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第3章 身勝手な理由で「やり直そう」という元婚約者。
【3.これなら国外追放を減刑してもらえるかも】
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部屋に帰って来るなり、女中頭のマリアは、リリエッタに向かってため息まじりに言った。
「で、お嬢様、ヘルベルト様にアーゼル様へのあの手紙は昔のものだからって、言えなかったんですね?」
「あー、はい……すみません」
「そんな反省した顔しでもダメです。いくらヘルベルト様が相手でも、男女の気まずいことはきちんと言葉にしていかないと。誤解が男女の仲を失敗させるんですから!」
マリアは少しお説教モードだ。
リリエッタは、マリアの言うことは分かるものの、自分を慰めたくて言い訳をした。
「あーはい、それはまあそう思うんだけど。でもさ、ヘルベルト、アーゼル様の若ハゲとかそんな話ばっかりしてたし、あんまり気にしてないんじゃないかな? それに、マリアだって、昨日は『ヘルベルト様ならたぶん分かってくれてるから大丈夫』みたいなこと言ってたでしょ?」
しかし、マリアは残念そうに首を横に振った。
「確かに昨日はそう思ってましたが、今日のヘルベルト様を見て、そうでもないかなって思いなおしました。若ハゲの話とかは、気にしてないフリかなと思います。私はさっきはっきり聞きましたよ、ヘルベルト様が『過去の手紙を引っ張り出されちゃ』って言ってましたでしょ?」
「あ、言ってた!」
「すぐにヘルベルト様は話題を変えておしまいになられましたけど。『過去の手紙を引っ張り出されちゃ』なんて言うってことは、やっぱり多少は気にしてらっしゃるかと思います」
「そうね……」
リリエッタはマリアの言うことはもっともだと思って青ざめた。
「私、やっぱりヘルベルトにちゃんと言わなくちゃ!」
リリエッタは焦る気持ちになって、急いで馬車を準備させると、ヘルベルトの邸へ飛び出していった。
リリエッタがヘルベルトの邸に着くと、先客がいた。
置かれている馬車や外で待つ使用人に何となく見覚えがある。ワートン公爵家の者だ。
「アーゼル様!?」
リリエッタはピンときて、ヘルベルトの執事に強く言い、アーゼルが通されている応接室の中に入れてもらった。
「リリエッタ!? なぜここに!?」
アーゼルが叫ぶ。
ヘルベルトもリリエッタを認めて驚いていた。
リリエッタは鋭い目でヘルベルトとアーゼルを見比べると、
「何なの? 二人でこっそり何の話をしているの? 国外に早く出るよう勧めてるの、ヘルベルト?」
「なぜそれを……」
アーゼルは気まずそうに呻いた。リリエッタには隠そうとしていたらしい。マクファー伯爵家の助力で国外追放を免れる道をまだ探ろうとしていたようだ。
すると、飄々とした声でヘルベルトが言った。
「エミリー嬢の話ですよねー」
アーゼルは、リリエッタと婚約していた頃からエミリーという破廉恥美女と浮気して、リリエッタとの婚約を破棄したのだ。
そのエミリー嬢の話をなぜ、今、ここで?
