Postman AAA

オーバエージ

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17針

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何とか無事にメガロポリス入り口まで到着したテッドだったが、まずは肩の傷を見てもらう医者を探さないといけなかった。
弾は貫通しているとは思うのだが、まだ痛むし血が止まらないのでやはり万が一の事を考えて治療をする必要がある。
買った原付の電気電源は車の電池をむりやりつけて何とか走り続けてこれた。
「しかしそれにしても…」
以前来たよりも人並みも活気も無くなっているのは、多分気のせいではない。医者自体いるかどうか。
しばらくまっすぐ走ると、BARのような建物が見えてきた。ネオン看板がBARと淡く光っている。任務に関わる事なので酒は一滴も飲めないが
コーラとハンバーガーぐらいはあるだろう。実際空腹で限界なのだ。
しかしAAAの免許を見つけた客は攻撃してくるかもしれない。通行人は全員敵と思え。AAAの教訓である。
バーの店主なら医者の居場所も知っているはずだ。ポケットにスピードローダーを2個入れて、堂々とバーのドアを開けた。
4人組のメンバーが2つのテーブルを陣取っている。計8人だ。談笑していたが、郵便屋が入ってくると笑みが消えた。
カウンター越しに40代くらいのバーテンがコップを拭いていた。
「ご注文は?」
「コーラと、何か食べれるものを」
「フィッシュ&チップスぐらいしかございませんが」
「充分。たのむよ。」
客の8人はいつもの談笑にもどったので、とりあえずはほっとした。
「バーテンさん」
コーラで喉を潤してから言った」。
「この町に医者はいるかい?」
「闇医者ならいます」主人はテキパキとした喋りで続けた。
「ここの、はす向かいにあるボロい建物です」
「フィッシュ&チップスを堪能してから向かいます」

お腹も満たされた所で、郵便屋は早速闇医者へと赴く。
扉の前で
「いますかー」
と言うと、ちいさい爺さんが顔を表した。
「入れ」
言われるまま部屋へと入っていった。

「弾は貫通してるようじゃな。縫っておこう」
「助かります」
闇医者がテッドの帽子にある身分証に目をやると
「お前さんは気をつけた方がいいぞ」
「慣れてますから」
テッドが照れながら言うと、闇医者は真顔を崩さず続けた。
「メガロポリスが以前より荒廃してしまった理由は、何でもありの強盗団が押し寄せてきたからじゃ。
お前さんなんてすぐ餌食になってしまうぞ」
闇医者は手当を終わらせてから、白いヒゲをなでた。
「雪もやんだし長居はしません。ただどうしても宿で1泊したいのでさがしてみます」
闇医者は請求書とともに、宿の地図をかいてくれた。
郵便屋はお礼を言ってから、早々に宿屋へ向かった。

その頃、ヨーコとネコパンチもメガロポリスに到着した。



「店もあまりないにゃあ」
黒服の2人はあたりを見回しながら、つぶやいた。
シャッターが閉まっている商店街を進んでいると、一件の宿屋があった。
「ここで1泊して休もう。あいつも最低でも1泊はするはずだ。タイミングを見てまた大雪にする」
駐車場に乱暴に車を止めて、2人は宿屋へと消えていった。
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