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1.その提案は想定外
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戦争は終わった。
我が国は勝利した。
しかし最前線だったこの場所はまだ最前線だった。
「アーシャ!終わったら飲みに行かねぇ?」
「いいわよ、でももう少し緊張感を持ったらどうかしら?!」
キン、と金属音が響く。
戦争が終わったとしても、それを認められずせめて一矢報いようと機会を伺っている残党兵は少なからずいるものだからだ。
アーシャの所属するメリル第8騎士団は、その残党狩りを命じられいまだ最後の最前線地域に残っていたのだが。
「はぁ、早く王都に帰りたい…」
「んだよ、あと少しじゃねぇ?」
同じ騎士団所属のカロルに愚痴る。
カロルは同期入団ということもあり一番気兼ねなく話せる相手でもあるのだが少しデリカシーのないところがある。
「そりゃアンタ達男はいいわよね、専属の娼館まであるんだから」
「?なんだ、お前欲求不満なのか」
あはは、と大口で笑う顔に苛立ちを覚えて目の前のお酒を一気に呷る。
すかさずおかわりも注文した。
今日はカロルに奢らせてやる···!
「あのね、念のため言っとくけどそういう事じゃないの、アンタ達男の騎士はそういう場所で色々発散させたり楽しんだり出来るけど、私達女の騎士には楽しめる場所がないってことが言いたいのよ」
例えば服を買ったり甘いケーキを食べたりとかね!!
アーシャはそういう意味で言ったつもりだったのだが。
「だったら俺とヤろうぜ、お互い丁度いいじゃん」
そうあっけらかんと言われ、ぽかんとしてしまう。
は?
ヤろうって···え、何を?
「アーシャは俺じゃダメか?」
「ダメっていうか···え?」
呆気に取られているアーシャの元におかわりのお酒が届いたのだが、カロルがさっと受け取り一気に飲み干す。
「え?あ、それ私の···」
空になった器と硬貨を机に置き、ほら、行こうぜとアーシャの手を掴み酒屋を出るカロルの背中をぼんやり見つめる。
手を引っ張られながら歩いていると、あることに気付いて思わず動揺した。
これ、周りから見たら手を繋いで歩いてるのでは?
どこから突っ込んでいいかわからず、言葉の真意も計りかねていると、あっという間にカロルの部屋に連れ込まれていた。
「えっと、カロル?本気なの?」
「欲求不満なんだろ?」
「いや、そうなんだけどそうじゃなくてっ!私が言いたいのは買い物とかしたいっていう···!」
「?いや、買い物は俺らも出来ねぇよ?あ、相手を買うって意味?」
そうじゃないわよ!!と、すぐ反論しようとしたアーシャの口をカロルの唇が塞ぎ、その反論が言葉になることはなかった。
「んっ?!」
「じゃあ、俺がアーシャ買う、それでいい?」
キスの合間に囁かれる。
なにひとつ良くない。
なにひとつ良くないが、カロルの唇が存外柔らかかったからか、そもそもずっと戦場にいてこういう行為が久々だったからかつい受け入れてしまう。
相手がよく知っている相手だということがより一層むず痒く胸をくすぐった。
男娼館なんてものも王都にはあるがそこまで大きなものではなく、戦場近くには騎士団専属の娼婦も何人か来てくれ移動式の娼館が出来るがそこには男娼はいない。
男娼という存在の人数が少ないのも理由の1つだが、そもそも前線にいる女騎士の数が圧倒的に少ない為旨味がないのが一番の理由である。
王都に勤務していた時は、発散するといえばもちろん買い物や友達との交流だったので、恋人以外とのこういう行為をすることがはじめてなアーシャは少し戸惑っていた。
その姿がなんだか初々しく見えたのだろう。
「あれ、お前はじめてなの?」
「んな訳ないでしょっ?!」
なんだかバカにされた気がして思わず怒鳴るように反論してしまったが、そんなアーシャの様子を全く気にすることのない···というより気付かないのがカロルの凄いところだ。
そんなカロルは、ふぅん、と小首を傾げて自身の上衣を脱ぐ。
「なんだ、残念」
そう軽く言われて驚いたのはアーシャだった。
「ざ、残念?!なんでっ?!あ、あれ?カロルって純潔フェチ的なやつ?!」
「はぁ?なんだよ純潔フェチって。そんな面倒くさそうな性癖拗らせてねぇよ!」
カロルの反論を聞き、じわじわ顔に熱が集まるのを感じる。
純潔が好きな訳じゃないのにアーシャが純潔じゃないのが残念ってことは、それは“アーシャの”ハジメテが欲しかったということで···
心拍数が上がり、呼吸も少し荒くなる。
もしかしてカロルって···
「私のこと、好きなの···?」
その答えはすぐに満面の笑みで返ってきた。
「当たり前だろ!アーシャは最高の友達だ!」
「··········。」
友達。ただの同期よりは出世してるな、うん。
それは開き直りに近かったのかもしれない。
胸をくすぐっていた気持ちはスンっと消え、まぁ別に処女って訳でもないもんね、と思い直したアーシャは楽しむことにした。
我が国は勝利した。
しかし最前線だったこの場所はまだ最前線だった。
「アーシャ!終わったら飲みに行かねぇ?」
「いいわよ、でももう少し緊張感を持ったらどうかしら?!」
キン、と金属音が響く。
戦争が終わったとしても、それを認められずせめて一矢報いようと機会を伺っている残党兵は少なからずいるものだからだ。
アーシャの所属するメリル第8騎士団は、その残党狩りを命じられいまだ最後の最前線地域に残っていたのだが。
「はぁ、早く王都に帰りたい…」
「んだよ、あと少しじゃねぇ?」
同じ騎士団所属のカロルに愚痴る。
カロルは同期入団ということもあり一番気兼ねなく話せる相手でもあるのだが少しデリカシーのないところがある。
「そりゃアンタ達男はいいわよね、専属の娼館まであるんだから」
「?なんだ、お前欲求不満なのか」
あはは、と大口で笑う顔に苛立ちを覚えて目の前のお酒を一気に呷る。
すかさずおかわりも注文した。
今日はカロルに奢らせてやる···!
