87 / 151
12
12ー6
しおりを挟む
「エルちゃん、もう大丈夫そう?」
「もうちょっとだけ……もうちょっとだけお願いします……。すみません……もう少しだけ……もう少しだけで良いんです……。」
弱々しく震える声。
かすみの胸元で、エルがそう言う。
結局、彼女の言うちょっとだけとは、三十分ほどであった。
解放された後、かすみの胸元は彼女の涙でびしゃびしゃになってしまっていた。
「すみません、見苦しい姿を晒してしまいました……。」
「あはは、だ、大丈夫だよ……。」
「……。」
「……。」
勢いで受け入れてしまった。
しかし、やはりどこかぎこちない。
無言になってしまう二人。
「あの……ゆ、ゆかりちゃんのところに行こう?」
会話を再開したのは、かすみであった。
「え……?」
また、彼女から聞くはずのない言葉が聞こえてしまい、聞き返すエル。
「ほ、ほら……私達、その……。」
「……?」
どうしたのだろう?
かすみの次の言葉を待つエル。
「お、幼馴染……なんでしょ?」
「か、かすみさん……っ!」
彼女の言葉に再び涙を流してしまうエル。
「ほら、泣かないで。さ、行こう?」
「はいっ!」
泣きながらも、笑顔でそう言った。
「か、神良先輩!?……と、二人とよく一緒にいる先輩……?でしたっけ?どんな用でしょうか?」
二人が向かった先。
それは、一年生の教室。
ゆかりのクラスだ。
いつも通りだ。
エルやゆかりはほとんど全校生徒にも知れ渡っている。
しかし、かすみの認知度はその程度だ。
二人とよく一緒にいる。
その程度だ。
しかし、今そんなことを気にしている場合ではない。
「えっと、磯飛さん、いらっしゃいますか?」
二人が来た訳。
それは、ゆかりに会いに来た為だ。
その旨を、エルがゆかりのクラスメイトに言う。
「ごめんなさい、ゆかりんこ、もう帰っちゃいました……。」
「そ、そんな……。」
かすみががっかりしながら声を出す。
当たり前といえば、当たり前だろう。
エルとの会話で時間を消費してしまった。
その間にゆかりが帰宅していても何ら不思議ではない。
ガシッ。
かすみの手を掴むもの。
エルの手だ。
「行きましょう、かすみさん!」
「え?」
「ほら、もたもたしている場合ではありません!行きますよ!」
「え?え?え?」
「ありがとうございました、私達はこれで失礼しますね。」
「もうちょっとだけ……もうちょっとだけお願いします……。すみません……もう少しだけ……もう少しだけで良いんです……。」
弱々しく震える声。
かすみの胸元で、エルがそう言う。
結局、彼女の言うちょっとだけとは、三十分ほどであった。
解放された後、かすみの胸元は彼女の涙でびしゃびしゃになってしまっていた。
「すみません、見苦しい姿を晒してしまいました……。」
「あはは、だ、大丈夫だよ……。」
「……。」
「……。」
勢いで受け入れてしまった。
しかし、やはりどこかぎこちない。
無言になってしまう二人。
「あの……ゆ、ゆかりちゃんのところに行こう?」
会話を再開したのは、かすみであった。
「え……?」
また、彼女から聞くはずのない言葉が聞こえてしまい、聞き返すエル。
「ほ、ほら……私達、その……。」
「……?」
どうしたのだろう?
かすみの次の言葉を待つエル。
「お、幼馴染……なんでしょ?」
「か、かすみさん……っ!」
彼女の言葉に再び涙を流してしまうエル。
「ほら、泣かないで。さ、行こう?」
「はいっ!」
泣きながらも、笑顔でそう言った。
「か、神良先輩!?……と、二人とよく一緒にいる先輩……?でしたっけ?どんな用でしょうか?」
二人が向かった先。
それは、一年生の教室。
ゆかりのクラスだ。
いつも通りだ。
エルやゆかりはほとんど全校生徒にも知れ渡っている。
しかし、かすみの認知度はその程度だ。
二人とよく一緒にいる。
その程度だ。
しかし、今そんなことを気にしている場合ではない。
「えっと、磯飛さん、いらっしゃいますか?」
二人が来た訳。
それは、ゆかりに会いに来た為だ。
その旨を、エルがゆかりのクラスメイトに言う。
「ごめんなさい、ゆかりんこ、もう帰っちゃいました……。」
「そ、そんな……。」
かすみががっかりしながら声を出す。
当たり前といえば、当たり前だろう。
エルとの会話で時間を消費してしまった。
その間にゆかりが帰宅していても何ら不思議ではない。
ガシッ。
かすみの手を掴むもの。
エルの手だ。
「行きましょう、かすみさん!」
「え?」
「ほら、もたもたしている場合ではありません!行きますよ!」
「え?え?え?」
「ありがとうございました、私達はこれで失礼しますね。」
0
あなたにおすすめの小説
会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛
MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる