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謎の美少女芸能界事件簿 2章
寝静まった頃に
しおりを挟む夕理「・・・そろそろ帰るね。」
夏樹「えっ!帰るの?」「泊まって行きなよ。」
「マスコミがまた狙っているんじゃないの。」
「何ならしばらくここに居ていいんだよ。」
星名との記事が出て以来、悪質なファンから嫌がらせの電話が掛かって来たり夕理宛てに
カッターナイフ入りの手紙が送りつけられていた。
マスコミ関係者も星名とのツーショットの瞬間を狙うため夕理のマンションを張り込んでいる。
そのため夕理はマンションへは帰らずホテルを転々と泊まり歩いていた。
夕理「いいよ。ホテルに泊まるから。」
夏樹「予約してるの?」
夕理「・・・してないよ。」
夕理はもっと早く帰ろうと思っていたが上手く切り出せないでいた。
夏樹は当然、夕理が泊まっていってくれるものと思っていた。
夏樹「今の時間じゃホテルも泊まれないよ。」
夕理「・・・探せばあると思うから。」
夏樹「夕理!」「いいから泊まりなさい!」
口調が激しくなる。
夕理「・・・でも・・・。」
夕理はこれ以上夏樹に迷惑を掛けたくなかった。
夏樹「あたしが夕理に帰ってほしくないの。」
夕理「え。」
夏樹「夕理が帰ると寂しいよ。」
「だから・・・お願い・・・帰らないで。」
夕理「夏樹ちゃん・・・。」
夕理はこういう心が擽られるようなセリフに弱かった。
夕理「わかった・・・そうするよ。」
夏樹「決まり~~。」
「私はソファーで寝るから夕理は私のベッドで寝ていいよ。」
夕理「それは悪いよ。」「私がソファーで寝るよ。」
夏樹「いいのかなぁ~。」
夕理「え?」
夏樹「夕理がソファーで寝たらサッキの続きをしてもいいんだけどぉ~。」
夕理「あっ!」
夏樹「好きにしていいって言ったじゃぁ~ん。」
薄笑いを浮かべながら胸を揉むような仕草で両手の指を怪しげに動かす。
夕理「わ・・わたし・・やっぱり帰る・・・。」
バッグを両手で抱き締めながら後ずさりする。
夏樹「あっ!」「ジョーダン。ジョーダンだってば。」
夕理の手を摑み引き留める。
夏樹「ほらほら。」「ベッドで寝ていいから。」
夕理の手を引っ張り強引にベッドへ連れて行く。
夏樹「着替えは私のを貸してもいいから。」
夕理「いちおう着替えは持ってきているから。」
夏樹「そう・・・。」
「じゃあ~先にシャワーを浴びてきなよ。」
夕理「・・・はいって来たらダメだよ。」
少し疑いの目で夏樹を見る。
夏樹「わかっているって。」
「夕理のペチャパイ見てもしょうがないしぃ。」
夕理「夏樹ちゃん・・・口が悪いよ。」
珍しく不機嫌になる。
夏樹「いや・・・だから・・・見ないってこと。」
――夕理がシャワーを浴びて少し恥ずかしげに黄色のパジャマ姿で出てくる。
夏樹「可愛い・・・。」
夕理「え?」
夏樹「いや・・・何でもない。」
「私もシャワーを浴びるけど先に寝てていいから。」
夏樹がシャワーを浴びて出てくると夕理はベッドで静かに寝ていた。
夕理が寝ているベッドを覗きながら
「寝顔も可愛いね。」
夏樹「バスケットかぁ~。」「なんか信じられないよねぇ。」
「アメリカの名門校で活躍していたってことでしょ・・・。」
「イメージがわかないんだよねぇ。」
「芸能人運動会に出れば一等賞じゃん。」
「あっ!今はそんなのやってないか。」
髪を乾かしながら鏡に向かってブツブツ独り言を言っている。
夏樹「さあて私も寝るか。」
電気を消してソファーに寝そべりながら大きく伸びをする。
夏樹((・・・夕理・・・1人で日本に来たのかなぁ・・・))
((・・・留奈・・・1人で大丈夫かなぁ・・・))
夏樹は2人のことを考えながらウトウトしていた。
――夜中3時過ぎ2人とも寝静まっていると思ったら・・・
夏樹((・・・・))
夏樹がソファーからそっと起きあがり夕理が寝ているベッドへソロソロと近づく。
夕理が寝ているベッドの前に立つと穏やかだった顔色が豹変する。
ゆっくりと腰を曲げながら夕理の顔を覗き込む。
夕理〝すぅ~すぅ~〟
寝息を少し立てながら天使のような顔で寝ている。
夕理が寝ているのを確認するとベッドの前で直立した姿勢になり下目遣いで夕理の顔を見下ろす。
夏樹((夕理・・・))
一瞬口元が緩むがまた冷ややかな表情に戻る。
そしてゆっくりと夕理の口元に左手を近づけていく。
夕理の寝息が左手に当たる。
夏樹((ゴメン・・・悪く思わないでね。))
額に汗を浮かべ一筋の汗が頬を伝わる。
夏樹((ふぅ~~))
顔をあげて大きく深呼吸する。
緊張で心臓はドキドキして破裂しそうである。
左手を夕理の口元付近からゆっくりとスライドさせながら静かにベッドに置いた。
夕理の顔を覆いかぶさる格好になっている。
右手で髪をかき上げながら腰を折り曲げる。
自分の息を押し殺しゆっくりと自分の顔を近づけると無防備に眠る夕理の顔がある。
夏樹((・・・夕理))
夏樹は目を瞑ると自分の唇を夕理の唇に重ね合わせた。
夏樹((・・・・・・・))
そしてゆっくりと唇を離すと
「うふっ・・・夕理のファーストキス貰っちゃった♡」
夏樹の表情が和らぎ穏やかになる。
両膝を床につくと母親が子供をあやす様な仕草で夕理の頭を何度も撫でながら
「さっきは酷いこと言ってゴメンね・・・。」
「綺麗な胸しているのにね・・・。」
「・・・でも・・・もっと甘えていいんだよ。」
小さな声で優しく囁いた。
少し乱れた掛け布団を丁寧に掛け直すとベッドから静かに離れる。
そして毛布で自分の身体をくるみながらソファーに寝なおした。
夏樹がベッドから離れた直後、夕理の肩が少し震えて閉じていた瞳から一滴の涙が頬を伝わり枕を濡らした。
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