Postman AAA

オーバエージ

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マキビシチェーン

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例の女性と猫はもう十分に進んだはずだ。
次の中継街フォークスに到着しているかもしれない。しかしフォークスはあまり大きな街じゃないので
発見される確率が高いのが厄介だった。
しかし絶対にこの街を通らなくてはならないので食料と水を確保と、できればミニミサイルの調達を
したいのだが、あまり期待はできないほど小さな街だ。
良くしてくれた女将さんにお金を支払おうとしたが、そんな気を使わなくていいと断られた。
おにぎりの差し入れももらったりして、郵便屋は感謝のお辞儀をすると隠しておいた葉っぱを取り除き、そのまま走ってフォークスへと急いだ。
問題は例の2人組に遭遇した場合だ。衝突する確率は高いので冷静になる。
特に黒服を着た猫族のあいつ。かなりの腕前とみているので、気をつけないといけない。
パートナーの女性はICチップのせいで倒すことはできないという、かなり高い難易度である。
「衝突しませんように」
テッドは祈りながら、ややスピードを上げた。



「あいつ全然こにゃいな」
ネコパンチはコーヒーを飲みながら道の真ん中で言った。
タバコを吸いながらヨーコは猫に問う。
「もうフォークスから出た可能性は?」
「さすがにこっちが先に着いたとおもうんだがにゃ」
ヨーコは新しいタバコに前吸っていた火種を押し付けて、白い息を吐きながら言った。
「門の入り口にマキビシチェーンを敷くわよ。そこから銃撃戦」
「防弾車だろうけどにゃ」
「郵便屋は私達を仕留める為、車から必ず降りて来る。」
「まぁ銃撃戦になったらまかせるんだにゃ」
新型の銃2丁をクルクル回しながらホルスターに収める。
「じゃあマキビシチェーンを買いに行きなさいよ」
猫は面倒くさそうにコーヒーを飲み切り、徒歩で店に向かった。
「急げ‼」
ヨーコに叫ばれ猫はマラソンクラスの速度で店に向かっていった。
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