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レオンルート
5.変わってしまったのは『未来』なのか『役割』なのか
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未来を変えるとは決めたが、だからと言って予言書に書かれた全てに反発するつもりはない。
ルートはルート、変に拗らせるよりも大筋はそのままにした方が対処もしやすいというものだ。
そう考えた私は、レオンルートの始まりである『ヒロインとの出会い』を起こそうと市場に出向いていた。
ーー市場外れの教会に花が咲いた日、彼と出会ったの。
その予言の通り、教会に花が咲くのを見張らせやっと咲いた今日、この日こそ出会いの日⋯!
のはずなのだが⋯
『セリといる時間を無駄にしたくありませんから』と穏やかに微笑まれ、遠回しに拒否された為に仕方なく私達は出会いの市場に二人で来ていて。
「何か探しているものがあるのでしょうか?」
「うーん、少し⋯!」
必死にキョロキョロとしている私を疑問に思ったのかレオがそう聞いてくるものの。
“『貴方とヒロインの出会いを探しています!』とは言えないわよねぇ⋯”
なんて考え曖昧に答えるだけにしていた。
“出会いは市場。そこで変な人に絡まれているヒロインをレオが助けた事をきっかけに知り合う⋯って書いてあったわね”
市場のどこかは明言されていなかったものの、スチルに描かれていた背景を探せば問題はないだろう。
“それに、予言書に書かれているのだから自然とその場にはつくはずだわ”
それは確信にも似た予感だった。
ーーーが。
「セリ、こちらはいかがですか」
「セリ、これなんかもいいですね」
「セリの口には合わないかもしれませんが、悪くはない味ですよ」
「セリはここへは何度も来られているのでしょうか?」
「⋯⋯⋯⋯。」
“全く進まないわね!?”
ルートが、ではなく、物理的に。
少し歩く度に名を呼ばれ見せられたり食べさせられたり。
なんとか前に進もうと頑張るものの、腰に回された彼の左手が思った以上にしっかりとホールドしており進もうにも進めないのだ。
“色々見て回れるのは楽しいし、レオが見せてくれるものも食べさせてくれるものも全て私の好みドンピシャなんだけど⋯!けど⋯!!”
これが本当にただのお出かけだったなら、とても楽しくこの時間を満喫出来ただろう。
しかし今の私には目的がある訳で。
“とりあえずまずは出会ってよぅっ!?”
全然“スチル”にあった場所に向かう気配のない現状にハラハラする。
物理的にも予言的にもあまりにも進まない現実に、もしかして今日は予言の日ではなかったのかとすら思い始めたその時だった。
「きゃぁぁあ!」
突然響いた甲高い叫び声を聞き、反射的に、しかし確信を持って走り出す。
そして声の先には、根元は銀だが毛先にいくにつれ淡いピンクの髪がふわりとなびく美しい女性がいた。
兎のように赤い瞳が一際目を惹く。
ーードクン。
訳もなく心拍数が上がり、それが苦しくすら感じる。
そして否応なしにただ“理解”した。
彼女が、ヒロイン。
『この世界の主人公』であると。
それと同時に“敵わない”と、“全て彼女のモノになる”という焦燥感が私を襲う。
「私の望みは生きること。死の運命から逃れられさえすればそれでいい、はずなのに⋯」
奪ワレテハナラナイ。
排除シナクテハナラナイ。
それは誰かからの予言なのか、自分の内から出る本心なのか。
それすらもわからない黒い感情が足元から纏わりつくように私を包む。
苦しい。寒い。辛い。
そして何より『怖い』ーー⋯
“この感情に負けてはいけないわ、負けた未来がきっと私のあの最期に繋がるはず”
自分の中を埋めつくしそうなこの感情をなんとか振り払い私はヒロインをしっかりと見つめ直す。
“ここでレオが彼女を助けて全てが始まるのね”
その始まりは同時に私とレオの終わりでもあるけれど。
ー⋯大丈夫、私はまだ彼に恋い焦がれていないのだから。
そう自分に言い聞かせその時を待つ。
ヒロインはどうやら果物屋さんを庇っているようで、お店のおばあちゃんを背にし怒鳴るように話している。
そんな彼女の腕を無理やり掴んでいる強面の男達が3人。
予言ではそこでレオが割り込み彼女を助けるはず、なのだが⋯。
「⋯⋯あの、レオ?い、行かないの?」
「どうして僕が?」
“ど、どうして僕が⋯!?!?”
