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17-1重ねる体◆
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彩人の部屋はリビングよりは生活感があったが、塵ひとつなく綺麗に片付けられていた。
波奈も整理整頓は苦手ではなかったが、ここまで徹底した掃除はできない。
波奈のアパートで暮らしていた頃、内心では汚いと呆れていたのだろうかと不安になる。
――誰かが来て、片付けているのかも……。
ぼんやりとそんなことを思いながら、モノトーンで統一された部屋を見回していると、背後から抱きしめられる。
抱え上げられるようにして、ベッドに仰向けに押し倒された。
「カーテン、閉めて」
まだ日中で、窓からは光が差し込んでいた。
「外からは見えないから大丈夫」
「そうじゃなくて……」
確かにこのマンションの周りには、高さのある建造物はなかった。
角度的にも見えないと思うし、レースのカーテンは閉めてある。
けれど波奈が言っているのはそういうことじゃない。
「明るいから、恥ずかしいの」
「大丈夫」
何が大丈夫だというのか。
波奈が、もう一度お願いしようと口を開きかけると、端正な顔が近づいてきて唇を奪われた。
そっと重なるだけの優しいキスを、角度を変え三度ほどされたあと、僅かに開いていた唇の合間から、にゅるりとしたものが差し込まれた。
「んっ……」
彩人の舌だ。
ぬめぬめした温かなものが、波奈の歯茎をなぞった。
こういうキスがあるのは知っていたけれど――初めての時は、唇と唇と触れ合わせるキスだけだった。
口内をねとねとと舐められる感覚に、ぞくりと体が震える。
上顎の辺りを舐められると、頭の奥がじんとした。
巧みなキスに、彩人はどうして……どこでこんな口づけを覚えたのだろうと思った。
彼は際立った容姿をしているし、頭もよい。性格も穏やかだから、きっと大学ではモテたはずだ。
会社に入ってからは『御曹司』だ。甘い蜜に誘われる蜂のごとく、女性が寄って来ただろう。
彼から逃げたのは波奈のほうだ。
自分にそんな権利はないのはわかっていたが、彼の隣に女性がいるのを想像すると、チリチリと胸が焦げ付いたように痛んだ。
波奈は悔しいような気持ちになり、彼の首に手を回した。
奥に引っ込めていた舌を、彼の舌にぺとりと触れ合わせる。
舌同士が擦れ合った。
温かくて、濡れていて、独特の弾力があって――。まるで性交そのもののような、淫靡な感覚に、波奈の頬はのぼせたように上気していく。
彩人の唾液が口の中に垂れてくる。
自分の唾液を彼の舌が、かき混ぜている。
他人の唾液なんて気持ち悪いだけなのに、どうして彩人のモノは平気なのか。
平気などころか、甘い蜜を求めるように、彼の舌を追いかけ、流れ込んでいる唾液を飲み込んだ。
波奈は初めて味わう深いキスに夢中になった。
「んっ……ん」
彩人の指が胸元に這う。
胸の愛撫の予感に、波奈の体は期待するように、ふるりと震えた。
彩人の指が、ゆっくりとボタンを外しはじめる。
もしかしたらこういうことになるかもと思い、波奈は昨日、下着を買いに行った。
一緒に生活をしていたのだ。波奈が使い古した安物の下着しか持っていないことに、彼ももしかしたら気づいているのかもしれないけれど――見栄を張りたかった。
セクシーなのは論外だし、あまり可愛すぎるのも何だか『やる気』を見せているみたいで恥ずかしい。
白も狙っているみたいだし、ピンクもどうかなと思い、薄い青でレースなどはついていないシンプルな上下を選んだ。
けれど、迷いに迷って選んだというのに、彩人はあっさりとホックを外し、服と一緒に剥ぎ取ってしまう。
「ハナ……乳首、もう勃ってる」
「え、えっちなこと言わないで……」
キスどころか、彩人の寝室に入った時にはもう、緊張もあって硬くなっていた気がする。
彩人の唇が首筋に触れ、キスをしながら下へと向かう。
そこを舐めてくれるのだろうかとドキドキするけれど、彩人の唇は膨らみに優しいキスをするだけで、尖りに触れてくれない。
手のひらが、柔肉を集めるみたいに撫でる。
けれど、そこにを避けているみたいで、掠ったりもしない。
焦らすかのような愛撫に、胸の中心がぎゅっと縮こまり、甘い熱が集まった。
「ア……アヤ」
強請るように彼の名を呼ぶと、彩人の親指がぐりっと硬くなった突起を押さえた。
くすぐったいような甘い刺激が広がり、波奈は身をよじる。
指で押さえられていないほうの乳首には、舌先が触れた。
「あっ……ん」
くちゅりと淫靡な音を立てながら、咥えられる。
小刻みに、ちゅくちゅくと乳首を吸われた。
焦らされたせいか、六年ぶりのためか――。
