ポンコツ魔女は王子様に呪い(魔法)をかける

春瀬湖子

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本編

19.石鹸の使い方

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 ガチャ、と乱暴に小部屋の鍵が開けられ部屋へ入ったと思ったらすぐにバタンと閉じられる。
 後ろ手でガチャンと鍵が掛けられた音に気付いた私はゴクリと唾を呑んだ。


“え、え? この流れで?”

 今日の最終目的地はこの小部屋だったし、それも誘ったのは私の方だった。
 だからこの流れは私的には問題ない……の、だが。

「あの師匠を選ぶのか?」
「メルヴィ?」

 けれどそれは、こんなに辛そうなメルヴィと、ではなかったはずで。

「ね、ちょっと話そう。何にそんなに怒ってるの」

 ピリピリとした空気を変えるべくそう口にするが、それ以上口を開かない彼に戸惑う。

“どうしたらいいのかしら”

 なんとか空気を変えたいと思った私は、必死に脳内で記憶を巡らせ話題を探し――


「そうだ、メルヴィが買った石鹸って何だったの?」
「石鹸?」
「ほら、二人で街に行ったとき、石鹸を買ったじゃない」

 あの時も最終はこの部屋だったが、今と雰囲気は全然違いピリつくのではなく甘く包まれるようだった。
 だからこそ、いつものメルヴィに戻って欲しくてこの話題を振ったつもりだったのだが。

「なら、使ってみようか」
「え……」


 相変わらず掴まれたままの腕を引っ張られ歩く。
 小さいと思っていた小部屋だが、どうやら奥に小さな浴室があったらしくあっという間に脱衣所へ連れ込まれた。
 
「ちょ、ちょっとメルヴィ」
「刻んでって言ったのはリリだろ?」
「それはそうなんだけど」

“だけどこんな、いきなりなんて……!”

 腕を掴んでいたメルヴィの力が弱まったと思ったら、すぐに私の服へと手を伸ばす。
 薬草畑で作業をする予定でエッダに出してもらっていた服は、汚れても構わない、そして汚れたら自分でも着替えやすいようにと簡単にかぶるタイプのもので。

「わ、待……っ」
「すごいね、こんなに簡単に脱がせられるなんてリリも期待してくれてたんだ」
「ちがっ」

 するっと一瞬で脱がされてしまった。
 剥ぎ取られるように下着もそのまま脱がされた私は、メルヴィに背中を押されるようにして浴室へと足を踏み入れる。

 見られるのは初めてではなかったが、前回はこんなに明るい場所ではなかったからか、それともいつものメルヴィとは雰囲気が違っていたからか私は焦りながら両腕で精一杯体を隠した。
 どうしたらいいのかわからず、こそっとメルヴィの方へ視線を向けると彼も自身の服をバサリと脱ぎ捨てて。

“!”

 ハッキリとした場所で見る彼の、案外鍛えられていた体にビクリとし慌てて背中を向ける。
 バクバクと痛いほど鼓動が跳ね、じわじわと顔が熱くなった。

「リリ」
「ひゃっ」

 苦しそうに呼ばれた名前が思ったよりも近くで聞こえ、小さく体が跳ねるがメルヴィはそんな私には構わず浴槽へシャワーを出し始める。
 この落ち着かない状態にどう対処したらいいかわからず、だが変に視線を泳がすのも躊躇われた私は、まだ全然湯の溜まっていない浴槽へ視線を固定するしかできなくて。

「俺があの時薦められた石鹸はね、新婚向けの石鹸だよ」
「新婚用の?」
「あぁ。俺はリリしか選ばないから」

 そう言いながらちゃぽんと浴槽にピンクの小さな塊を投げ込むメルヴィ。
 どうやらその塊こそが買った石鹸なのだろう。

“石鹼って、体を洗うためのものよね?”

