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「おとなの勝手な論理で穢してほしくないです!」
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「これ以上あなたと会わないように、直接電話をします」
「直接電話するって… どうしてお母さまがヨシキさんの番号知ってるんですか?」
「そんなことはどうでもいいです。壬生さんにはもう、あなたと会わないよう、お願いしますから」
「見たんですね?! わたしの携帯を。勝手にお母さまが!」
「家に置いたまま外泊するあなたが悪いのよ」
「そんな、、、 無茶苦茶だわっ!」
「無茶苦茶なのはあなたの方です」
「どうしてですかっ?!」
「わたしは警告したはずです。
夏休みの終わりにわたしたちを欺いて、山口のリゾートホテルにまで出かけたときに。
それを無視して、先月のあなたの誕生日にも、あなたたちは泊まりで旅行に行ったでしょ。わたしに無断で」
「…」
「なんとか言いなさい!」
「…は、ぃ」
、、、まずい。
すっかりバレてる。
か細く言葉を返し、わたしはチラリと父の方を見た。
父にはこんなこと、知られたくなかった。
娘が彼氏と、無断で泊まり旅行に行ってるなんて。
腕組みをして身じろぎもせず、口をへの字型に歪めながら、父は固く目をつぶっている。
恐ろしいほどの怒りと悲しみと切なさが、その表情から見て取れる。
「どこへ行ったのですか?」
「…箱根」
「いつからのおつきあいですか?」
「…夏からです」
「相手はあなたがまだ高校生だと、知っているんですよね?」
「…はい」
「非常識だわ。
未成年の高校生とホテルに泊まるなんて、これはもう立派な犯罪です!
そんないかがわしい交際は許しません!」
「わたしたち、、 いかがわしいことなんて、してませんっ!」
顔から火が出るほど、恥ずかしさと口惜しさでいっぱいになりながら、わたしは声を荒げた。
わたしたちのつきあいは、『いかがわしい犯罪』なんかじゃない!
わたしはヨシキさんを愛してて、その気持ちに負けないくらい、彼もわたしを想ってくれてる。
遊びなんかじゃなく、とっても純粋なものだ。
それを、おとなの勝手な論理で、穢してほしくない!
わたしの精一杯の抵抗に、母はしばらくは黙っていたが、すっくと席を立つととなりの居間から色とりどりの服を持ってきて、わたしの前に無造作に投げ出した。
「じゃあ、これはいったいなんですか?!」
「…」
それらはみな、コスプレの衣装だった。
わたしの部屋を漁って、勝手に持ち出してきたのか!
そこまでするか、母!
完全にプライバシー侵害だ!!
「信じられない! 無断でわたしの部屋に入らないで!!」
「子供が不審な行動をしたとき、親が検査に入るのは当然の権利です!」
「だからって、勝手にわたしの服を持ち出して…」
「これはコスプレね。夏からこっち、毎週のように出かけては遅くなって帰るのは、こんないかがわしい服を着て、コスプレイベントに参加しているからでしょ!」
「いかがわしいなんて、、、 そんなことないです!」
「いいえ! なんですか、この挑発的で扇情的なケバケバしい衣装は!
学校の成績は下がる一方。いったいあなたはなにをしているのですか?!
学生の本分は勉強です。
それをおろそかにして、こんなコスプレや恋愛にうつつを抜かしていれば、『いかがわしい』と言われて当然です!
コスプレなんかはじめる前は、キチンと礼儀正しい子だったのに、最近は服装も化粧も派手になって、言葉遣いも乱れて、『イ抜き』や『ラ抜き』の言葉をしゃべるし。
こんな状態では教師になるどころか、来月のセンター試験でさえ危ういわ」
「わたし、、、教師になんか、なりませんっ!」
つづく
「直接電話するって… どうしてお母さまがヨシキさんの番号知ってるんですか?」
「そんなことはどうでもいいです。壬生さんにはもう、あなたと会わないよう、お願いしますから」
「見たんですね?! わたしの携帯を。勝手にお母さまが!」
「家に置いたまま外泊するあなたが悪いのよ」
「そんな、、、 無茶苦茶だわっ!」
「無茶苦茶なのはあなたの方です」
「どうしてですかっ?!」
「わたしは警告したはずです。
夏休みの終わりにわたしたちを欺いて、山口のリゾートホテルにまで出かけたときに。
それを無視して、先月のあなたの誕生日にも、あなたたちは泊まりで旅行に行ったでしょ。わたしに無断で」
「…」
「なんとか言いなさい!」
「…は、ぃ」
、、、まずい。
すっかりバレてる。
か細く言葉を返し、わたしはチラリと父の方を見た。
父にはこんなこと、知られたくなかった。
娘が彼氏と、無断で泊まり旅行に行ってるなんて。
腕組みをして身じろぎもせず、口をへの字型に歪めながら、父は固く目をつぶっている。
恐ろしいほどの怒りと悲しみと切なさが、その表情から見て取れる。
「どこへ行ったのですか?」
「…箱根」
「いつからのおつきあいですか?」
「…夏からです」
「相手はあなたがまだ高校生だと、知っているんですよね?」
「…はい」
「非常識だわ。
未成年の高校生とホテルに泊まるなんて、これはもう立派な犯罪です!
そんないかがわしい交際は許しません!」
「わたしたち、、 いかがわしいことなんて、してませんっ!」
顔から火が出るほど、恥ずかしさと口惜しさでいっぱいになりながら、わたしは声を荒げた。
わたしたちのつきあいは、『いかがわしい犯罪』なんかじゃない!
わたしはヨシキさんを愛してて、その気持ちに負けないくらい、彼もわたしを想ってくれてる。
遊びなんかじゃなく、とっても純粋なものだ。
それを、おとなの勝手な論理で、穢してほしくない!
わたしの精一杯の抵抗に、母はしばらくは黙っていたが、すっくと席を立つととなりの居間から色とりどりの服を持ってきて、わたしの前に無造作に投げ出した。
「じゃあ、これはいったいなんですか?!」
「…」
それらはみな、コスプレの衣装だった。
わたしの部屋を漁って、勝手に持ち出してきたのか!
そこまでするか、母!
完全にプライバシー侵害だ!!
「信じられない! 無断でわたしの部屋に入らないで!!」
「子供が不審な行動をしたとき、親が検査に入るのは当然の権利です!」
「だからって、勝手にわたしの服を持ち出して…」
「これはコスプレね。夏からこっち、毎週のように出かけては遅くなって帰るのは、こんないかがわしい服を着て、コスプレイベントに参加しているからでしょ!」
「いかがわしいなんて、、、 そんなことないです!」
「いいえ! なんですか、この挑発的で扇情的なケバケバしい衣装は!
学校の成績は下がる一方。いったいあなたはなにをしているのですか?!
学生の本分は勉強です。
それをおろそかにして、こんなコスプレや恋愛にうつつを抜かしていれば、『いかがわしい』と言われて当然です!
コスプレなんかはじめる前は、キチンと礼儀正しい子だったのに、最近は服装も化粧も派手になって、言葉遣いも乱れて、『イ抜き』や『ラ抜き』の言葉をしゃべるし。
こんな状態では教師になるどころか、来月のセンター試験でさえ危ういわ」
「わたし、、、教師になんか、なりませんっ!」
つづく
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