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ぜんぶ(R18
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迎えを呼ぶのももどかしく、タクシーを捕まえてマンションへ戻る。
耐えきれず、玄関先でキスをした。中へ入る前に。
人の気配はなかったけれど、秋尋様はとても驚いたらしく身体を跳ねさせて俺の首根っこを掴んだ。膝でお腹も蹴られた。
力が足りないためか、それとも興奮しすぎているからか痛みはまったくなかった。
「強引なの、嫌いじゃないんですよね?」
「限度があるし、そういうことじゃ……。この、こんな……、外で。馬鹿っ!」
可愛い。早く、もっとたくさん触れたい。
生体認証の扉を手早く開けて雪崩こむ。秋尋様の身体だけは傷つけないようにしながら、そこでもいっぱいキスをした。
「ん……っ、う……。はぁ……」
押し返そうとしてくる舌を絡めとって舐める。
上手く息継ぎができなくてしまいには歯が当たってしまった。
「昨晩だって散々していたのに、余裕がなさすぎるだろう」
「貴方とする時に余裕があったことなんてありません」
「嘘をつけ」
「本当ですもん」
ぷうっとむくれてみせると、あざといと言って軽く頭を叩かれた。
そういえば昨晩は、何を思って俺を抱いたり抱かれたりしたんだろう。俺はもう本当に最後かと、そんな気持ちだったのだけれど秋尋様はそうならないことを知っていたわけで……。なのに、わざわざ俺の部屋に来たとか、もうプレイでしかなくない……?
「昨夜は楽しかったですか?」
「え? あ、ああ……。結局、お前を騙したようになってしまったが……。新鮮で悪くはなかったぞ」
それは何より。
思うところはあるけれど、秋尋様がプレイを楽しんだという事実がなんとも言えずえっちすぎて割とどうでもよくなるよね。今はもうこの人、俺のものだしね。
「きっと今日はもっと、気持ちいいですよ。たくさん、たくさん、この中を掻き回してあげます」
服の上から腹のあたりを指で辿る。
ここまでは届かない。見栄を張っている。いいんだ、こういうのは雰囲気だから。
秋尋様はぶるりと身を震わせて、俺の背中に腕を回した。
「いいぞ。もう、ぜんぶ、お前のだから」
「あき、ひろさま……」
まさか、こんなふうに返されるとは。
ちょっぴり昨日の報復も込めて、恥ずかしがる顔が見たくてわざと挑発的に言ったのに、してやられたのは俺のほう。秋尋様渾身のデレに理性が焼ききれる。
「ありがとうございます! 大好きです! 一生大切にします」
愛おしさが止まらなくて、いっぱいスリスリした。
もっと隙間なくくっつきたい。はやく全部、俺の全部もあげてしまいたい。
「今日は僕も、お前をたくさん、幸せにしてやる」
そんなの俺は貴方に出会った日から、今までずっと。
両頬を手のひらで挟まれて、早速の有言実行。
秋尋様がくれたキスは俺の涙で随分と塩辛かった。
俺のベッドはぐちゃぐちゃになったままだったので、本日は秋尋様のベッドで。
早く繋がりたい気持ちはあったけど、長く楽しみたくてゆっくりとペッティングから。まだ軽い触れ合いしかしていないのにいつもより深く感じられて、幸福感が心の底からじわじわと湧き上がってくる。
なんだか……。いいのかな。俺ばかりこんな幸せになっていいのかな。
ここも、ここも。もう、ずっと俺のものだって思うと、触れた指先でさえ気持ちよくて、キスで舌を触れ合わせればもう、とろけるみたいで。
「頭の中、ふわふわしてます」
「そうか。僕もだ」
秋尋様も同じだとわかって、天にも昇るような気持ちになる。
初めて貴方に触れた時も、恋人同士になった時も死ぬほど嬉しかったけど、今日はもうここが人生の終着点かってくらい。
きっと、今から始まるのにね。なのにもうこんなに息切れ状態で俺の心臓もつのかな?