胸の愛撫で、体はあっという間に高まっていく。
足の間の秘めた部分が、ぐずぐずになっているのが自分でもわかった。
波奈も整理整頓は苦手ではなかったが、ここまで徹底した掃除はできない。
波奈のアパートで暮らしていた頃、内心では汚いと呆れていたのだろうかと不安になる。
――誰かが来て、片付けているのかも……。
ぼんやりとそんなことを思いながら、モノトーンで統一された部屋を見回していると、背後から抱きしめられる。
抱え上げられるようにして、ベッドに仰向けに押し倒された。
「カーテン、閉めて」
まだ日中で、窓からは光が差し込んでいた。
「外からは見えないから大丈夫」
「そうじゃなくて……」
確かにこのマンションの周りには、高さのある建造物はなかった。
角度的にも見えないと思うし、レースのカーテンは閉めてある。
けれど波奈が言っているのはそういうことじゃない。
「明るいから、恥ずかしいの」
「大丈夫」
何が大丈夫だというのか。
波奈が、もう一度お願いしようと口を開きかけると、端正な顔が近づいてきて唇を奪われた。
そっと重なるだけの優しいキスを、角度を変え三度ほどされたあと、僅かに開いていた唇の合間から、にゅるりとしたものが差し込まれた。
「んっ……」
彩人の舌だ。
ぬめぬめした温かなものが、波奈の歯茎をなぞった。
こういうキスがあるのは知っていたけれど――初めての時は、唇と唇と触れ合わせるキスだけだった。
口内をねとねとと舐められる感覚に、ぞくりと体が震える。
上顎の辺りを舐められると、頭の奥がじんとした。
巧みなキスに、彩人はどうして……どこでこんな口づけを覚えたのだろうと思った。
彼は際立った容姿をしているし、頭もよい。性格も穏やかだから、きっと大学ではモテたはずだ。
会社に入ってからは『御曹司』だ。甘い蜜に誘われる蜂のごとく、女性が寄って来ただろう。
彼から逃げたのは波奈のほうだ。
自分にそんな権利はないのはわかっていたが、彼の隣に女性がいるのを想像すると、チリチリと胸が焦げ付いたように痛んだ。
波奈は悔しいような気持ちになり、彼の首に手を回した。
奥に引っ込めていた舌を、彼の舌にぺとりと触れ合わせる。
舌同士が擦れ合った。
温かくて、濡れていて、独特の弾力があって――。まるで性交そのもののような、淫靡な感覚に、波奈の頬はのぼせたように上気していく。
彩人の唾液が口の中に垂れてくる。
自分の唾液を彼の舌が、かき混ぜている。
他人の唾液なんて気持ち悪いだけなのに、どうして彩人のモノは平気なのか。
平気などころか、甘い蜜を求めるように、彼の舌を追いかけ、流れ込んでいる唾液を飲み込んだ。
波奈は初めて味わう深いキスに夢中になった。
「んっ……ん」
彩人の指が胸元に這う。
胸の愛撫の予感に、波奈の体は期待するように、ふるりと震えた。
彩人の指が、ゆっくりとボタンを外しはじめる。
もしかしたらこういうことになるかもと思い、波奈は昨日、下着を買いに行った。
一緒に生活をしていたのだ。波奈が使い古した安物の下着しか持っていないことに、彼ももしかしたら気づいているのかもしれないけれど――見栄を張りたかった。
セクシーなのは論外だし、あまり可愛すぎるのも何だか『やる気』を見せているみたいで恥ずかしい。
白も狙っているみたいだし、ピンクもどうかなと思い、薄い青でレースなどはついていないシンプルな上下を選んだ。
けれど、迷いに迷って選んだというのに、彩人はあっさりとホックを外し、服と一緒に剥ぎ取ってしまう。
「ハナ……乳首、もう勃ってる」
「え、えっちなこと言わないで……」
キスどころか、彩人の寝室に入った時にはもう、緊張もあって硬くなっていた気がする。
彩人の唇が首筋に触れ、キスをしながら下へと向かう。
そこを舐めてくれるのだろうかとドキドキするけれど、彩人の唇は膨らみに優しいキスをするだけで、尖りに触れてくれない。
手のひらが、柔肉を集めるみたいに撫でる。
けれど、そこにを避けているみたいで、掠ったりもしない。
焦らすかのような愛撫に、胸の中心がぎゅっと縮こまり、甘い熱が集まった。
「ア……アヤ」
強請るように彼の名を呼ぶと、彩人の親指がぐりっと硬くなった突起を押さえた。
くすぐったいような甘い刺激が広がり、波奈は身をよじる。
指で押さえられていないほうの乳首には、舌先が触れた。
「あっ……ん」
くちゅりと淫靡な音を立てながら、咥えられる。
小刻みに、ちゅくちゅくと乳首を吸われた。
焦らされたせいか、六年ぶりのためか――。
胸の愛撫で、体はあっという間に高まっていく。
足の間の秘めた部分が、ぐずぐずになっているのが自分でもわかった。
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