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1.王子は私のモノなんです!
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第二王子であるセルジオ・ジルベルと、私ことテラノサ公爵家のカテリーナの婚姻が本日正式に成立した。
セルジオとの婚約は彼が10歳、私が8歳の時に結ばれた。
第二王子とは名ばかりの、力のない側妃の息子であるセルジオは継承順位は誰よりも低く、この婚約はセルジオの後ろ盾としてではなく、“公爵家が力を持ちすぎない為”のものであった。
貴族令嬢として生まれ、そして貴族令嬢として教育を受けていたカテリーナにとっては相手が王族であっても家門の得になる訳ではないセルジオの元に嫁がなければならないのは屈辱的で、その性格を歪ませる原因になったのだろう。
“家の得にならないのなら、せいぜい私に尽くしなさい”
“貴方は私のモノですわ”
婚約を結んでから幾度となく要求し、あえてわがままに振る舞ったりもした。
しかしセルジオはカテリーナのどんな言葉にもただ頷き、従った。
陛下の色を1つも受け継がなかったセルジオはどこにも居場所がなく影で馬鹿にされていたが、その月の光のようなシルバーブロンドの髪にルビーのような瞳が本当に美しい少年だった。
そして真っ赤な髪のカテリーナにとってその瞳はまさに“自分のモノ”だと強調しているようで、その見た目をとても気に入っていた。
「とてもお美しいです、カテリーナ様」
「ありがとう」
さすが王宮の侍女だと感心する。
そう思うだけの仕上がりで、これならばあの美しいセルジオの横にも立てるだろうと思った。
「もうセルジオ様は閨におられるのかしら?」
「すぐに参られるとお伺いしております」
「まだ来られてない、ということね。少し時間を潰してから行くわ」
「····あ、か、カテリーナ様?」
侍女が動揺するのも仕方ない。
何故ならこの国の初夜の作法は、必ず妻が先に待っているものだからだ。
公爵令嬢であるカテリーナもその作法は当然知っていた。そしてあえてセルジオを待たせる選択をした。
“貴方の妻になったんじゃない、貴方が私の夫になったのよ”
王族に無礼な事はわかっており、セルジオの方が身分が高いのも知っている。
しかしそれは表面上のもので、事実上は力のない第二王子より公爵令嬢であるカテリーナの方が上だった。
もちろん体面というものがあるので表立って何かする訳ではないが、この初夜で力関係を確実なものにしようとカテリーナは考えていた。
侍女にノックをさせ、返事も待たずに寝室に入る。
窓際に立っている青年は、あの美しい少年の面影を残しつつ妖艶に見えた。
「申し訳ございません、旦那様。少し遅れてしまったかしら」
「構いませんカテリーナ。来てくださっただけで夢のようです」
跪いて手の甲にキスを落とすその姿に恍惚とした。
セルジオはその状態のまま、じっとカテリーナの表情を伺っていて、その様子が更にカテリーナを愉快にさせた。
ーーーそう、それでいいの。
私を乞い願いなさい。
次の命令が欲しいとかしずきなさい。
堪えられない笑みをなんとか押し込め、触れている手を軽く握る。
「連れてってくださるかしら?」
こくりと頷いたセルジオにエスコートされ、ベッドに座る。
羽織っていたガウンを脱ぎ、レースの夜着を見せつけるように背筋を伸ばす。
セルジオの視線を感じ、その視線を追うように覗き込むと恥ずかしそうに逸らされそれがまた愉しくて。
わざとらしく足を組むと、すぐにセルジオがしゃがみ靴を脱がしてくれた。
「旦那様」
そう声をかけ、そっと視線を自身の横に動かすと、おずおずとそこに座る。
その従順な様子に優越感を抱いた時、セルジオの顔が近付いてきたことに気が付いて。
唇が触れる寸前でそっと顔を背けた。
「カテリーナ?」
「初夜ですわ、私ハジメテで怖いんですの。ですので旦那様には全て許可を取っていただきたいですわ」
「許可、ですか?」
はい、と鉄壁の笑顔を向けると、さぞ困った顔をしているかと思ったセルジオは予想外に微笑んでおり、わかりましたと頷いてくれた。
余りにもあっさり納得されたので拍子抜けしてしまったが、今からカラダにもセルジオはカテリーナのモノだ、と教え込む事を想像し深くは考えなかった。
重要なのは、もう我慢出来ないと懇願されること。
少しでも長く焦らし、そして従順に許可を求められること。
