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最終話.提案からはじまった私達のこれからは
しおりを挟む最後の最前線地域だったその場所は、残党兵が集まって最後の大暴れをしたという事でさすがにもう他には残っておらず、第8騎士団のメンバーも撤収する事になった。
アーシャはというと、怪我の療養もある為一足早く王都に戻っており皆の帰りを待っていた。
そしてアーシャが戻ってから約2ヶ月後の今日、最後の後始末も終えた第8騎士団全員が戻ってきた。
「カロル!お帰りなさい!」
「怪我はどうだ?」
報告を終えたカロルは真っ先にアーシャの家に来ていて。
「傷はもうしっかり塞がってるわ、でも体力が落ちた事は否めないわね、でも徐々に訓練にも復帰させて貰うつもり」
そうか、と一言答えたカロルに抱き締められる。
「まだここ、玄関よ?」
「でも2ヶ月ぶりのアーシャだろ」
子供のようにぎゅうぎゅう抱き締めてくるカロルに少し笑い、そしてアーシャもぎゅうっとカロルの背中に手を回した。
「カロルってば欲求不満なの?」
あの時カロルに言われた一言を返すと、さすがのカロルも気付いたのかいつものようにあははと笑いながら、
「なかなか買い物にも行けない場所にいたもんでね」
と答え、そっとアーシャの唇を塞いだ。
「····怪我は、本当にもう大丈夫なんだよな?」
その確認の意味をしっかり理解して、そっと頷くと、カロルの手を掴んで自身のベッドルームに誘導する。
本当にあのはじめてした日と同じ展開だと思うとそれがなんだかおかしくて。
そして、あの時と唯一違うのは、私達が今では恋人同士になったということで。
流れるようにベッドに押し倒され、激しく口付けを交わす。
舌を強く吸われ、激しく口内を蹂躙された。
そっと目を開けると、熱っぽい視線が絡みそれがまたアーシャの胸をくすぐった。
あの時よりも激しく、そしてあの時よりも熱く求められ下腹部がじわりと熱を孕んだ事に気付く。
太股を撫でていたカロルの手が股に這わされ、既に濡れている事にカロルも気付く。
「アーシャも期待した?」
嬉しそうに耳元で囁かれ、負けじとアーシャも手をカロルの下半身に持っていく。
「カロルもでしょ」
既にカロルのそこも固くなっており、さわさわとくすぐるように刺激すると少し顔を歪めたカロルと目が合った。
「当たり前だろ」
そう答えたカロルはそのまま深く口付けを落とし、下着の隙間からぐちゅんと指をアーシャの中に挿れる。
「やあっ」
「何がやなの?」
ぐちゅぐちゅとわざとかと思うほど大きな音をたてながら指を動かされ、その音がまたアーシャの羞恥を誘う。
カロルの口付けが頬から首に、首から鎖骨にさがり、服の上から胸を噛む。
「んんっ」
「あれ、ごめん痛かった?」
「痛くはなかった、けど···」
服の上からの刺激では物足りなくて。
そしてそんなアーシャの気持ちに気付いたらしいカロルにいつものようにあははと笑いながら服を脱がされた。
露になった胸を真ん中に集めるように両手で持ち上げ、舌を這わす。
ぢうっと強く先端を吸われ、いきなりの刺激に背中に快感が走る。
「はぁっ、あ、あっ」
舌先で弾き、指でまたかき回される。
その繰り返しですぐに頭がぼんやり熱に浮かされ、くちゅ、と熱いカロルのモノが私の蜜壺にあてがわれた。
「あ、んんっ、んっ、カロル···っ」
「ん、なに、アーシャ」
十分に潤ったそこはじゅぷじゅぷと蜜を溢れさせながらカロルの熱棒を受け入れる。
「カロル、すき、だいすき」
カロルの背に腕を回ししがみつきながらそう告げると、まるで本当に幸せだというような表情で微笑まれて。
ーーーぱちゅん!
「はぁんっ」
一気に奥まで貫かれ、激しい動きにどんどん溺れそうになる。
「俺も、俺もすごい好きだアーシャ」
「あん、あっ、あぁんっ」
スピードを増すその動きにアーシャの視界が白く弾けそうになる。
「あ、ダメっ、んあっ、カロル、カロルっ」
意識が飛びそうになるその瞬間、カロルが深いキスをする。
「愛してる」
その呟きを耳の奥遠くで感じながら、アーシャはそっと意識を手放した。
なんだかお腹がくすぐったくて身をよじる。
んん····?私いつの間に寝てたんだろう···?
そもそも今何時なんだ、と目を開けようと思いっきり伸びをした時、生ぬるい何かがお腹に這った。
ぞわっと一気に身の毛がよだち、その部位に思いっきり肘を下ろして····
「いった!」
「えっ、え?!なに、えっ?!」
聞き覚えのある声に少しずつ意識が覚醒する。
慌てて布団を捲るとそこにはカロルがいて。
「な、何をやってんのよ·····」
ため息混じりに聞くと、傷の具合が気になったから、という答えが帰ってきた。
何故舐めたんだと責めたい気もしたがそこは聞かないでおいた。
どうせろくな答えなんか返ってこないとわかっているからだ。
「結構傷痕残ってるんだな」
「そうね、ぶっすりやられたからね」
騎士である以上怪我なんてよくある事で、それが女性でも関係なく傷痕はいくつもあり、それはアーシャも例外ではなかった。
だが、確かにこんなに大きな傷痕が残ったのは幸か不幸か今回がはじめてで、改めてその傷痕を眺めると醜く肉が盛り上がり赤く主張しているようだった。
「もしかして、気になる····?」
さっきは久しぶりで気付かなかっただけで、もしこれからは醜いから女に見えないなんて言われたら、と一瞬不安になったのだが。
「そうだな、この傷痕を俺は誇らしく思うよ」
と、カロルは微笑んでいた。
「アーシャがこの傷を受けた時最後まで騎士としてお互い真っ直ぐ戦うと選んだことを、誇らしいって言ってただろ。俺もだよ」
確かに言った。
この傷を受けた時、最後まで騎士として立ち、騎士として散る選択をした私を信じて背を任せてくれたカロルを誇らしいと思った。
最後まで騎士でいさせてくれてありがとう、と確かにそう思ったのだ。
「この傷はアーシャが騎士であり、そして騎士として戦い抜いた証だ。誇らしいに決まってるだろ」
当たり前のようにそう告げられ、気付けばポロリと涙が溢れていた。
アーシャが泣いた事に気付いたカロルは慌てて立ち上がろうとし、バランスを崩してベッドから落ちた。
そんな少し情けない姿を見て、あの時騎士として散ろうと覚悟したくせにみっともなく生きながらえた事を本当に嬉しく感じた。
あはは、と大きな口で笑ってやると、あははとカロルの、いつもの大好きな笑いが返ってくる。
それがたまらなく嬉しかった。
戦争は終わった。
我が国は勝利したが、次またいつこの平和が崩れるかはわからない。
わからないからこそ、その平和を守るために。
この大切な人との幸せを護るために。
今日も私はきっとどこかで剣を振るうことを選ぶのだった。
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