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1D-窯業と産業
1D-07 村総出の収穫
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今日はベルナル商店による薬草の買い取り日だ。アルテミ草の採取は村人総出で行われ、村長の伝達で特別買い取り日として告知されていた。そのため、商店の外には臨時の窓口が設けられている。
「はいはい、こちらに並んでください。お金は十分に用意しています。薬草は十本を一束にして並べてください」
妹と一緒に受付を担当し、母は帳面と出納係を務めている。父は城郭都市に出ているため不在だ。自分は【物質鑑定】係として薬草の品質を確認する役割を担っていた。
「二束ですね、銀貨二枚」
「十束ですね。少し葉が痛んでいます。銀貨九枚と銅貨五枚になります」
「五束ですね、銀貨五枚」
村の物価は高くない。ほとんどが物々交換で賄われているため、王国硬貨を使う機会は少ない。だからこそ、村人にとって現金収入は貴重だ。村内の生活必需品は安く手に入るが、村外の品は高い。今日支払われる硬貨は、やがて商店に落とされ、村内で循環していくだろう。
「あっ、フローラちゃん、ローズちゃん」
マリンが友達を見つけて声を上げた。
「買い取ってもらいに来たの。二人でたくさん採ったんだ」
二人が差し出したのは二十束。鑑定してみると状態も良好だ。
「すごいね。規定通り、満額で買い取るよ」
「やったぁ! お父さんとお母さんに薬草の見分け方を教わった甲斐があったね」
フローラとローズの顔が綻ぶ。子供の喜ぶ顔を見ると、こちらも自然と嬉しくなる。その後も知り合いばかりの村人たちと挨拶を交わしながら、買い取りを進めていった。
百束を超えたあたりから、次の仕事が待っていた。引き取った薬草が傷まないように加工する必要がある。店頭で乾燥と仕分けを済ませてしまうのだ。乾燥すれば品質が維持できることは確認済みだ。母に【物質鑑定】を任せ、自分は乾燥用の魔導回路付き大甕をアイテムボックスから取り出す。水魔法と風魔法を併用し、乾燥・部位選定・破砕を行う。根や茎は釉薬の原料として草木灰に利用できるので、別の甕に移した。
そんな中、周囲がざわめいた。サーカエ村長が現れたのだ。
「家族分を持ってきたぞ。二百束、多分あるから確かめてくれ」
「おおっ、さすが村長!」と周囲から声が上がる。結局、今日の最高は村長の二百束だった。模範者としての姿を見せるあたり、やはり村の有識者であり統治一族の縁者だと実感する。
最終的に今日の買い取りは千五十束。金額にして銀貨千枚弱。ポーション換算で二千本分に相当する。領主代行からの発注は千本だったから、十分な量だ。だが、村の近隣の薬草は乱獲され、今シーズンはもう採れないだろう。これ以上は鎮守の森に入る必要がある。残りの採取は城郭都市に委ねるしかない。パラケル爺さんや父に相談しておくべきだ。研究用も含め、今後のために中間製品を備蓄しておきたい。
そんなことを考えながら下処理を続けた。千束を超える作業は夕方までかかり、ようやく一連の加工を終えることができた。魔力制御は格段に上達したが、千束分を処理する頃には魔力は枯渇寸前だった。結局、大甕を十個も使うことになり、ようやく今日の仕事は完了した。
「はいはい、こちらに並んでください。お金は十分に用意しています。薬草は十本を一束にして並べてください」
妹と一緒に受付を担当し、母は帳面と出納係を務めている。父は城郭都市に出ているため不在だ。自分は【物質鑑定】係として薬草の品質を確認する役割を担っていた。
「二束ですね、銀貨二枚」
「十束ですね。少し葉が痛んでいます。銀貨九枚と銅貨五枚になります」
「五束ですね、銀貨五枚」
村の物価は高くない。ほとんどが物々交換で賄われているため、王国硬貨を使う機会は少ない。だからこそ、村人にとって現金収入は貴重だ。村内の生活必需品は安く手に入るが、村外の品は高い。今日支払われる硬貨は、やがて商店に落とされ、村内で循環していくだろう。
「あっ、フローラちゃん、ローズちゃん」
マリンが友達を見つけて声を上げた。
「買い取ってもらいに来たの。二人でたくさん採ったんだ」
二人が差し出したのは二十束。鑑定してみると状態も良好だ。
「すごいね。規定通り、満額で買い取るよ」
「やったぁ! お父さんとお母さんに薬草の見分け方を教わった甲斐があったね」
フローラとローズの顔が綻ぶ。子供の喜ぶ顔を見ると、こちらも自然と嬉しくなる。その後も知り合いばかりの村人たちと挨拶を交わしながら、買い取りを進めていった。
百束を超えたあたりから、次の仕事が待っていた。引き取った薬草が傷まないように加工する必要がある。店頭で乾燥と仕分けを済ませてしまうのだ。乾燥すれば品質が維持できることは確認済みだ。母に【物質鑑定】を任せ、自分は乾燥用の魔導回路付き大甕をアイテムボックスから取り出す。水魔法と風魔法を併用し、乾燥・部位選定・破砕を行う。根や茎は釉薬の原料として草木灰に利用できるので、別の甕に移した。
そんな中、周囲がざわめいた。サーカエ村長が現れたのだ。
「家族分を持ってきたぞ。二百束、多分あるから確かめてくれ」
「おおっ、さすが村長!」と周囲から声が上がる。結局、今日の最高は村長の二百束だった。模範者としての姿を見せるあたり、やはり村の有識者であり統治一族の縁者だと実感する。
最終的に今日の買い取りは千五十束。金額にして銀貨千枚弱。ポーション換算で二千本分に相当する。領主代行からの発注は千本だったから、十分な量だ。だが、村の近隣の薬草は乱獲され、今シーズンはもう採れないだろう。これ以上は鎮守の森に入る必要がある。残りの採取は城郭都市に委ねるしかない。パラケル爺さんや父に相談しておくべきだ。研究用も含め、今後のために中間製品を備蓄しておきたい。
そんなことを考えながら下処理を続けた。千束を超える作業は夕方までかかり、ようやく一連の加工を終えることができた。魔力制御は格段に上達したが、千束分を処理する頃には魔力は枯渇寸前だった。結局、大甕を十個も使うことになり、ようやく今日の仕事は完了した。
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