「朝香。今日は僕がしてやる」
「えっ……」
もちろん、秋尋様に抱かれるのは嫌じゃない。むしろ幸せだ。俺を欲しがってくれてるってわかるから。いつもなら絶対に拒んだりしない。でも今日は、物凄く抱きたい。秋尋様の中に入りたい。
「抱きたくてたまらない。という顔をしているな」
「す、すみません」
「謝るな。お前のそういう顔は悪くない」
俺も秋尋様のそういう、いじめっ子みたいな表情、悪くな……いや、大好きです。
「僕に挿れたいか?」
「はい、とても。貴方の中に入りたい。ちんちん、ぎゅうってしてほしい」
してくれた。手で。気持ちいいけど違う。
「いいぞ。僕も今日は、僕の中で果てるお前の顔が見たいから」
えっちが過ぎる。ご主人様が男前。
単に挿れさせてくださいって俺に言わせたかっただけかぁ。
……と思ったら、違った。ベッドに寝かせられて、秋尋様はそそり立った俺のモノを自分から咥えこんでくれた。もう慣れたから怪我もしないだろうって。
「ん……。ど、どうだ?」
「ぜっ……絶景です」
「あまり見るな」
それは無理。凄い。鼻血が出そう。あったかい肉に包まれた感覚と、たまにヒクヒクと締め付けてくる快感。何より下から俺のを気持ちよさそうに飲み込む秋尋様のアングルが、凄い。
でも俺は挿れるんでも挿れられるんでも、秋尋様を気持ちよくしたいという想いが強い。だから思わず、下から突き上げてしまった。
「あっ、馬鹿っ。じっとしてろ。深いんだ」
「お腹が破けそうですか?」
「それはない。凄くじっくり、見ながら挿れたからな。だいたいどれくらいはわかる。わかるが、もっといっぱい入ってる感じはする……」
そう言いながら、もじもじと腰を揺らめかせる。
俺のを挿れながら、いっぱい入ってるとか言われたら、それは。
「んんっ……。はぁ、大きくもするな」
「そんな無茶な」
「ぼ、僕が動くから……。っ……あ、はぁ……ッ」
ゆっくり、本当にゆっくり上下し始める。少しだけ抜いて、沈めて。俺のをいいところにあててる。秋尋様が、俺ので気持ちよくなってるし、よくしようとしてくれてる。
「秋尋様。とっても、気持ちいです」
「……だったら、なんで泣いてる」
「幸せすぎて。怖いくらい、幸せで」
「夢じゃないぞ」
秋尋様は俺のが入ったまま、身を屈めてキスをしてくれた。
「ッ……ん。もっと、お前を喘がせたいのに」
「そうは見えないかもしれませんが、気を失いそうなほどです」
「そ、そんなにか?」
だってもう、こんなの。秋尋様はえっちだし、中は俺のちんちん気持ちよさそうに締めてくるし、俺、生きたまま天国にきてそう。
「泣いているのは、そのせいもあるのか」
むしろ秋尋様のほうに余裕がありそう。主導権を握っている側だから、当然と言えば当然なんだろうけど、俺としてはもっとアンアン言ってほしい。でも秋尋様も同じような気持ちなのかと思えば好きなようにさせてやりたいし、嬉しくもある。
まあ何より耐えるのに必死で、それどころでもないんだけど。
甘く啼きながら俺の上で腰を振る秋尋様。ずっと見ていたい。イキたくない。さすがにもう少しはもたせないと。そう思うほどに背中がゾワゾワする。
ダメだ。まだ、待っ……、あ……。
「はぁ、あ、あっ……。あっ? えっ? イッ……イッたのか?」
「は、はい。だって、秋尋様がお可愛らしすぎて」
「馬鹿、おま……。本当にちゃんと気持ちよかったのか……。いいなら、喘いだり……もう少しなんとか言え」
「むしろ秋尋様が俺のを飲み込んでくれた時点でもうヤバくて耐えるのに必死だったんです」
拗ねたように言うと、秋尋様の顔がパアッと明るくなる。
「そうか。ははっ。いつもお前には泣かされてばかりだからな。いい気分だ」
その得意気な顔が愛しくてたまらない。もういくらでも好きにしてくれていいです。めちゃくちゃにされたい。