あっさり返されたその言葉に思わず驚愕する。
予言されていた未来、このイベントとやらは無条件に発生すると思っていたし、そもそも。
「あ、貴方騎士ですわよね⋯!?女性を助けなくてもいいんですの⋯!?」
「今は非番ですし、それにあんなに危ない人が暴れているのに大切な婚約者の側を離れ、しかも別の女性を助けに行くとかどうなんでしょうか」
「え、えぇ⋯っ!?」
「大丈夫です、僕が必ずセリをお守り致しますからね」
「あ、ありがとう⋯?」
当然とばかりに微笑むレオに、確かにそうかもしれない、と一瞬納得しかけて慌てて頭を左右に振る。
“予言書の通りにならないよう頑張るとは思ったけれど、でもこのままじゃ彼女が⋯!”
自分の命はもちろん大事だが、それは誰かを犠牲にしてもいいという事ではないのだから。
ぎゅ、とレオの手を握った私は⋯
「つまり私が一緒だったなら助けてくださるのね!」
「ちょ、セリ⋯!?」
そのまま渦中へ飛び込んだ。
ヒロインと絡んでいる男の間に割り込むように体を滑り込ませ、そのまま彼女を抱き締める。
「女性を囲むなんて無礼ではありませんか!」
全力で睨みながらそう怒鳴ると、男の一人が口笛を吹いた。
「そこの女が果物を押し売りしようとしてくるんだよ」
「なっ!貴方達がぶつかって落とした果物を弁償しなさいと言ってるだけよっ」
「まぁ、果物くらい買ってやってもいいんだけどさ?その見返りにデートしてくれって言ってるだけなんだよなぁ」
「てゆーか、お姉さんでもいいけど⋯?」
口笛を吹いた男性がニヤリと私を見てそんな事を言った瞬間だった。
「うわぁぁあ!」
ダン、と大きな音を立てて地面に転がった男性を見下すような冷たい視線。
間髪いれず思い切り踏むのはもちろんレオだ。
「誰の許可を得て僕の婚約者を視界に入れてんの⋯?」
そのあまりにも低い声色に体感温度が3℃は下がる。
「れ、レオ、あの⋯私は何も⋯」
「安心してくださいセリ、ゴミはすぐに廃棄しますから」
「は、廃棄⋯」
「ほら、財布だけ置いて逝けよ目障りだから」
「レオ、あの、“行け”⋯よね?」
「大丈夫ですよセリ、すぐに僕が送ります」
「ねぇどこに?どこに送るのか教えてもらっていいかしら、現実の場所よね!?」
なんだかそこはかとなく不穏な気配に震えつつなんとか必死に確認する。
というか予言書で見たスチルでは、ヒロインを背に庇って男達と対峙していたのだが⋯
“私が真ん中にいる上にレオと目が合い続けてるんだけどこれはいい⋯の、かしら?”
一応私という壁を挟んではいるがヒロインを背に庇ってはいる。間に私がいるだけで。
でもその壁である間の私と目がずっと合っているということは、レオが私を見ているということで。
“で、でも一応構図は合っているのだし、ヒロインとレオの出会い⋯は出来たということでいいのよね⋯?”
なんて事を考えている間に、気付いたらレオが踏みつけていた男達はいなくなっていた。
⋯⋯このイベントから退場したのであって人生から退場させられたのではないと信じたい。
「ほら、これ果物代」
「え、あ、ありがとうございます⋯」
少し現実逃避しつつ、レオとヒロインの会話に耳を傾けたのだが。
「⋯⋯⋯」
“想像よりもなんていうか⋯し、シンプル、ね⋯”
勝手に恋に落ちる瞬間の会話というのはもっと華やかな、そして盛り上がるような感じかと思っていただけに現実とのギャップに思わず口をつぐむ。
そしてそんな私にサッと向き直ったレオは。
「セリ、痛いところはありませんか⋯?」
顔色を窺うように腰を屈め、心配そうな表情。
そしてとびきり“甘い”声色で。
“えっと⋯、そういう態度はヒロインに向けてのものではないのかしら⋯”
チリリとした違和感を覚えつつ、私はただ頷くしか出来なかった。
ルートはルート、変に拗らせるよりも大筋はそのままにした方が対処もしやすいというものだ。
そう考えた私は、レオンルートの始まりである『ヒロインとの出会い』を起こそうと市場に出向いていた。
ーー市場外れの教会に花が咲いた日、彼と出会ったの。
その予言の通り、教会に花が咲くのを見張らせやっと咲いた今日、この日こそ出会いの日⋯!
