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11 挿入後・R18
しおりを挟む押し当てられたそれは少しの抵抗を受けたあと、ローションの力でヌルンと温かい窪みの奥へと侵入した。
「っく、んふぅ・・・ぅ・・・」
クラウディオは一度も腰を引くことなく、本能のままに熱い棒をゆっくりと押し込み、半分ほど埋まったところで行き止まりを感じて止まった。
「なにこれ・・・、すごい気持ちいぃ。全部入れたい・・・」
「ちょっと待って、苦しい・・・」
「あ、大丈夫か? 前触る?」
「いい、少し、動かないで」
目を閉じ、深く息を吐き、苦しさを逃すアレクレット。
クラウディオが気遣うように肌を撫でてくれる手の平が熱くて心地よい。
「にしても、ここまでしても聖紋に変化がない。中出しすればここに蕾の模様が出来るんだよな?」
「たぶん・・・」
聖紋の模様をなぞるクラウディオの指を見ていると、下腹部の鈍痛が治ってきた。無意識にキュと締まった穴で感じたのは、ガチガチだった肉棒が少し柔らかくなっているという事。
クラウディオはアレクレットが名前を呼んでも反応せず、膝をトントン叩かれてやっと顔を上げた。
「あ、ごめん、聖紋の魔法が気になって」
クラウディオは謝るようにチュチュと体の至る所にキスをして、上目遣いで『次からは見ないようにする』と言ってきた。
アレクレットはその顔を見てフッと小さく笑った。性欲よりも知識欲というこの姿勢。きっと、クラウディオが歴代の彼女たちと別れた理由は『勉強や研究を優先させて女性たちを後回しにしたから』とかなんだろうな。と勝手に予測したのだ。
「キスするなら口にして。バーでしたキス、すごく良かったから」
アレクレットが腕を伸ばし、クラウディオが顔を寄せてくる。
すぐにはキスをせず、鼻先をすり合わせながら真っ直ぐにアレクレットを見る目はあのときと同じ。歯の裏を舐められる所も同じだが、今度はアレクレットの方が待っていられず積極的に舌を絡めに行く。もう、酒の甘さも苦さもないけど押し付けるように絡めた舌の気持ちよさは店の時と変わらず、物足りなさを感じるくらいで離れていくのも同じ。
「続き、いいか?」
「・・・うん」
体を起こし髪をかき上げ、クラウディオは優しく腰を押し付けてきた。しかし、まだ奥を突かれるのは苦しい。クラウディオの腕に軽く爪を立てて首を振ると、次はズルズル~と抜けそうなくらいに引き抜かれた。それが何ともゾクゾクとして思わず声が出た。
再びゆっくり侵入してきた熱は浅いところで出入りを繰り返し、クラウディオが散々イジったアレクレットの弱いところを刺激する。ギュゥと締め付ける壁に対抗するようにクラウディオの貫く熱は硬さを増して、動きは早く激しく、また少しずつ熱い棒は深くアレクレットの奥へと侵入してくる。
打ち付ける体がついに、アレクレットの尻を打ち、パンと軽快な音が鳴る。
「あぁッ、奥・・・っ! あ、あぁあっ、入ってるぅ・・・」
クラウディオが到達した奥深くは未知なる領域。
アナルセックスの準備で道具を使わなかったアレクレットが知っている深さは自分の指だけだった。自分では触れたことのない場所から受ける刺激の信号は、快感を得ると同時に恐怖の感情をも呼び起こし、アレクレットは助けを求めてクラウディオに両手を伸ばした。
一度だけ空を掻いた手はすぐにクラウディオに見つけてもらえて首と背中へ誘導された。
クラウディオの温かい体に抱きつくと、耳元でクラウディオが笑ったのがわかった。それをきっかけに、アレクレットは湧き上がってくる恐怖を口にする躊躇がなくなった。『だめ』『とまって』『こわい』と正直な気持ちを伝えれば、クラウディオは優しくも熱いキスでなだめてくれるが、腰の動きは止まらない。
「はぁ、やばい、気持ち良すぎ。アレクレットは? 気持ちいい?」
「あっ、んうぅっ、きも、ちぃ・・・!」
「良かった。痛いのはちゃんと教えて、気持ちいいのもできれば言って欲しい」
額にキスをしながら言ったクラウディオの一言は、アレクレットの理性のタガを外した。
