腸がクラウディオの指を締め上げる感覚に『あぁ~~』とだらしのない声をあげ感じ入っていた。

「アレクレット、もう指3本も余裕になった。いつ入れて欲しい? 今すぐ? それとも一回イっておく?」
「もう・・・いれて・・・いいよ・・・」

 息も絶え絶えで答えたアレクレットにクラウディオは『了解』と一言。

 ゆっくりと後ろから3本の指が抜かれて、代わりにクラウディオの硬くなった熱い棒が当てられた。ぐっと足を持ち上げられた体勢は少し苦しいが、その肉感が与えてくる新たな刺激を想像するとアレクレットのアナルはキュッと締まった。

「物欲しそうな顔してる」
「バカ、安心したんだよ。ちゃんと勃って良かったって」
「そうか。気持ちよく出来るかは解らないけど、もう痛いくらいに完勃ちだよ」








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