リリエッタはヘルベルトを疑い深い目で見つめた。
しかし、ヘルベルトは、リリエッタのそんな目には怯まない。
「アーゼル殿の泥棒執事がアーゼル殿の財産をこっそり盗んでいた話ですけどね。それにエミリー嬢の関与があったことが分かったので、アーゼル殿に教えてさしあげようと思ったんですよ。今のところエミリー嬢は執事の犯罪とは無関係といった顔してますけどね」
それを聞いてアーゼルが弾けるように飛び上がった。
「エミリーも仲間だったのか!?」
「どちらかというとエミリー嬢は利用されただけだとは思いますけど。でも、多少の違法行為もあるようですし、この件に関して、エミリー嬢の罪を問うこともできると思いますよ」
ヘルベルトがそう冷静に言うと、アーゼルは凶暴な光を目に浮かべて体を乗り出した。
「どういうことだ。詳しく話せ」
アーゼルは執事の犯罪なのに廃嫡され、国外追放の罰まで受けることに心の底から納得していなかったのだ。
ヘルベルトは淡々と説明した。
「エミリー嬢はかなり奔放な令嬢ですからね。どこぞの街角であの泥棒執事に声をかけられデートを楽しんだことがあるそうです。その流れで、ショーン・キャッシュから『ワートン公爵家の執事見習いに応募したいから身元確認書類にサインしてくれないか』って頼まれたんだそうです。ショーン・キャッシュの目的から考えると、彼がエミリー嬢とデートしたのは、最初から書類にサインさせるためだとは思いますね。そして、ショーン・キャッシュはエミリー嬢のサインの入った身元確認書類を持ってワートン公爵家を訪れた。アーゼル殿とエミリー嬢が付き合い始めた頃のことだったので、アーゼル殿はエミリー嬢の顔を立てて、ショーン・キャッシュを雇った――。と、まあこういう経緯かと思います。エミリー嬢のお付きの女性から聞きました」
「そうだ! そうだった! エミリーのサインがあったから、俺はあの執事を見習いに雇ったんだ! そして、今のおまえの話……身分確認書類は偽造だったということだな?」
アーゼルの目が鋭くなった。
「ええ。エミリー嬢は嘘の身分確認書類にサインしたってことになります。よっぽど楽しいデートだったんでしょうかね。そんな怪しげなものにほいほいサインするなんて」
ヘルベルトが呆れながら答える。
「そうだ、そうだ! エミリーのサインがなかったら、俺があんな見知らぬ男を執事見習いに雇うわけがないんだ! 泥棒執事を雇うハメになったのは、そうだ、エミリーのせいだ――」
アーゼルはぶつぶつ呟く。
一概にエミリーだけのせいということはなく、そこはエミリーのサイン一つでをして執事見習いに雇ったアーゼルの脇の甘さも問題なのだが。
そこはヘルベルトは黙っておいた。
「というわけでエミリー嬢にも責任の一端を担わせることができるんじゃないですか。捕まえに行った方がいいんじゃないですかね」
ヘルベルトはゆっくりと言った。
すると、リリエッタの背後から、マリアが声を上げた。マリアはお付きとしてリリエッタについてきていたのだ。
「あたくしも行きます!」
「マリア!?」
リリエッタが驚く。
マリアは忠誠心溢れる目でリリエッタの方を向きながら、強く言った。
「あの女、許せないのです! お嬢様の元婚約者を誘惑しておいて、反省もせず、今はのうのうとサルヴァン男爵と結婚しようとしているという噂を聞きました! そんなの許せません!」
アーゼルも大きく頷いた。
「いや、ヘルベルトありがとう! エミリーがもしあの泥棒執事の雇用に関わっていたのなら、俺だけ国外追放など許せん! あいつだけのんびり田舎で幸せに暮らす? とんでもない話だ。俺が直々にあいつの罪を暴く! そして、国王陛下に弁明する。俺は元恋人に騙されたんだ、俺も被害者なのだ! 減刑は当然あり得るだろう!」
「えー? 被害者?」
エミリーとの浮気で私と婚約破棄しといてそれはないでしょ、とリリエッタは不快そうに顔を歪めたが、しかし、ヘルベルトの方はニコニコの笑顔だった。
「うん、そうですね! とってもいい考えです! エミリー嬢に騙されたことをしっかり国王陛下に説明して、国外追放の裁きを考え直してもらってください! きっと減刑されますよ! ですから、もう、リリエッタとはやり直さなくてOKですよね?」
ヘルベルトはアーゼルがリリエッタにつきまとうのをやめさせたかったのだ。
だから、こうして窃盗事件にエミリーが関与していることを調べてきて、アーゼルに伝えたのだ。エミリーの件だけで十分に国外追放の減刑が望めるから、リリエッタとやり直す必要はない、と。
「あ」
「あ」