 泡立てるどころか浴槽に投げ入れたことに驚いていると、すぐに浴室内を薔薇のいい香りが体を包んで驚いた。


「薔薇の香りには興奮させる作用があるらしいよ」

 言いながら少し溜まり始めたお湯に手を付けるメルヴィ。
 どうやら湯加減を確認していたらしく、少し温度を調節した彼が浴槽から手を抜き振り向いた。

「おいで」
「……っ」

 端的な一言。この言葉に従うことで次どうなるのかわからないほど初心ではないが、だからこそすぐに頷けずに体を強張らせてしまう。
 そんな私にふっと息を吐いたメルヴィは、少し悲しそうににこりと微笑んで。


「逃がさないから」

 彼の伸びた腕が私を絡めるように抱きあげたかと思ったら浴槽へ入れられ、一緒に入って来た彼に後ろから抱きしめられた。
 まだ湯は溜まりきってはいないが、私たちが入ったことで水位があがり胸下までが浸かる。
 
 さっき投げ入れた石鹸の効果なのか、ほんのりピンクに色づいたその湯は強い薔薇の香りと、そして湯自体もトロリとさせていて。

「め、メルヴィ、あの」
「あの石鹸は石鹸としても使えるけど、こうやってお湯に溶かしたらぬるぬるになるんだよ」

 抱きしめられた背中が熱い。
 私の体を包むように回されていた腕が目の前でお湯をぱちゃぱちゃと遊びいつもとは違う感触を私に見せつけた。

「これだけお湯がぬるぬるしてるんだ、もしリリが濡れなくても痛みは少ないから安心してね」
「え……」

 くすりと耳元で笑うメルヴィの吐息が私を甘くくすぐり、それと同時に冷たく突き放す。

“濡れなくてもって……”

 言われた言葉の意味を理解するよりも早く彼の手のひらが私の胸を包みゆっくりと揉みしだく。
 むにむにと彼の手によって形を変える自身のおっぱいを見下ろすと、ピンクに染まったお湯が絡みなんだかとても卑猥なものに見えて戸惑った。
 
「あ、れ……?」

 まだ全体を包むように優しく揉まれただけなのに、ズクンと体が熱くなったことに気付く。
 それだけではない。
 触れられていない胸の先端がすでにツンと主張するように立ち上がり始めていて。

「な、なんで……」
「ん? あぁ、触ってないのにもう立たせちゃったの?」

 ふっと笑ったメルヴィの指が立ち上がり始めていた先端をピンッと弾く。

「!?!?」

 軽く弾かれただけなのに私の体に言い表せないほどの快感が駆け巡り背中を思い切り仰け反らせた。

「ビクビク反応しちゃって可愛いね。これならこの石鹸のぬるぬるが無くても挿入できるくらい濡れてくれるかな」
「待っ、んんぁ……っ」
「ははっ、そんなに気持ちいい? こんな気持ちいいこと、師匠にはさせちゃダメだからね」

“なんでここで師匠?”

 どこかぼんやりとしながらメルヴィの言葉を聞くが、どこか異国の言葉のようにうまく理解できない。
 わかるのは、ひたすら私の胸を弄ぶように触れ続ける彼の手が気持ちよくて。

「ん、んんッ」
「どんどん乳首が固くなるね。ねぇ、リリはどう触れてほしい?」

 どう、と聞きながらきゅっと軽くつねられる。
 ビリビリとしびれるような快感に襲われた私は息を詰めるしかできなかった。

 後ろから摘まみ、捏ね、つねられる。
 赤く尖った先端は、メルヴィが繰り返し刺激を与えるせいでぼってりと少し腫れているようにも見えた。
 
 まるで果物のようになった乳首が私の羞恥を煽り、彼の手ごと包むように隠そうとするが、どんなに押さえても弄る指を止める気がないメルヴィは親指と人差し指で摘まんだ乳首をくりくりと転がし続ける。
 その度に電撃が走ったかのような快感が巡り、どんどん熱を孕む下半身を誤魔化すように太股を擦り合わせて。

「言わないなら、勝手にするけど」
「や、な……にっ、ひゃぁ!」

 押さえていた手が抜かれその快感の渦から解放されたと思ったのも束の間だった。
 腰を掴まれた私は、そのまま抱えられ向き合うように彼の上に座らされる。

 座らされる……といっても、完全に向き合い膝に座らされたのではなく、腰を掴まれているため不安定な状態で膝立ちも出来ずにいた。
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