……でも、それ以上に。したい。
「秋尋様。俺も、秋尋様を気持ちよくしたいです」
「なんだ。結局僕にされるのは不満か?」
「まさか! ただ、今日は……。秋尋様が俺のモノだって、実感したくて……」
「いつも自分のモノだと言わんばかりの抱き方をするくせに」
「そ、それは。抱いてる時は、そんな気分になれましたから……」
秋尋様が俺の唇を指先でなぞる。
イッたけれど硬度をたもっている俺のソレを引き抜いて、大きな溜息をついた。
「まあ動くのも疲れてきたからな。あとは任せてやる。好きなだけ実感してくれ」
そのまま身を預けるように覆いかぶさってきたので、ころんとひっくり返して押し倒した。
「秋尋様……。秋尋様、秋尋様」
名前を何度も呼びながら、その度にキスをする。
秋尋様はくすぐったそうに身を竦めながら、ふふっと笑った。
「呼びすぎ」
あ。ダメだ。心臓のあたりがきゅーっとする。
触ったらとけてしまいそう。甘ったるい砂糖菓子みたいに。
でも舐めてもキスしても秋尋様は消えずにそこにいて、俺のすることを全部受けとめてくれた。
でも足を開かせて、指をナカに入れて傷がないか確認しようとしたら拒まれた。
「いつもしているのに……」
「だからって恥ずかしくないわけじゃない。覗きこもうとするのはやめろ」
「ですが……」
「傷ならついていない。それよりも、早く挿れろ。お前のソレも限界だと言っている」
爪先でぐりぐりされて、あまりの興奮に未だかつてないくらいそそりたった。
だって、あの秋尋様の綺麗なおみ足で。素足で。……正直に言うと、してほしかったこと堂々のナンバーワンだ。
「うわ……」
さすがの秋尋様も少し引いた顔をして、足も引こうとしたから思わずガッと掴んでしまった。
「も、もっとしてください」
「変態か」
「否定はしません」
短い攻防の末、秋尋様の力が抜けた。そして自発的に足を動かし、指で俺のを擦り始めた。
秋尋様の……足コキ……ッ! 本当に夢にまで見た。ああ……。すごい。
「こういうお前も愛そうって決めたからな。……してやる。上手くはできないかもしれないが……」
天使かな? いや、こんなえっちい天使いないか。
こんなことまでしてくれちゃうんだ。行為も嬉しいけど、愛を感じられてジーンとする。
「う……っ、う……っ。気持ちいいです」
「さ、されながら泣くな……」
「こんな俺でも愛してください」
「……はぁ。よしよし」
正直、もっと汚物を見るような目でしてくれても全然構わない。でもやや嫌そうに、それでも好きな相手のリクエストには応えてあげようという気持ちが嬉しいから興奮できる。
「あっ……。い、イッちゃいます、秋尋様……」
「どうされたいんだ?」
少し面倒くさそうに要望を聞いてくる。あの。あのですね、もう、その扱いが雑になってきているのが、また最高なんです。
「足にかけてもいいですか?」
「ん……。わかった。ほら、出せ」
白く美しい足が、俺の出した精液で汚れる。溢れて腿までつたっていくのが、この世のものとは思えないくらいいやらしい。俺の精子、元気になりすぎて奥まで入って妊娠でもさせそうだなとか、そんな馬鹿なことを考えてしまう。
秋尋様はフトモモを這う精液を指で拭い、ねとりと糸を引かせた。
「たくさん出たな」
はぁぁ。本当にえっちい。無理。
思わず顔を覆いそうになったけど、秋尋様を少しも見逃せないと思ったので見つめ続けた。
「2回も出したが、まだ……するか?」
「はい。もっと……もっと、たくさんしたいです」
きっと今の俺、ハァハァと息を切らしていてみっともない。
でも秋尋様はそういう俺のほうが好きだと思うし、気にしないことにする。本音を言えば、カッコイイところだけ見せていたいんだけど。
二度目の挿入は俺から。ぬかるんだナカに少しずつ飲み込まれていって、少しの摩擦でも腰が引けそうに気持ちがいい。