アーゼルとリリエッタは同時に声をあげた。
マリアもヘルベルトの意図を理解して、アーゼルをキッと睨んだ。
「あー、ですね! 私もエミリー様の件は協力しますから、もうお嬢様に絡まないでください!」
「あ、は、はいっ!」
マリアの気迫がすごくて、アーゼルは思わず頷いた。
その返事を聞いて、ヘルベルトは安心したようににこっと笑った。
「よし。これで解決ー!」
リリエッタは感謝の眼差しでヘルベルトを見た。
ヘルベルトは、アーゼル様が私とやり直す理由がなくなるように、こうして別の解決方法を提案してくれたのね。
私に多くを語らないまま、ヘルベルトはいつもそっと守ってくれる。
リリエッタは心がじーんと温かくなった。
横でマリアがリリエッタをつついた。
「お嬢様、ちゃんとヘルベルト様にご自分の気持ちを言わないと、知りませんよ!」
「あ、は、はいっ!」
リリエッタもマリアの気迫に押されたじたじとなって、素直に頷いた。
「で、お嬢様、ヘルベルト様にアーゼル様へのあの手紙は昔のものだからって、言えなかったんですね?」
「あー、はい……すみません」
「そんな反省した顔しでもダメです。いくらヘルベルト様が相手でも、男女の気まずいことはきちんと言葉にしていかないと。誤解が男女の仲を失敗させるんですから!」
マリアは少しお説教モードだ。
リリエッタは、マリアの言うことは分かるものの、自分を慰めたくて言い訳をした。
「あーはい、それはまあそう思うんだけど。でもさ、ヘルベルト、アーゼル様の若ハゲとかそんな話ばっかりしてたし、あんまり気にしてないんじゃないかな? それに、マリアだって、昨日は『ヘルベルト様ならたぶん分かってくれてるから大丈夫』みたいなこと言ってたでしょ?」
しかし、マリアは残念そうに首を横に振った。
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「あ、言ってた!」
「すぐにヘルベルト様は話題を変えておしまいになられましたけど。『過去の手紙を引っ張り出されちゃ』なんて言うってことは、やっぱり多少は気にしてらっしゃるかと思います」
「そうね……」
リリエッタはマリアの言うことはもっともだと思って青ざめた。
「私、やっぱりヘルベルトにちゃんと言わなくちゃ!」
リリエッタは焦る気持ちになって、急いで馬車を準備させると、ヘルベルトの邸へ飛び出していった。
リリエッタがヘルベルトの邸に着くと、先客がいた。
置かれている馬車や外で待つ使用人に何となく見覚えがある。ワートン公爵家の者だ。
「アーゼル様!?」
リリエッタはピンときて、ヘルベルトの執事に強く言い、アーゼルが通されている応接室の中に入れてもらった。
「リリエッタ!? なぜここに!?」
アーゼルが叫ぶ。
ヘルベルトもリリエッタを認めて驚いていた。
リリエッタは鋭い目でヘルベルトとアーゼルを見比べると、
「何なの? 二人でこっそり何の話をしているの? 国外に早く出るよう勧めてるの、ヘルベルト?」
「なぜそれを……」
アーゼルは気まずそうに呻いた。リリエッタには隠そうとしていたらしい。マクファー伯爵家の助力で国外追放を免れる道をまだ探ろうとしていたようだ。
すると、飄々とした声でヘルベルトが言った。
「エミリー嬢の話ですよねー」
アーゼルは、リリエッタと婚約していた頃からエミリーという破廉恥美女と浮気して、リリエッタとの婚約を破棄したのだ。
そのエミリー嬢の話をなぜ、今、ここで?
リリエッタはヘルベルトを疑い深い目で見つめた。
しかし、ヘルベルトは、リリエッタのそんな目には怯まない。
「アーゼル殿の泥棒執事がアーゼル殿の財産をこっそり盗んでいた話ですけどね。それにエミリー嬢の関与があったことが分かったので、アーゼル殿に教えてさしあげようと思ったんですよ。今のところエミリー嬢は執事の犯罪とは無関係といった顔してますけどね」
それを聞いてアーゼルが弾けるように飛び上がった。
「エミリーも仲間だったのか!?」
「どちらかというとエミリー嬢は利用されただけだとは思いますけど。でも、多少の違法行為もあるようですし、この件に関して、エミリー嬢の罪を問うこともできると思いますよ」
ヘルベルトがそう冷静に言うと、アーゼルは凶暴な光を目に浮かべて体を乗り出した。
「どういうことだ。詳しく話せ」
アーゼルは執事の犯罪なのに廃嫡され、国外追放の罰まで受けることに心の底から納得していなかったのだ。
ヘルベルトは淡々と説明した。
