誤解で始まった婚約破棄が、本当の恋に変わるまで

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舞踏会の前夜。
準備は万端だった。
ドレス、台本、段取り。すべて確認済み。
だが、私の心は落ち着かなかった。
明日、本当に彼女と別れるのか。
それが正解なのか?
執務室で書類仕事をしていると、廊下から声が聞こえてきた。
「オズワルド様、この刺繍はいかがでしょう?」
セリアの声だ。
「素晴らしいよ、セリア。君の腕前には、いつも感心する」
オズワルドの声。
二人が親しげに話している。
私はふと、窓から庭園を見下ろした。
そこには、月明かりの下で並んで歩くセリアとオズワルドの姿があった。
オズワルドがセリアの手を取る。
セリアが頬を染めて、嬉しそうに笑う。
二人は......恋仲なのか?
その時、すべてが繋がった。
ロザリンドがオズワルドに宛てた手紙。
私がセリアに宛てた手紙。
でも、本当はセリアとオズワルドが文通していた。
ということは......
私は急いで、ロザリンドの部屋に向かった。
ノックをすると、彼女が出てきた。
「エドウィン様? こんな夜遅くに......」
「ロザリンド、話があります」
私たちは部屋に入り、向かい合って座った。
「実は、セリアとオズワルドを見かけたんです。二人は......恋仲のようでした」
「ええ、知っています。文通していると聞きましたから」
「それで気づいたんです。私たちの誤解の原因を」
ロザリンドも、同じ結論に達したようだった。
「貴女がオズワルドに宛てた手紙は、私への相談でしたね」
「はい」
「私がセリアに宛てた手紙は、貴女を支えてくれる彼女への感謝でした」
「はい」
「つまり......私たちは、互いに誤解していただけだった」
沈黙。
そして、ロザリンドが小さく笑った。
「なんて馬鹿らしい......」
「本当に」
私も笑った。
だが、笑いが収まると、新たな問題が浮上した。
「では......明日の破棄劇は、どうしますか?」
ロザリンドが尋ねた。
私は迷った。
誤解は解けた。でも、それで婚約を続けるべきなのか?
彼女は自由を求めている。私も、彼女を縛りたくない。
「このまま......進めましょう」
私は答えた。
「誤解は解けましたが、互いに窮屈な婚約から解放されたいという気持ちは変わりません。それに、もう準備は整っています」
ロザリンドは少し寂しそうに微笑んだ。
「そうですね。では、明日は予定通りに」
だが、その目には迷いがあった。
私も、同じだった。
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