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第3章 入団までの1年間(2)、帝国の陰謀とグラナダ迷宮
50:鍛錬3日目・神殿の朝(4)ドン引き
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「クラーラ・・・その蝶の髪留め、少し壊れているみたいだよ?」
私から目線をそらしたユリウスは、満面の笑顔でクラーラの髪に手を伸ばす。
「え?」
そうして、スッと髪留めを取り、クラーラにそれを見せる。
「あれ?本当ですね。つけたときは、こんなゆがんでなかったはずなのに・・・・なんで」
今にも泣きそうな悲しげな表情をするクラーラ。
(おいおい・・・・・ひどいな・・・・)
その様子に私はドン引きだ。昨夜から気配察知を常時展開している私には分かってしまった。
ユリウスは、髪留め取った瞬間、何らかの魔法を手のひらで発動させて、髪留めを自分で壊したのだ。
・・・で、それをさも元々壊れたかのように装ったのである。
「クラーラ、悲しまないで。僕、腕のいい細工師を知っているから、直してもらえるか聞いてみるよ」
「本当ですか?でも・・・・」
少し期待する表情でユリウスを見つめるクラーラ。
「それに、もしその細工師でもダメだったら、僕が新しい髪留めを贈ってあげる!
そうだな。クラーラの髪色には、この男の瞳の色と同じきったない色じゃない方がいいんじゃない?
絶対、ローズクォーツの色のほうが似合うよ!」
その言葉で私は何となく分かってしまった。
(こいつ、髪留め直す気、ないな・・・)と。
さすが攻略対象者。私の正体が、悪役令嬢<レティシア・フランシス>だからなのか知らないが・・・・どうやら会ったばかりの私のことが嫌いらしい。
「あ”ぁ?・・・・きったねぇ色だと・・・?」
「アル、ここ神殿だから!エリアス様は、昨日アルを治してくれた!神官様だから!!」
いきなり殺気を放つアルフレッドを、先ほどから居るのに全く気配を感じさせなかったひげ面男こと、<イェルク>が必死に止める。
そうして、思い出す。自分はいまアルフレッドの膝の上だということを。昨日、白い馬に同乗しただけでも意識が飛ぶほど、キツかったのだ。
・・・・当然、こんな状態は、前世喪女にも貴族令嬢<レティシア>にも昨日以上にキツい。
おもむろに腰を上げようとすると、腰に手を回された。
耳元で吐息交じりにアルフレッドがささやく。
「あ”?・・・勝手に動くんじゃねぇよ」
「・・・・っっ」
私の耳はじわじわと赤くなる。
私たちの様子に、びっくりした顔をするユリウス。
クラーラは顔を真っ赤に染めて、両手で顔をおおっている。可愛らしい瞳はその隙間から、私の方をしっかり凝視しているが。
心の中でそっと息を吐きだす。
(いまの私は兄<フレデリック・フランシス>のふりをしている。こんな大勢の中で、密着状態を続けたら、誰かに絶対女だと悟られる・・・・)
「エアロ」
咄嗟に<あらゆるモノから対象を守る風魔法>エアロを自分自身に重ね掛けする。
昨夜とは違い、<アルフレッド>から<自分>を守る様に願いながら。
しかし、さすがアルフレッドというべきか。若干、腰に巻きついた手が緩んだだけだった。
・・・でも、そのくらいの隙ができれば十分だ。
すぐさま身体強化魔法で強化した脚力を活かし、アルフレッドの膝の上から逃れ、素早くひげ面男こと、B級冒険者・イェルクの近くに行く。
彼は今までの言動から言って、私をアルフレッドから守ろうとしてくれているからな。ここは、比較的安全なはずだ。
急に自分の傍に来た私を、イェルクが驚愕の表情で眺める。
そうしてぽつりと呟いた。
「・・・・・・・・<南の領地>の天才児・・・フレデリック・・・・・」
私から目線をそらしたユリウスは、満面の笑顔でクラーラの髪に手を伸ばす。
「え?」
そうして、スッと髪留めを取り、クラーラにそれを見せる。
「あれ?本当ですね。つけたときは、こんなゆがんでなかったはずなのに・・・・なんで」
今にも泣きそうな悲しげな表情をするクラーラ。
(おいおい・・・・・ひどいな・・・・)
その様子に私はドン引きだ。昨夜から気配察知を常時展開している私には分かってしまった。
ユリウスは、髪留め取った瞬間、何らかの魔法を手のひらで発動させて、髪留めを自分で壊したのだ。
・・・で、それをさも元々壊れたかのように装ったのである。
「クラーラ、悲しまないで。僕、腕のいい細工師を知っているから、直してもらえるか聞いてみるよ」
「本当ですか?でも・・・・」
少し期待する表情でユリウスを見つめるクラーラ。
「それに、もしその細工師でもダメだったら、僕が新しい髪留めを贈ってあげる!
そうだな。クラーラの髪色には、この男の瞳の色と同じきったない色じゃない方がいいんじゃない?
絶対、ローズクォーツの色のほうが似合うよ!」
その言葉で私は何となく分かってしまった。
(こいつ、髪留め直す気、ないな・・・)と。
さすが攻略対象者。私の正体が、悪役令嬢<レティシア・フランシス>だからなのか知らないが・・・・どうやら会ったばかりの私のことが嫌いらしい。
「あ”ぁ?・・・・きったねぇ色だと・・・?」
「アル、ここ神殿だから!エリアス様は、昨日アルを治してくれた!神官様だから!!」
いきなり殺気を放つアルフレッドを、先ほどから居るのに全く気配を感じさせなかったひげ面男こと、<イェルク>が必死に止める。
そうして、思い出す。自分はいまアルフレッドの膝の上だということを。昨日、白い馬に同乗しただけでも意識が飛ぶほど、キツかったのだ。
・・・・当然、こんな状態は、前世喪女にも貴族令嬢<レティシア>にも昨日以上にキツい。
おもむろに腰を上げようとすると、腰に手を回された。
耳元で吐息交じりにアルフレッドがささやく。
「あ”?・・・勝手に動くんじゃねぇよ」
「・・・・っっ」
私の耳はじわじわと赤くなる。
私たちの様子に、びっくりした顔をするユリウス。
クラーラは顔を真っ赤に染めて、両手で顔をおおっている。可愛らしい瞳はその隙間から、私の方をしっかり凝視しているが。
心の中でそっと息を吐きだす。
(いまの私は兄<フレデリック・フランシス>のふりをしている。こんな大勢の中で、密着状態を続けたら、誰かに絶対女だと悟られる・・・・)
「エアロ」
咄嗟に<あらゆるモノから対象を守る風魔法>エアロを自分自身に重ね掛けする。
昨夜とは違い、<アルフレッド>から<自分>を守る様に願いながら。
しかし、さすがアルフレッドというべきか。若干、腰に巻きついた手が緩んだだけだった。
・・・でも、そのくらいの隙ができれば十分だ。
すぐさま身体強化魔法で強化した脚力を活かし、アルフレッドの膝の上から逃れ、素早くひげ面男こと、B級冒険者・イェルクの近くに行く。
彼は今までの言動から言って、私をアルフレッドから守ろうとしてくれているからな。ここは、比較的安全なはずだ。
急に自分の傍に来た私を、イェルクが驚愕の表情で眺める。
そうしてぽつりと呟いた。
「・・・・・・・・<南の領地>の天才児・・・フレデリック・・・・・」
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