「エミリー嬢はかなり奔放な令嬢ですからね。どこぞの街角であの泥棒執事に声をかけられデートを楽しんだことがあるそうです。その流れで、ショーン・キャッシュから『ワートン公爵家の執事見習いに応募したいから身元確認書類にサインしてくれないか』って頼まれたんだそうです。ショーン・キャッシュの目的から考えると、彼がエミリー嬢とデートしたのは、最初から書類にサインさせるためだとは思いますね。そして、ショーン・キャッシュはエミリー嬢のサインの入った身元確認書類を持ってワートン公爵家を訪れた。アーゼル殿とエミリー嬢が付き合い始めた頃のことだったので、アーゼル殿はエミリー嬢の顔を立てて、ショーン・キャッシュを雇った――。と、まあこういう経緯かと思います。エミリー嬢のお付きの女性から聞きました」
「そうだ! そうだった! エミリーのサインがあったから、俺はあの執事を見習いに雇ったんだ! そして、今のおまえの話……身分確認書類は偽造だったということだな?」
アーゼルの目が鋭くなった。
「ええ。エミリー嬢は嘘の身分確認書類にサインしたってことになります。よっぽど楽しいデートだったんでしょうかね。そんな怪しげなものにほいほいサインするなんて」
ヘルベルトが呆れながら答える。
「そうだ、そうだ! エミリーのサインがなかったら、俺があんな見知らぬ男を執事見習いに雇うわけがないんだ! 泥棒執事を雇うハメになったのは、そうだ、エミリーのせいだ――」
アーゼルはぶつぶつ呟く。
一概にエミリーだけのせいということはなく、そこはエミリーのサイン一つでをして執事見習いに雇ったアーゼルの脇の甘さも問題なのだが。
そこはヘルベルトは黙っておいた。
「というわけでエミリー嬢にも責任の一端を担わせることができるんじゃないですか。捕まえに行った方がいいんじゃないですかね」
ヘルベルトはゆっくりと言った。
すると、リリエッタの背後から、マリアが声を上げた。マリアはお付きとしてリリエッタについてきていたのだ。
「あたくしも行きます!」
「マリア!?」
リリエッタが驚く。
マリアは忠誠心溢れる目でリリエッタの方を向きながら、強く言った。
「あの女、許せないのです! お嬢様の元婚約者を誘惑しておいて、反省もせず、今はのうのうとサルヴァン男爵と結婚しようとしているという噂を聞きました! そんなの許せません!」
アーゼルも大きく頷いた。
「いや、ヘルベルトありがとう! エミリーがもしあの泥棒執事の雇用に関わっていたのなら、俺だけ国外追放など許せん! あいつだけのんびり田舎で幸せに暮らす? とんでもない話だ。俺が直々にあいつの罪を暴く! そして、国王陛下に弁明する。俺は元恋人に騙されたんだ、俺も被害者なのだ! 減刑は当然あり得るだろう!」
「えー? 被害者?」
エミリーとの浮気で私と婚約破棄しといてそれはないでしょ、とリリエッタは不快そうに顔を歪めたが、しかし、ヘルベルトの方はニコニコの笑顔だった。
「うん、そうですね! とってもいい考えです! エミリー嬢に騙されたことをしっかり国王陛下に説明して、国外追放の裁きを考え直してもらってください! きっと減刑されますよ! ですから、もう、リリエッタとはやり直さなくてOKですよね?」
ヘルベルトはアーゼルがリリエッタにつきまとうのをやめさせたかったのだ。
だから、こうして窃盗事件にエミリーが関与していることを調べてきて、アーゼルに伝えたのだ。エミリーの件だけで十分に国外追放の減刑が望めるから、リリエッタとやり直す必要はない、と。
「あ」
「あ」
アーゼルとリリエッタは同時に声をあげた。
マリアもヘルベルトの意図を理解して、アーゼルをキッと睨んだ。
「あー、ですね! 私もエミリー様の件は協力しますから、もうお嬢様に絡まないでください!」
「あ、は、はいっ!」
マリアの気迫がすごくて、アーゼルは思わず頷いた。
その返事を聞いて、ヘルベルトは安心したようににこっと笑った。
「よし。これで解決ー!」
リリエッタは感謝の眼差しでヘルベルトを見た。
ヘルベルトは、アーゼル様が私とやり直す理由がなくなるように、こうして別の解決方法を提案してくれたのね。
私に多くを語らないまま、ヘルベルトはいつもそっと守ってくれる。
リリエッタは心がじーんと温かくなった。
横でマリアがリリエッタをつついた。
「お嬢様、ちゃんとヘルベルト様にご自分の気持ちを言わないと、知りませんよ!」
「あ、は、はいっ!」
リリエッタもマリアの気迫に押されたじたじとなって、素直に頷いた。
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