「んんっ……。ハァ。朝香も、ずいぶんと良さそうだな」
入る一瞬だけ眉根を寄せ、秋尋様は笑って俺の頬を撫でた。
俺はイッたばかりだからそれも当然。僅かに残った理性でなんとかコンドームをつけられたことが奇跡的。
そんな状態で挿入しながら頬を撫でられたら、足先から頭のてっぺんまでゾワゾワする。秋尋様の手つきはやらしいよりも、優しい感じなのに。
「秋尋様も、気持ちいいですか?」
「そういう身体に変えられたからな。お前に」
いや。これ、反則でしょ。動かず耐えていたのに、頑張らずにはいられない。
突き上げる度に優しくナカが締まり、秋尋様も俺の上に乗っていた時よりも、ずっと気持ち良さそうに見えて。
俺が秋尋様のコトをヨくしてるんだって事実がたまらない。
挿入される側でも、する側でも、やっぱり奉仕するほうが性にあっている。頭の中が可愛いでいっぱいになって、気持ちいいで溢れていく。
さっきは弄らなかった乳首も指で摘んで、キスして舌を甘く吸い上げると、中が搾り取るみたいにぎゅうっと締まった。
「あさ、っ……、あっ……。ちょっと、止まれ。今いっ……イッてるから」
「え……?」
動かしたくなる腰を必死に押し止めて、ダメなの? まだダメなの? って、ねだるように首筋を舐めた。
「す、少し……止まってくれたら、そのまま……続けていいから、おとなしく……」
おとなしく。できなかった。
「あっ、や……っ、あっあっ、ダメッ……、ほ、ほんと待ってくれ。トッ……、トイレ。トイレに行きたい!」
その言葉に一度止まって、秋尋様が大きく息を吐き出すと同時にゆうるりと腰を動かした。
「ひっ……。おい、こら……ッ」
「ここで。して、いいですよ」
「馬鹿、勝手なことを言うな。ここは僕のベッドだぞ」
「大丈夫です。処理は全部、俺がしますから」
「嘘だろ。いや、本当にで……っ、出るから」
「はい」
見たい。秋尋様が漏らすのを。あと……。
「飲みたい……」
「な、何っ? や、やだ。やだって、あ……ッ、いや……」
子どものように、やだやだって言う秋尋様、可愛いな。
やってることはとてもえっちなのに。でもだからこそ、こんなにも見たいと思うのか。
「ふ……ッ。あ……っ、ああッ……あっ、出……」
初めはちょろっと出て、秋尋様の腹をしとどに濡らしていく。頑張って押さえているけど、ほとんど意味をなさない。
この光景だけで何回でもイケるし、漏らしながら断続的に締めつけてくるので実際にイッた。
「お……、お前なぁ……。僕にだって、げ……、限度が、ある……ッ」
泣かせてしまった。
「も、申し訳ありません! 全部舐めとりますから!」
「馬鹿ッ!」
涙を流す秋尋様に、平手でバンバンと肩を叩かれた。
かなり力が込められていて、さすがにヒリヒリする。秋尋様が手を痛められていないか心配だ。
「見ろ! どうするんだ、このベッドは!」
「今日は一緒にソファで寝ましょう。身体が痛くならないよう、俺を敷いて構いません」
「そういうことじゃない。なんで、こんな……」
「あの。実は……。その。ず、ずっと、飲みたいと……思っていて……」
はあ……。これが、秋尋様の……。
唇を近づけて濡れた肌を舐めて啜り、舌に乗せて味わう。
秋尋様はビクリと身体を跳ねさせ、俺の頭を押し退けた。
「だ、だから、限度があるって言ってるだろ!」
「でも、これで秋尋様の全部、俺のものです」
秋尋様の手をとって手のひらから手首までべろりと舐め下ろす。
「その言い方は、狡いぞ……」
これで済ませてくれちゃうんだ。
俺、本当に愛されてるんだな。嬉しい……。
「とりあえず、シャワーだけ浴びさせてくれ。お前もだ」
「はい。シーツをゴミ袋に詰めてから向かいます」
「……本当に、ちゃんと捨てろよ?」
「…………もちろん」