のはずなのだが⋯
『セリといる時間を無駄にしたくありませんから』と穏やかに微笑まれ、遠回しに拒否された為に仕方なく私達は出会いの市場に二人で来ていて。
「何か探しているものがあるのでしょうか?」
「うーん、少し⋯!」
必死にキョロキョロとしている私を疑問に思ったのかレオがそう聞いてくるものの。
“『貴方とヒロインの出会いを探しています!』とは言えないわよねぇ⋯”
なんて考え曖昧に答えるだけにしていた。
“出会いは市場。そこで変な人に絡まれているヒロインをレオが助けた事をきっかけに知り合う⋯って書いてあったわね”
市場のどこかは明言されていなかったものの、スチルに描かれていた背景を探せば問題はないだろう。
“それに、予言書に書かれているのだから自然とその場にはつくはずだわ”
それは確信にも似た予感だった。
ーーーが。
「セリ、こちらはいかがですか」
「セリ、これなんかもいいですね」
「セリの口には合わないかもしれませんが、悪くはない味ですよ」
「セリはここへは何度も来られているのでしょうか?」
「⋯⋯⋯⋯。」
“全く進まないわね!?”
ルートが、ではなく、物理的に。
少し歩く度に名を呼ばれ見せられたり食べさせられたり。
なんとか前に進もうと頑張るものの、腰に回された彼の左手が思った以上にしっかりとホールドしており進もうにも進めないのだ。
“色々見て回れるのは楽しいし、レオが見せてくれるものも食べさせてくれるものも全て私の好みドンピシャなんだけど⋯!けど⋯!!”
これが本当にただのお出かけだったなら、とても楽しくこの時間を満喫出来ただろう。
しかし今の私には目的がある訳で。
“とりあえずまずは出会ってよぅっ!?”
全然“スチル”にあった場所に向かう気配のない現状にハラハラする。
物理的にも予言的にもあまりにも進まない現実に、もしかして今日は予言の日ではなかったのかとすら思い始めたその時だった。
「きゃぁぁあ!」
突然響いた甲高い叫び声を聞き、反射的に、しかし確信を持って走り出す。
そして声の先には、根元は銀だが毛先にいくにつれ淡いピンクの髪がふわりとなびく美しい女性がいた。
兎のように赤い瞳が一際目を惹く。
ーードクン。
訳もなく心拍数が上がり、それが苦しくすら感じる。
そして否応なしにただ“理解”した。
彼女が、ヒロイン。
『この世界の主人公』であると。
それと同時に“敵わない”と、“全て彼女のモノになる”という焦燥感が私を襲う。
「私の望みは生きること。死の運命から逃れられさえすればそれでいい、はずなのに⋯」
奪ワレテハナラナイ。
排除シナクテハナラナイ。
それは誰かからの予言なのか、自分の内から出る本心なのか。
それすらもわからない黒い感情が足元から纏わりつくように私を包む。
苦しい。寒い。辛い。
そして何より『怖い』ーー⋯
“この感情に負けてはいけないわ、負けた未来がきっと私のあの最期に繋がるはず”
自分の中を埋めつくしそうなこの感情をなんとか振り払い私はヒロインをしっかりと見つめ直す。
“ここでレオが彼女を助けて全てが始まるのね”
その始まりは同時に私とレオの終わりでもあるけれど。
ー⋯大丈夫、私はまだ彼に恋い焦がれていないのだから。
そう自分に言い聞かせその時を待つ。
ヒロインはどうやら果物屋さんを庇っているようで、お店のおばあちゃんを背にし怒鳴るように話している。
そんな彼女の腕を無理やり掴んでいる強面の男達が3人。
予言ではそこでレオが割り込み彼女を助けるはず、なのだが⋯。
「⋯⋯あの、レオ?い、行かないの?」
「どうして僕が?」
“ど、どうして僕が⋯!?!?”