「クラウディオっ、もうちょっとゆっくり、あ、そこ、きもちいい・・・」
「ここだな、強さはこれくらい?」
「あ、あ、うん、うん。気持ちいいっ・・・! あ、そこそこ、あっ、ぁん、んっ」
「声、我慢しないで」
「ああ、だって、あっ、それだめ、はぁあ~~っ!」
そこからクラウディオは自分の欲を満たすよりも、アレクレットを啼かせることに専念した。少しでも反応したところを見つけるとしつこく攻め、緩急をつけてアレクレットを翻弄した。
素直に快感に溺れていくアレクレットの中はキュンと甘く収縮して、その度に体をくねらせる姿にクラウディオの興奮も最高潮に高まっていた。
「ああ、やばい、もう出そう・・・っ」
「だ、出すなら、なかっ・・・中に出して!」
「ああ、わかってるっ。でも、もっと中に入れてたい・・・ッ! ・・・なぁ、アレクレット、──・・・ッ」
クラウディオの口はパクパクと動くが、音はしない。
その顔は苦しげで、到達点が近いせいか、そうではない何かがあるのか。気持ちよさで脳が蕩けたアレクレットには分からない。ただ出来るのは、バカ正直に問いかけるだけ。
「なに? どうしたの?」
「いや、・・・アレクレット、気持ちいいよ・・・、マジで、ほんと・・・、アレクレット・・・く、っ!」
何かを言いかけたクラウディオは言葉を飲み込むような顔をした後、代わりとばかりに腰を強く掴み、最後に激しいフィニッシュをかけてアレクレットの中に白い精液を放った。
少しの間、息を整えるような呼吸をしていたクラウディオが倒れ込んできてアレクレットにかぶさって来て、強いくらいに抱き締められた。
息苦しいのに心地が良い、不思議な感覚だった。
「ごめん、俺だけいっちゃったな」
キツく抱き締めていた腕が緩められ、クラウディオは起き上がった。
ふと、離れていった体が淋しい。と思った。
でも、その理由を考える余裕は与えられなかった。クラウディオが、精を放っていないアレクレットを握り、擦り上げてきたのだ。
「あ、やめっ、い、いらないから・・・んぅっ! あー、だめぇー・・・、それされたら、ああ、ぃぃ・・・」
「後ろ、中めっちゃうねってるよ。俺も気持ち良い。また、勃ちそう」
指の時とはまるで違う。後ろを食い締める硬さがあるだけなのに頭が真っ白になるほどの快感でバカになりそう。
「ああっ、だめ、はやぃっ! あ、イく、イっちゃうッ! あ、あ、クラウディオ、クラウディオ! イく、イっ、んぅッッ!」
アレクレットはいつの間にか恋人繋ぎをしていた手をギュと握り、背を反らせてクラウディオの手と自身の腹を白濁で汚した。
到達した地点は耳鳴りがするほどの快感だった。余韻に脱力してアレクレットは動けない。
クラウディオがアレクレットのお腹をバスローブで拭ってくれたけど、体は物理的に繋がったまま。
何故か片足を持ち上げられ、横向きに寝るように転がされたあと、クラウディオは背中側に回ってそのまま寝る姿勢に入って動きが止まった。
「あのー、抜いてくれない? お腹壊すから、精液は掻き出さないとダメなんですけど?」
「それなら浄化魔法をかければいい」
クラウディオは赤い魔石をアレクレットの腹に押し付けて聖紋をなぞる。
お腹の中が少し動いたような気がしたがそれだけだ。キレイになったのか良くわからない。
「たぶん出来たな。魔石が空っぽになった。よし、じゃあ寝るか」
「いや、抜けよ」
「やだ。気持ちいいからこのままが良い」
「もぉー・・・」
アレクレットが抜こうとしたらクラウディオの腕が腹に回され、動けなくなった。それでも抵抗したが、クラウディオが肩やうなじを吸ったり舐めたりし始めたので、しばらくは好きにさせてやることにした。
達したあとの脱力と心地よい背中の体温で、眠気が降りてきた。
後始末をしなくて良いというさっきの言葉が目蓋を持ち上げる気力を失わせ、アレクレットは小さく息を吐いて、力が抜けていく流れにのってそのまま眠りに落ちた。
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