「なんだ今の間は。保存なんてしてみろ。嫌いになってやる」
「嫌いになるんですか? 俺のこと……」
秋尋様はうっ……と声を詰らせて、小さく、ならないが……って呟いた。
うん。お風呂場でも、イロイロしよ。
耐えきれず、玄関先でキスをした。中へ入る前に。
人の気配はなかったけれど、秋尋様はとても驚いたらしく身体を跳ねさせて俺の首根っこを掴んだ。膝でお腹も蹴られた。
力が足りないためか、それとも興奮しすぎているからか痛みはまったくなかった。
「強引なの、嫌いじゃないんですよね?」
「限度があるし、そういうことじゃ……。この、こんな……、外で。馬鹿っ!」
可愛い。早く、もっとたくさん触れたい。
生体認証の扉を手早く開けて雪崩こむ。秋尋様の身体だけは傷つけないようにしながら、そこでもいっぱいキスをした。
「ん……っ、う……。はぁ……」
押し返そうとしてくる舌を絡めとって舐める。
上手く息継ぎができなくてしまいには歯が当たってしまった。
「昨晩だって散々していたのに、余裕がなさすぎるだろう」
「貴方とする時に余裕があったことなんてありません」
「嘘をつけ」
「本当ですもん」
ぷうっとむくれてみせると、あざといと言って軽く頭を叩かれた。
そういえば昨晩は、何を思って俺を抱いたり抱かれたりしたんだろう。俺はもう本当に最後かと、そんな気持ちだったのだけれど秋尋様はそうならないことを知っていたわけで……。なのに、わざわざ俺の部屋に来たとか、もうプレイでしかなくない……?
「昨夜は楽しかったですか?」
「え? あ、ああ……。結局、お前を騙したようになってしまったが……。新鮮で悪くはなかったぞ」
それは何より。
思うところはあるけれど、秋尋様がプレイを楽しんだという事実がなんとも言えずえっちすぎて割とどうでもよくなるよね。今はもうこの人、俺のものだしね。
「きっと今日はもっと、気持ちいいですよ。たくさん、たくさん、この中を掻き回してあげます」
服の上から腹のあたりを指で辿る。
ここまでは届かない。見栄を張っている。いいんだ、こういうのは雰囲気だから。
秋尋様はぶるりと身を震わせて、俺の背中に腕を回した。
「いいぞ。もう、ぜんぶ、お前のだから」
「あき、ひろさま……」
まさか、こんなふうに返されるとは。
ちょっぴり昨日の報復も込めて、恥ずかしがる顔が見たくてわざと挑発的に言ったのに、してやられたのは俺のほう。秋尋様渾身のデレに理性が焼ききれる。
「ありがとうございます! 大好きです! 一生大切にします」
愛おしさが止まらなくて、いっぱいスリスリした。
もっと隙間なくくっつきたい。はやく全部、俺の全部もあげてしまいたい。
「今日は僕も、お前をたくさん、幸せにしてやる」
そんなの俺は貴方に出会った日から、今までずっと。
両頬を手のひらで挟まれて、早速の有言実行。
秋尋様がくれたキスは俺の涙で随分と塩辛かった。
俺のベッドはぐちゃぐちゃになったままだったので、本日は秋尋様のベッドで。
早く繋がりたい気持ちはあったけど、長く楽しみたくてゆっくりとペッティングから。まだ軽い触れ合いしかしていないのにいつもより深く感じられて、幸福感が心の底からじわじわと湧き上がってくる。
なんだか……。いいのかな。俺ばかりこんな幸せになっていいのかな。
ここも、ここも。もう、ずっと俺のものだって思うと、触れた指先でさえ気持ちよくて、キスで舌を触れ合わせればもう、とろけるみたいで。
「頭の中、ふわふわしてます」
「そうか。僕もだ」
秋尋様も同じだとわかって、天にも昇るような気持ちになる。
初めて貴方に触れた時も、恋人同士になった時も死ぬほど嬉しかったけど、今日はもうここが人生の終着点かってくらい。
きっと、今から始まるのにね。なのにもうこんなに息切れ状態で俺の心臓もつのかな?
