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第5話
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煌びやかな会場に足を踏み入れた瞬間、息を呑んだ。
天井には巨大なシャンデリアが幾つも吊るされ、何千もの蝋燭の光がクリスタルに反射して、まるで星空のように煌めいている。大理石の床は鏡のように磨き上げられ、貴族たちの靴音を優雅に響かせていた。
誰もが美しい仮面をつけている。孔雀の羽根で飾られたもの、宝石を散りばめたもの、繊細なレースで覆われたもの。仮面の下から覗く瞳だけが、その人の正体を僅かに物語っていた。
「緊張しているのか?」
リュカが私の手を優しく握った。彼の仮面は黒いビロードで、灰色の瞳だけが月光のように輝いている。
「少し……」
「大丈夫だ。俺がついている」
その言葉に安心しかけて、はっとした。私はセリーヌのふりをしているのだ。本物のセリーヌなら、こんな場所で緊張などしないはず。
「冗談ですわ、リュカ」
取り繕うように笑ったが、彼は私の手をさらに強く握った。
「無理をするな。君は君のままでいい」
どういう意味だろう。まるで私の正体を知っているような――
音楽が流れ始めた。優雅なワルツの調べが、会場を満たす。
「踊ろうか」
リュカが私の腰に手を回し、ダンスフロアへと導いた。
ワルツのステップを踏みながら、リュカは私を見つめ続けていた。仮面越しでも、その視線の熱さが伝わってくる。
「君の瞳は、とても澄んでいるな」
耳元で囁かれ、鼓動が早くなる。
ステップを踏み外しそうになった私を、リュカがしっかりと支えた。
「美しい」
「リュカ様……」
「ねえ、セリーヌ」
彼が私をくるりと回転させ、また引き寄せた。さっきよりも距離が近い。
「君は本当は誰なんだ?」
心臓が止まりそうになった。
「何を仰って……」
「たとえば君の手」
リュカが私の手を取り、手袋越しに親指で撫でた。
「細かい針の跡がある。きっと、繊細な刺繍や裁縫をしているんだろう」
どうして分かるの? 手袋をしているのに。
「君は平民だね?」
小声で囁かれ、体が凍りついた。
「違います。私は――」
「嘘をつくと」
リュカが私の腰を引き寄せ、完全に体を密着させた。
「キスするぞ」
仮面越しでも、彼の瞳が笑っているのが分かった。でも、その奥には真剣な光も宿っている。
「卑怯です……」
思わず本音が漏れた。
「やっぱり」
リュカが満足そうに笑った。
「本物のセリーヌなら、そんな可愛い反応はしない」
また言われてしまった。
***
曲が終わり、リュカは優雅に一礼した。
「少し飲み物でも取ってこよう。ここで待っていてくれ」
彼がいなくなった途端、不安に襲われた。もうバレているのかもしれない。でも、なぜ彼は黙っているのだろう。
テラスに出て夜風に当たることにした。外の空気を吸えば、少しは冷静になれるかもしれない。
月光に照らされた薔薇園が美しい。白い薔薇が、まるで雪のように輝いている。
「やっと見つけた」
背後から声がして、振り返った。
銀髪の青年が立っていた。青い瞳に、薄い唇。確かに整った顔立ちだが、どこか品のない笑みを浮かべている。仮面は金色で、成金趣味丸出しだった。
「セリーヌ・モンフォール」
彼が一歩近づいてきた。酒の匂いがする。
「失礼ですが、どちら様?」
「忘れたのか? 三ヶ月前、君と一夜を共にしたエドワード・バルソンだ」
え? セリーヌはこの男と……?
「君に貢いだ金、全部で金貨千枚。それを返してもらいに来た」
エドワードが私の腕を掴んだ。
「痛い!」
「とぼけるなよ。あの夜、君は俺を愛していると言った。なのに翌朝にはもういない。金も宝石も全部持って消えた」
セリーヌ、あなたは一体何をしたの。
「離してください」
振り払おうとしたが、彼の力は強い。
「金を返せ。それと……」
エドワードが私を壁に押し付けた。逃げ場がない。
「もう一度、あの夜の続きをしよう。君の体を覚えているよ、セリーヌ」
吐き気がした。この男は、セリーヌと関係を持った上で、まだ私に――いえ、セリーヌに執着している。
「君があの時囁いた言葉、全部嘘だったんだろう? でも、体は嘘をつけなかった」
エドワードの顔が近づいてくる。酒臭い息が顔にかかった。
何か、何か言わなきゃ。でも、セリーヌが彼に何をしたのか分からない。どう対応すれば――
「おい、聞いているのか」
彼が私の顎を掴んだ。その瞬間、今朝セリーヌにされた仕打ちがフラッシュバックした。
顎を掴まれ、見下され、人形扱いされた屈辱。
もう、たくさんだ。
パシン!