「あのね、念のため言っとくけどそういう事じゃないの、アンタ達男の騎士はそういう場所で色々発散させたり楽しんだり出来るけど、私達女の騎士には楽しめる場所がないってことが言いたいのよ」
例えば服を買ったり甘いケーキを食べたりとかね!!
アーシャはそういう意味で言ったつもりだったのだが。
「だったら俺とヤろうぜ、お互い丁度いいじゃん」
そうあっけらかんと言われ、ぽかんとしてしまう。
は?
ヤろうって···え、何を?
「アーシャは俺じゃダメか?」
「ダメっていうか···え?」
呆気に取られているアーシャの元におかわりのお酒が届いたのだが、カロルがさっと受け取り一気に飲み干す。
「え?あ、それ私の···」
空になった器と硬貨を机に置き、ほら、行こうぜとアーシャの手を掴み酒屋を出るカロルの背中をぼんやり見つめる。
手を引っ張られながら歩いていると、あることに気付いて思わず動揺した。
これ、周りから見たら手を繋いで歩いてるのでは?
どこから突っ込んでいいかわからず、言葉の真意も計りかねていると、あっという間にカロルの部屋に連れ込まれていた。
「えっと、カロル?本気なの?」
「欲求不満なんだろ?」
「いや、そうなんだけどそうじゃなくてっ!私が言いたいのは買い物とかしたいっていう···!」
「?いや、買い物は俺らも出来ねぇよ?あ、相手を買うって意味?」
そうじゃないわよ!!と、すぐ反論しようとしたアーシャの口をカロルの唇が塞ぎ、その反論が言葉になることはなかった。
「んっ?!」
「じゃあ、俺がアーシャ買う、それでいい?」
キスの合間に囁かれる。
なにひとつ良くない。
なにひとつ良くないが、カロルの唇が存外柔らかかったからか、そもそもずっと戦場にいてこういう行為が久々だったからかつい受け入れてしまう。
相手がよく知っている相手だということがより一層むず痒く胸をくすぐった。
男娼館なんてものも王都にはあるがそこまで大きなものではなく、戦場近くには騎士団専属の娼婦も何人か来てくれ移動式の娼館が出来るがそこには男娼はいない。
男娼という存在の人数が少ないのも理由の1つだが、そもそも前線にいる女騎士の数が圧倒的に少ない為旨味がないのが一番の理由である。
王都に勤務していた時は、発散するといえばもちろん買い物や友達との交流だったので、恋人以外とのこういう行為をすることがはじめてなアーシャは少し戸惑っていた。
その姿がなんだか初々しく見えたのだろう。
「あれ、お前はじめてなの?」
「んな訳ないでしょっ?!」
なんだかバカにされた気がして思わず怒鳴るように反論してしまったが、そんなアーシャの様子を全く気にすることのない···というより気付かないのがカロルの凄いところだ。
そんなカロルは、ふぅん、と小首を傾げて自身の上衣を脱ぐ。
「なんだ、残念」
そう軽く言われて驚いたのはアーシャだった。
「ざ、残念?!なんでっ?!あ、あれ?カロルって純潔フェチ的なやつ?!」
「はぁ?なんだよ純潔フェチって。そんな面倒くさそうな性癖拗らせてねぇよ!」
カロルの反論を聞き、じわじわ顔に熱が集まるのを感じる。
純潔が好きな訳じゃないのにアーシャが純潔じゃないのが残念ってことは、それは“アーシャの”ハジメテが欲しかったということで···
心拍数が上がり、呼吸も少し荒くなる。
もしかしてカロルって···
「私のこと、好きなの···?」
その答えはすぐに満面の笑みで返ってきた。
「当たり前だろ!アーシャは最高の友達だ!」
「··········。」
友達。ただの同期よりは出世してるな、うん。
それは開き直りに近かったのかもしれない。
胸をくすぐっていた気持ちはスンっと消え、まぁ別に処女って訳でもないもんね、と思い直したアーシャは楽しむことにした。
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