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「他のカメコじゃ満足できないからだになるのですか?」
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ドクンドクンと、心臓が高鳴っている。
彼の姿を見ただけで、こんなに動揺するなんて。
今日のヨシキさんは真紅のアーガイルのカットソーに、スタッズのついた黒のパンツ。
質のいいものらしく、平凡なコーディネイトなのに品がよく感じられて、雰囲気に似合っている。
「今日は来てくれたんだね」
「は、はい」
「しかも桃李ちゃんといっしょじゃん。よっ、桃李ちゃん。元気だった?」
「ヨシキさ~ん! 桃李はいつも元気っ娘ですよ~ (。・ω・。)ィェィ♪」
そうはしゃいで、ふたりはハイタッチを交わす。
仲、いいんだ。
桃李さんとヨシキさんって。
挨拶のあと、ヨシキさんは先週と同じように、わたしたちの写真を撮ってくれた。
ツーショットの他、ひとりずつでも撮影してくれる。
ノマドさんが、桃李さんの存在を無視していたのに較べ、ヨシキさんはふたりを平等に撮ってくれる。
そういう心遣いが、なんだか嬉しい。
やっぱりヨシキさんの撮影って、気持ちがいい。
ひととおり、いろいろな人から撮影されたので、よけいに実感できる。
シャッターのテンポもいいし、ポーズ指示も的確でわかりやすい。
『お~っ、可愛いね~!』『その表情いいよいいよ!』と、ときたま入る褒め言葉が、こちらの気分も盛り上げてくれる。
途中で見せてくれる画像も、とっても綺麗で自然で、心が浮き立つ。
「ふたりともすっごいよかったよ。『りあ恋plus』の世界観が表現できてて」
モニターの画像を切り替えながら、ヨシキさんが言った。
「わぁい! ヨシキさんに褒められてしまいました ヾ(*´∀`*)ノィェィ♪」
「ありがとうございます。でも」
「でも?」
無邪気に喜ぶ桃李さんを横目で見ながら、わたしは思い切ってヨシキさんに聞いてみた。
「桃李さんはコスプレ歴も長くて、ポーズも上手いですけど、わたしはまだまだだと感じていて」
「そっ、そんなことないですよぉ (o・ω・)ノ))ブンブン
美月姫はもうゲームから抜け出してきたかのような江之宮憐花っぷり。桃李が逆立ちしても届きません(≧Д≦)ゞ」
「あはは。そりゃ、コスプレ歴6年で801の仮面を持つ桃李ちゃんに、イベント参加2回目ビギナーの美月ちゃんが、ポージングで敵うわけないじゃん」
わたしの問いかけを、ヨシキさんはこともなげに笑い飛ばす。ひとしきり笑ったあと、ヨシキさんは真顔で言った。
「だけど、美月ちゃんを最初に見たときから、おれはピンときたんだ」
「え?」
「立ち姿がすっごく綺麗だったんだ。背筋がピンと伸びて、肩も張っていて脚がしっかり外向きだったし。まるでファッションモデルかお姫様みたいだったよ」
「ですです! さすがヨシキさん、目のつけどころがシャープです!! わたしも美月姫を一目見たときから、プリンセスだぁって思ったんですけど、そんな解剖学的な秘密が隠されてたんですね!!!」
「あ、ありがとうございます」
ふたりの言葉に、思わず頬が火照ってしまう。
容姿ではなく、姿勢を褒められるのは、嬉しい。
武道や日舞などで、姿勢については日頃から気をつけているだけに、そういう自分をきちんと見てもらえている気がする。
だけど、『桃李さんに敵うわけがない』と、ヨシキさんがはっきり言ってくれたのが、なにより嬉しかった。
変なお世辞やおべっかを言わない分、ヨシキさんのことを信頼できると思えたからだ。
つづく
彼の姿を見ただけで、こんなに動揺するなんて。
今日のヨシキさんは真紅のアーガイルのカットソーに、スタッズのついた黒のパンツ。
質のいいものらしく、平凡なコーディネイトなのに品がよく感じられて、雰囲気に似合っている。
「今日は来てくれたんだね」
「は、はい」
「しかも桃李ちゃんといっしょじゃん。よっ、桃李ちゃん。元気だった?」
「ヨシキさ~ん! 桃李はいつも元気っ娘ですよ~ (。・ω・。)ィェィ♪」
そうはしゃいで、ふたりはハイタッチを交わす。
仲、いいんだ。
桃李さんとヨシキさんって。
挨拶のあと、ヨシキさんは先週と同じように、わたしたちの写真を撮ってくれた。
ツーショットの他、ひとりずつでも撮影してくれる。
ノマドさんが、桃李さんの存在を無視していたのに較べ、ヨシキさんはふたりを平等に撮ってくれる。
そういう心遣いが、なんだか嬉しい。
やっぱりヨシキさんの撮影って、気持ちがいい。
ひととおり、いろいろな人から撮影されたので、よけいに実感できる。
シャッターのテンポもいいし、ポーズ指示も的確でわかりやすい。
『お~っ、可愛いね~!』『その表情いいよいいよ!』と、ときたま入る褒め言葉が、こちらの気分も盛り上げてくれる。
途中で見せてくれる画像も、とっても綺麗で自然で、心が浮き立つ。
「ふたりともすっごいよかったよ。『りあ恋plus』の世界観が表現できてて」
モニターの画像を切り替えながら、ヨシキさんが言った。
「わぁい! ヨシキさんに褒められてしまいました ヾ(*´∀`*)ノィェィ♪」
「ありがとうございます。でも」
「でも?」
無邪気に喜ぶ桃李さんを横目で見ながら、わたしは思い切ってヨシキさんに聞いてみた。
「桃李さんはコスプレ歴も長くて、ポーズも上手いですけど、わたしはまだまだだと感じていて」
「そっ、そんなことないですよぉ (o・ω・)ノ))ブンブン
美月姫はもうゲームから抜け出してきたかのような江之宮憐花っぷり。桃李が逆立ちしても届きません(≧Д≦)ゞ」
「あはは。そりゃ、コスプレ歴6年で801の仮面を持つ桃李ちゃんに、イベント参加2回目ビギナーの美月ちゃんが、ポージングで敵うわけないじゃん」
わたしの問いかけを、ヨシキさんはこともなげに笑い飛ばす。ひとしきり笑ったあと、ヨシキさんは真顔で言った。
「だけど、美月ちゃんを最初に見たときから、おれはピンときたんだ」
「え?」
「立ち姿がすっごく綺麗だったんだ。背筋がピンと伸びて、肩も張っていて脚がしっかり外向きだったし。まるでファッションモデルかお姫様みたいだったよ」
「ですです! さすがヨシキさん、目のつけどころがシャープです!! わたしも美月姫を一目見たときから、プリンセスだぁって思ったんですけど、そんな解剖学的な秘密が隠されてたんですね!!!」
「あ、ありがとうございます」
ふたりの言葉に、思わず頬が火照ってしまう。
容姿ではなく、姿勢を褒められるのは、嬉しい。
武道や日舞などで、姿勢については日頃から気をつけているだけに、そういう自分をきちんと見てもらえている気がする。
だけど、『桃李さんに敵うわけがない』と、ヨシキさんがはっきり言ってくれたのが、なにより嬉しかった。
変なお世辞やおべっかを言わない分、ヨシキさんのことを信頼できると思えたからだ。
つづく
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