「朝香。今日は僕がしてやる」
「えっ……」
もちろん、秋尋様に抱かれるのは嫌じゃない。むしろ幸せだ。俺を欲しがってくれてるってわかるから。いつもなら絶対に拒んだりしない。でも今日は、物凄く抱きたい。秋尋様の中に入りたい。
「抱きたくてたまらない。という顔をしているな」
「す、すみません」
「謝るな。お前のそういう顔は悪くない」
俺も秋尋様のそういう、いじめっ子みたいな表情、悪くな……いや、大好きです。
「僕に挿れたいか?」
「はい、とても。貴方の中に入りたい。ちんちん、ぎゅうってしてほしい」
してくれた。手で。気持ちいいけど違う。
「いいぞ。僕も今日は、僕の中で果てるお前の顔が見たいから」
えっちが過ぎる。ご主人様が男前。
単に挿れさせてくださいって俺に言わせたかっただけかぁ。
……と思ったら、違った。ベッドに寝かせられて、秋尋様はそそり立った俺のモノを自分から咥えこんでくれた。もう慣れたから怪我もしないだろうって。
「ん……。ど、どうだ?」
「ぜっ……絶景です」
「あまり見るな」
それは無理。凄い。鼻血が出そう。あったかい肉に包まれた感覚と、たまにヒクヒクと締め付けてくる快感。何より下から俺のを気持ちよさそうに飲み込む秋尋様のアングルが、凄い。
でも俺は挿れるんでも挿れられるんでも、秋尋様を気持ちよくしたいという想いが強い。だから思わず、下から突き上げてしまった。
「あっ、馬鹿っ。じっとしてろ。深いんだ」
「お腹が破けそうですか?」
「それはない。凄くじっくり、見ながら挿れたからな。だいたいどれくらいはわかる。わかるが、もっといっぱい入ってる感じはする……」
そう言いながら、もじもじと腰を揺らめかせる。
俺のを挿れながら、いっぱい入ってるとか言われたら、それは。
「んんっ……。はぁ、大きくもするな」
「そんな無茶な」
「ぼ、僕が動くから……。っ……あ、はぁ……ッ」
ゆっくり、本当にゆっくり上下し始める。少しだけ抜いて、沈めて。俺のをいいところにあててる。秋尋様が、俺ので気持ちよくなってるし、よくしようとしてくれてる。
「秋尋様。とっても、気持ちいです」
「……だったら、なんで泣いてる」
「幸せすぎて。怖いくらい、幸せで」
「夢じゃないぞ」
秋尋様は俺のが入ったまま、身を屈めてキスをしてくれた。
「ッ……ん。もっと、お前を喘がせたいのに」
「そうは見えないかもしれませんが、気を失いそうなほどです」
「そ、そんなにか?」
だってもう、こんなの。秋尋様はえっちだし、中は俺のちんちん気持ちよさそうに締めてくるし、俺、生きたまま天国にきてそう。
「泣いているのは、そのせいもあるのか」
むしろ秋尋様のほうに余裕がありそう。主導権を握っている側だから、当然と言えば当然なんだろうけど、俺としてはもっとアンアン言ってほしい。でも秋尋様も同じような気持ちなのかと思えば好きなようにさせてやりたいし、嬉しくもある。
まあ何より耐えるのに必死で、それどころでもないんだけど。
甘く啼きながら俺の上で腰を振る秋尋様。ずっと見ていたい。イキたくない。さすがにもう少しはもたせないと。そう思うほどに背中がゾワゾワする。
ダメだ。まだ、待っ……、あ……。
「はぁ、あ、あっ……。あっ? えっ? イッ……イッたのか?」
「は、はい。だって、秋尋様がお可愛らしすぎて」
「馬鹿、おま……。本当にちゃんと気持ちよかったのか……。いいなら、喘いだり……もう少しなんとか言え」
「むしろ秋尋様が俺のを飲み込んでくれた時点でもうヤバくて耐えるのに必死だったんです」
拗ねたように言うと、秋尋様の顔がパアッと明るくなる。
「そうか。ははっ。いつもお前には泣かされてばかりだからな。いい気分だ」
その得意気な顔が愛しくてたまらない。もういくらでも好きにしてくれていいです。めちゃくちゃにされたい。
……でも、それ以上に。したい。
「秋尋様。俺も、秋尋様を気持ちよくしたいです」