思いっきり彼の頬を平手で打った。エドワードがよろめいて、私から離れる。音楽がいつの間にか止まっていた。
周囲の客はこの修羅場を楽しそうに見物している。
「この女……!」
「黙りなさい!」
自分でも驚くような強い声が出た。もう止まらない。今まで溜め込んでいたものが、堰を切ったように溢れ出す。
「いいですか、エドワード・バルソン様。あなたは自分を被害者だと思っているようですが、とんだ勘違いです」
深呼吸をして、続けた。
「そもそも、金貨千枚? たかが一夜の関係に、なぜそんな大金を。セリーヌを愛していた? はっ、笑わせないで。あなたが愛していたのは、セリーヌの体で征服欲を満たすことだけでしょう」
「何を――」
「女性を金で買えると思っている時点で、あなたに愛を語る資格などありません。体は嘘をつかなかった? 馬鹿馬鹿しい。それはあなたの都合のいい解釈よ」
エドワードが真っ赤になって拳を握り締める。太い血管が浮いていた。
でも、もう怖くない。
「どうぞ、殴ってみては? でも覚悟はできているのでしょうね? 貴族の男が女に言い負かされたというだけで、暴力を振るう。明日には街中の噂になるでしょうね。王都にまで噂が届くかも」
「く……」
「それに」
私は一歩前に出た。エドワードが後退る。
「金を返せ? 証拠はあるんですか? 借用書でも? 贈与の証明書でも? まさか、恥ずかしい一夜の関係を公にして、訴えるおつもり?」
「それは……」
「できないでしょうね。プライドの高いあなたには」
言葉が止まらない。まるで別人になったみたいだった。
「金と権力で女性を支配できると勘違いしている愚か者に、これ以上構っている暇はないわ。どいてくださる?」
私は仮面越しにエドワードを睨みつけた。
エドワードは口をパクパクさせて、何も言えなかった。
ふう、と息をついた瞬間――
「ブラボー」
パチパチと拍手の音がした。
振り返ると、そこにリュカが立っていた。
天井には巨大なシャンデリアが幾つも吊るされ、何千もの蝋燭の光がクリスタルに反射して、まるで星空のように煌めいている。大理石の床は鏡のように磨き上げられ、貴族たちの靴音を優雅に響かせていた。
誰もが美しい仮面をつけている。孔雀の羽根で飾られたもの、宝石を散りばめたもの、繊細なレースで覆われたもの。仮面の下から覗く瞳だけが、その人の正体を僅かに物語っていた。
「緊張しているのか?」
リュカが私の手を優しく握った。彼の仮面は黒いビロードで、灰色の瞳だけが月光のように輝いている。
「少し……」
「大丈夫だ。俺がついている」
その言葉に安心しかけて、はっとした。私はセリーヌのふりをしているのだ。本物のセリーヌなら、こんな場所で緊張などしないはず。
「冗談ですわ、リュカ」
取り繕うように笑ったが、彼は私の手をさらに強く握った。
「無理をするな。君は君のままでいい」
どういう意味だろう。まるで私の正体を知っているような――
音楽が流れ始めた。優雅なワルツの調べが、会場を満たす。
「踊ろうか」
リュカが私の腰に手を回し、ダンスフロアへと導いた。
ワルツのステップを踏みながら、リュカは私を見つめ続けていた。仮面越しでも、その視線の熱さが伝わってくる。
「君の瞳は、とても澄んでいるな」
耳元で囁かれ、鼓動が早くなる。
ステップを踏み外しそうになった私を、リュカがしっかりと支えた。
「美しい」
「リュカ様……」
「ねえ、セリーヌ」
彼が私をくるりと回転させ、また引き寄せた。さっきよりも距離が近い。
「君は本当は誰なんだ?」
心臓が止まりそうになった。
「何を仰って……」
「たとえば君の手」
リュカが私の手を取り、手袋越しに親指で撫でた。
「細かい針の跡がある。きっと、繊細な刺繍や裁縫をしているんだろう」
どうして分かるの? 手袋をしているのに。
「君は平民だね?」
小声で囁かれ、体が凍りついた。
「違います。私は――」
「嘘をつくと」
リュカが私の腰を引き寄せ、完全に体を密着させた。
「キスするぞ」
仮面越しでも、彼の瞳が笑っているのが分かった。でも、その奥には真剣な光も宿っている。
「卑怯です……」
思わず本音が漏れた。
「やっぱり」
リュカが満足そうに笑った。
「本物のセリーヌなら、そんな可愛い反応はしない」
また言われてしまった。
***
曲が終わり、リュカは優雅に一礼した。
「少し飲み物でも取ってこよう。ここで待っていてくれ」
彼がいなくなった途端、不安に襲われた。もうバレているのかもしれない。でも、なぜ彼は黙っているのだろう。
テラスに出て夜風に当たることにした。外の空気を吸えば、少しは冷静になれるかもしれない。
月光に照らされた薔薇園が美しい。白い薔薇が、まるで雪のように輝いている。
「やっと見つけた」
背後から声がして、振り返った。
銀髪の青年が立っていた。青い瞳に、薄い唇。確かに整った顔立ちだが、どこか品のない笑みを浮かべている。仮面は金色で、成金趣味丸出しだった。
「セリーヌ・モンフォール」
彼が一歩近づいてきた。酒の匂いがする。
「失礼ですが、どちら様?」
「忘れたのか? 三ヶ月前、君と一夜を共にしたエドワード・バルソンだ」
え? セリーヌはこの男と……?
「君に貢いだ金、全部で金貨千枚。それを返してもらいに来た」
エドワードが私の腕を掴んだ。
「痛い!」
「とぼけるなよ。あの夜、君は俺を愛していると言った。なのに翌朝にはもういない。金も宝石も全部持って消えた」
セリーヌ、あなたは一体何をしたの。
「離してください」
振り払おうとしたが、彼の力は強い。
「金を返せ。それと……」
エドワードが私を壁に押し付けた。逃げ場がない。
「もう一度、あの夜の続きをしよう。君の体を覚えているよ、セリーヌ」
吐き気がした。この男は、セリーヌと関係を持った上で、まだ私に――いえ、セリーヌに執着している。
「君があの時囁いた言葉、全部嘘だったんだろう? でも、体は嘘をつけなかった」
エドワードの顔が近づいてくる。酒臭い息が顔にかかった。
何か、何か言わなきゃ。でも、セリーヌが彼に何をしたのか分からない。どう対応すれば――
「おい、聞いているのか」
彼が私の顎を掴んだ。その瞬間、今朝セリーヌにされた仕打ちがフラッシュバックした。
顎を掴まれ、見下され、人形扱いされた屈辱。
もう、たくさんだ。
パシン!
思いっきり彼の頬を平手で打った。エドワードがよろめいて、私から離れる。音楽がいつの間にか止まっていた。
周囲の客はこの修羅場を楽しそうに見物している。
「この女……!」
「黙りなさい!」
自分でも驚くような強い声が出た。もう止まらない。今まで溜め込んでいたものが、堰を切ったように溢れ出す。
「いいですか、エドワード・バルソン様。あなたは自分を被害者だと思っているようですが、とんだ勘違いです」
深呼吸をして、続けた。
「そもそも、金貨千枚? たかが一夜の関係に、なぜそんな大金を。セリーヌを愛していた? はっ、笑わせないで。あなたが愛していたのは、セリーヌの体で征服欲を満たすことだけでしょう」
「何を――」
「女性を金で買えると思っている時点で、あなたに愛を語る資格などありません。体は嘘をつかなかった? 馬鹿馬鹿しい。それはあなたの都合のいい解釈よ」
エドワードが真っ赤になって拳を握り締める。太い血管が浮いていた。
でも、もう怖くない。
「どうぞ、殴ってみては? でも覚悟はできているのでしょうね? 貴族の男が女に言い負かされたというだけで、暴力を振るう。明日には街中の噂になるでしょうね。王都にまで噂が届くかも」
「く……」
「それに」
私は一歩前に出た。エドワードが後退る。
「金を返せ? 証拠はあるんですか? 借用書でも? 贈与の証明書でも? まさか、恥ずかしい一夜の関係を公にして、訴えるおつもり?」
「それは……」
「できないでしょうね。プライドの高いあなたには」
言葉が止まらない。まるで別人になったみたいだった。
「金と権力で女性を支配できると勘違いしている愚か者に、これ以上構っている暇はないわ。どいてくださる?」
私は仮面越しにエドワードを睨みつけた。
エドワードは口をパクパクさせて、何も言えなかった。
ふう、と息をついた瞬間――
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パチパチと拍手の音がした。
振り返ると、そこにリュカが立っていた。
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