セルジオの全ては私のモノなんだから。
それをセルジオ自身にもしっかり刻まなくてはならないわ。
セルジオとの婚約は彼が10歳、私が8歳の時に結ばれた。
第二王子とは名ばかりの、力のない側妃の息子であるセルジオは継承順位は誰よりも低く、この婚約はセルジオの後ろ盾としてではなく、“公爵家が力を持ちすぎない為”のものであった。
貴族令嬢として生まれ、そして貴族令嬢として教育を受けていたカテリーナにとっては相手が王族であっても家門の得になる訳ではないセルジオの元に嫁がなければならないのは屈辱的で、その性格を歪ませる原因になったのだろう。
“家の得にならないのなら、せいぜい私に尽くしなさい”
“貴方は私のモノですわ”
婚約を結んでから幾度となく要求し、あえてわがままに振る舞ったりもした。
しかしセルジオはカテリーナのどんな言葉にもただ頷き、従った。
陛下の色を1つも受け継がなかったセルジオはどこにも居場所がなく影で馬鹿にされていたが、その月の光のようなシルバーブロンドの髪にルビーのような瞳が本当に美しい少年だった。
そして真っ赤な髪のカテリーナにとってその瞳はまさに“自分のモノ”だと強調しているようで、その見た目をとても気に入っていた。
「とてもお美しいです、カテリーナ様」
「ありがとう」
さすが王宮の侍女だと感心する。
そう思うだけの仕上がりで、これならばあの美しいセルジオの横にも立てるだろうと思った。
「もうセルジオ様は閨におられるのかしら?」
「すぐに参られるとお伺いしております」
「まだ来られてない、ということね。少し時間を潰してから行くわ」
「····あ、か、カテリーナ様?」
侍女が動揺するのも仕方ない。
何故ならこの国の初夜の作法は、必ず妻が先に待っているものだからだ。
公爵令嬢であるカテリーナもその作法は当然知っていた。そしてあえてセルジオを待たせる選択をした。
“貴方の妻になったんじゃない、貴方が私の夫になったのよ”
王族に無礼な事はわかっており、セルジオの方が身分が高いのも知っている。
しかしそれは表面上のもので、事実上は力のない第二王子より公爵令嬢であるカテリーナの方が上だった。
もちろん体面というものがあるので表立って何かする訳ではないが、この初夜で力関係を確実なものにしようとカテリーナは考えていた。
侍女にノックをさせ、返事も待たずに寝室に入る。
窓際に立っている青年は、あの美しい少年の面影を残しつつ妖艶に見えた。
「申し訳ございません、旦那様。少し遅れてしまったかしら」
「構いませんカテリーナ。来てくださっただけで夢のようです」
跪いて手の甲にキスを落とすその姿に恍惚とした。
セルジオはその状態のまま、じっとカテリーナの表情を伺っていて、その様子が更にカテリーナを愉快にさせた。
ーーーそう、それでいいの。
私を乞い願いなさい。
次の命令が欲しいとかしずきなさい。
堪えられない笑みをなんとか押し込め、触れている手を軽く握る。
「連れてってくださるかしら?」
こくりと頷いたセルジオにエスコートされ、ベッドに座る。
羽織っていたガウンを脱ぎ、レースの夜着を見せつけるように背筋を伸ばす。
セルジオの視線を感じ、その視線を追うように覗き込むと恥ずかしそうに逸らされそれがまた愉しくて。
わざとらしく足を組むと、すぐにセルジオがしゃがみ靴を脱がしてくれた。
「旦那様」
そう声をかけ、そっと視線を自身の横に動かすと、おずおずとそこに座る。
その従順な様子に優越感を抱いた時、セルジオの顔が近付いてきたことに気が付いて。
唇が触れる寸前でそっと顔を背けた。
「カテリーナ?」
「初夜ですわ、私ハジメテで怖いんですの。ですので旦那様には全て許可を取っていただきたいですわ」
「許可、ですか?」
はい、と鉄壁の笑顔を向けると、さぞ困った顔をしているかと思ったセルジオは予想外に微笑んでおり、わかりましたと頷いてくれた。
余りにもあっさり納得されたので拍子抜けしてしまったが、今からカラダにもセルジオはカテリーナのモノだ、と教え込む事を想像し深くは考えなかった。
重要なのは、もう我慢出来ないと懇願されること。
少しでも長く焦らし、そして従順に許可を求められること。
セルジオの全ては私のモノなんだから。
それをセルジオ自身にもしっかり刻まなくてはならないわ。
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