「なんだ。結局僕にされるのは不満か?」
「まさか! ただ、今日は……。秋尋様が俺のモノだって、実感したくて……」
「いつも自分のモノだと言わんばかりの抱き方をするくせに」
「そ、それは。抱いてる時は、そんな気分になれましたから……」
秋尋様が俺の唇を指先でなぞる。
イッたけれど硬度をたもっている俺のソレを引き抜いて、大きな溜息をついた。
「まあ動くのも疲れてきたからな。あとは任せてやる。好きなだけ実感してくれ」
そのまま身を預けるように覆いかぶさってきたので、ころんとひっくり返して押し倒した。
「秋尋様……。秋尋様、秋尋様」
名前を何度も呼びながら、その度にキスをする。
秋尋様はくすぐったそうに身を竦めながら、ふふっと笑った。
「呼びすぎ」
あ。ダメだ。心臓のあたりがきゅーっとする。
触ったらとけてしまいそう。甘ったるい砂糖菓子みたいに。
でも舐めてもキスしても秋尋様は消えずにそこにいて、俺のすることを全部受けとめてくれた。
でも足を開かせて、指をナカに入れて傷がないか確認しようとしたら拒まれた。
「いつもしているのに……」
「だからって恥ずかしくないわけじゃない。覗きこもうとするのはやめろ」
「ですが……」
「傷ならついていない。それよりも、早く挿れろ。お前のソレも限界だと言っている」
爪先でぐりぐりされて、あまりの興奮に未だかつてないくらいそそりたった。
だって、あの秋尋様の綺麗なおみ足で。素足で。……正直に言うと、してほしかったこと堂々のナンバーワンだ。
「うわ……」
さすがの秋尋様も少し引いた顔をして、足も引こうとしたから思わずガッと掴んでしまった。
「も、もっとしてください」
「変態か」
「否定はしません」
短い攻防の末、秋尋様の力が抜けた。そして自発的に足を動かし、指で俺のを擦り始めた。
秋尋様の……足コキ……ッ! 本当に夢にまで見た。ああ……。すごい。
「こういうお前も愛そうって決めたからな。……してやる。上手くはできないかもしれないが……」
天使かな? いや、こんなえっちい天使いないか。
こんなことまでしてくれちゃうんだ。行為も嬉しいけど、愛を感じられてジーンとする。
「う……っ、う……っ。気持ちいいです」
「さ、されながら泣くな……」
「こんな俺でも愛してください」
「……はぁ。よしよし」
正直、もっと汚物を見るような目でしてくれても全然構わない。でもやや嫌そうに、それでも好きな相手のリクエストには応えてあげようという気持ちが嬉しいから興奮できる。
「あっ……。い、イッちゃいます、秋尋様……」
「どうされたいんだ?」
少し面倒くさそうに要望を聞いてくる。あの。あのですね、もう、その扱いが雑になってきているのが、また最高なんです。
「足にかけてもいいですか?」
「ん……。わかった。ほら、出せ」
白く美しい足が、俺の出した精液で汚れる。溢れて腿までつたっていくのが、この世のものとは思えないくらいいやらしい。俺の精子、元気になりすぎて奥まで入って妊娠でもさせそうだなとか、そんな馬鹿なことを考えてしまう。
秋尋様はフトモモを這う精液を指で拭い、ねとりと糸を引かせた。
「たくさん出たな」
はぁぁ。本当にえっちい。無理。
思わず顔を覆いそうになったけど、秋尋様を少しも見逃せないと思ったので見つめ続けた。
「2回も出したが、まだ……するか?」
「はい。もっと……もっと、たくさんしたいです」
きっと今の俺、ハァハァと息を切らしていてみっともない。
でも秋尋様はそういう俺のほうが好きだと思うし、気にしないことにする。本音を言えば、カッコイイところだけ見せていたいんだけど。
二度目の挿入は俺から。ぬかるんだナカに少しずつ飲み込まれていって、少しの摩擦でも腰が引けそうに気持ちがいい。
「んんっ……。ハァ。朝香も、ずいぶんと良さそうだな」
入る一瞬だけ眉根を寄せ、秋尋様は笑って俺の頬を撫でた。
俺はイッたばかりだからそれも当然。僅かに残った理性でなんとかコンドームをつけられたことが奇跡的。
そんな状態で挿入しながら頬を撫でられたら、足先から頭のてっぺんまでゾワゾワする。秋尋様の手つきはやらしいよりも、優しい感じなのに。
「秋尋様も、気持ちいいですか?」
「そういう身体に変えられたからな。お前に」
いや。これ、反則でしょ。動かず耐えていたのに、頑張らずにはいられない。
突き上げる度に優しくナカが締まり、秋尋様も俺の上に乗っていた時よりも、ずっと気持ち良さそうに見えて。
俺が秋尋様のコトをヨくしてるんだって事実がたまらない。
挿入される側でも、する側でも、やっぱり奉仕するほうが性にあっている。頭の中が可愛いでいっぱいになって、気持ちいいで溢れていく。
さっきは弄らなかった乳首も指で摘んで、キスして舌を甘く吸い上げると、中が搾り取るみたいにぎゅうっと締まった。
「あさ、っ……、あっ……。ちょっと、止まれ。今いっ……イッてるから」
「え……?」
動かしたくなる腰を必死に押し止めて、ダメなの? まだダメなの? って、ねだるように首筋を舐めた。
「す、少し……止まってくれたら、そのまま……続けていいから、おとなしく……」
おとなしく。できなかった。
「あっ、や……っ、あっあっ、ダメッ……、ほ、ほんと待ってくれ。トッ……、トイレ。トイレに行きたい!」
その言葉に一度止まって、秋尋様が大きく息を吐き出すと同時にゆうるりと腰を動かした。
「ひっ……。おい、こら……ッ」
「ここで。して、いいですよ」
「馬鹿、勝手なことを言うな。ここは僕のベッドだぞ」
「大丈夫です。処理は全部、俺がしますから」
「嘘だろ。いや、本当にで……っ、出るから」
「はい」
見たい。秋尋様が漏らすのを。あと……。
「飲みたい……」
「な、何っ? や、やだ。やだって、あ……ッ、いや……」
子どものように、やだやだって言う秋尋様、可愛いな。
やってることはとてもえっちなのに。でもだからこそ、こんなにも見たいと思うのか。
「ふ……ッ。あ……っ、ああッ……あっ、出……」
初めはちょろっと出て、秋尋様の腹をしとどに濡らしていく。頑張って押さえているけど、ほとんど意味をなさない。
この光景だけで何回でもイケるし、漏らしながら断続的に締めつけてくるので実際にイッた。
「お……、お前なぁ……。僕にだって、げ……、限度が、ある……ッ」
泣かせてしまった。
「も、申し訳ありません! 全部舐めとりますから!」
「馬鹿ッ!」
涙を流す秋尋様に、平手でバンバンと肩を叩かれた。
かなり力が込められていて、さすがにヒリヒリする。秋尋様が手を痛められていないか心配だ。
「見ろ! どうするんだ、このベッドは!」
「今日は一緒にソファで寝ましょう。身体が痛くならないよう、俺を敷いて構いません」
「そういうことじゃない。なんで、こんな……」
「あの。実は……。その。ず、ずっと、飲みたいと……思っていて……」
はあ……。これが、秋尋様の……。
唇を近づけて濡れた肌を舐めて啜り、舌に乗せて味わう。
秋尋様はビクリと身体を跳ねさせ、俺の頭を押し退けた。
「だ、だから、限度があるって言ってるだろ!」
「でも、これで秋尋様の全部、俺のものです」
秋尋様の手をとって手のひらから手首までべろりと舐め下ろす。
「その言い方は、狡いぞ……」
これで済ませてくれちゃうんだ。
俺、本当に愛されてるんだな。嬉しい……。
「とりあえず、シャワーだけ浴びさせてくれ。お前もだ」
「はい。シーツをゴミ袋に詰めてから向かいます」
「……本当に、ちゃんと捨てろよ?」
「…………もちろん」
「なんだ今の間は。保存なんてしてみろ。嫌いになってやる」
「嫌いになるんですか? 俺のこと……」
秋尋様はうっ……と声を詰らせて、小さく、ならないが……って呟いた。
うん。お風呂場でも、イロイロしよ。
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