あっさり返されたその言葉に思わず驚愕する。
予言されていた未来、このイベントとやらは無条件に発生すると思っていたし、そもそも。
「あ、貴方騎士ですわよね⋯!?女性を助けなくてもいいんですの⋯!?」
「今は非番ですし、それにあんなに危ない人が暴れているのに大切な婚約者の側を離れ、しかも別の女性を助けに行くとかどうなんでしょうか」
「え、えぇ⋯っ!?」
「大丈夫です、僕が必ずセリをお守り致しますからね」
「あ、ありがとう⋯?」
当然とばかりに微笑むレオに、確かにそうかもしれない、と一瞬納得しかけて慌てて頭を左右に振る。
“予言書の通りにならないよう頑張るとは思ったけれど、でもこのままじゃ彼女が⋯!”
自分の命はもちろん大事だが、それは誰かを犠牲にしてもいいという事ではないのだから。
ぎゅ、とレオの手を握った私は⋯
「つまり私が一緒だったなら助けてくださるのね!」
「ちょ、セリ⋯!?」
そのまま渦中へ飛び込んだ。
ヒロインと絡んでいる男の間に割り込むように体を滑り込ませ、そのまま彼女を抱き締める。
「女性を囲むなんて無礼ではありませんか!」
全力で睨みながらそう怒鳴ると、男の一人が口笛を吹いた。
「そこの女が果物を押し売りしようとしてくるんだよ」
「なっ!貴方達がぶつかって落とした果物を弁償しなさいと言ってるだけよっ」
「まぁ、果物くらい買ってやってもいいんだけどさ?その見返りにデートしてくれって言ってるだけなんだよなぁ」
「てゆーか、お姉さんでもいいけど⋯?」
口笛を吹いた男性がニヤリと私を見てそんな事を言った瞬間だった。
「うわぁぁあ!」
ダン、と大きな音を立てて地面に転がった男性を見下すような冷たい視線。
間髪いれず思い切り踏むのはもちろんレオだ。
「誰の許可を得て僕の婚約者を視界に入れてんの⋯?」
そのあまりにも低い声色に体感温度が3℃は下がる。
「れ、レオ、あの⋯私は何も⋯」
「安心してくださいセリ、ゴミはすぐに廃棄しますから」
「は、廃棄⋯」
「ほら、財布だけ置いて逝けよ目障りだから」
「レオ、あの、“行け”⋯よね?」
「大丈夫ですよセリ、すぐに僕が送ります」
「ねぇどこに?どこに送るのか教えてもらっていいかしら、現実の場所よね!?」
なんだかそこはかとなく不穏な気配に震えつつなんとか必死に確認する。
というか予言書で見たスチルでは、ヒロインを背に庇って男達と対峙していたのだが⋯
“私が真ん中にいる上にレオと目が合い続けてるんだけどこれはいい⋯の、かしら?”
一応私という壁を挟んではいるがヒロインを背に庇ってはいる。間に私がいるだけで。
でもその壁である間の私と目がずっと合っているということは、レオが私を見ているということで。
“で、でも一応構図は合っているのだし、ヒロインとレオの出会い⋯は出来たということでいいのよね⋯?”
なんて事を考えている間に、気付いたらレオが踏みつけていた男達はいなくなっていた。
⋯⋯このイベントから退場したのであって人生から退場させられたのではないと信じたい。
「ほら、これ果物代」
「え、あ、ありがとうございます⋯」
少し現実逃避しつつ、レオとヒロインの会話に耳を傾けたのだが。
「⋯⋯⋯」
“想像よりもなんていうか⋯し、シンプル、ね⋯”
勝手に恋に落ちる瞬間の会話というのはもっと華やかな、そして盛り上がるような感じかと思っていただけに現実とのギャップに思わず口をつぐむ。
そしてそんな私にサッと向き直ったレオは。
「セリ、痛いところはありませんか⋯?」
顔色を窺うように腰を屈め、心配そうな表情。
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