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第20話 蒼海の巨獣
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三大国定期連絡航路の巨大な船体が、マリノ・ガルドの港に接舷しました。
作業が進む中、飛空艇艦長は真っ先にタラップを駆け降り、待ち構えていた港の役人へ一通の親書を差し出しました。
「聖都ルーン・ヴィークからの親書だ。国王陛下へ、直ちに!」
親書を受け取った役人が顔色を変え、すぐさま走り出します。
接舷作業の間に港がにわかに騒がしくなったかと思うと、ディオンたちがタラップを降りる頃には、既に連邦軍元帥ハルヴァールが精鋭を従えて待ち構えていました。
「ようこそ、蒼海の都へ。私は連邦軍元帥、ハルヴァールだ。女王陛下の親書は確かに受け取った。……英雄諸君、宿は王宮に近い『ヴェズ・ホルム・ガルド』を指定してある。まずは旅の疲れを癒やされるがいい」
宿に入って三つ砂時計の刻(三時間後)。
ハルヴァール元帥が自ら再び現れ、今度はこの国の国王の署名と玉璽が押された親書を携えていました。
「改めて伝えよう。国王陛下との謁見は二日後だ。この宿の費用は全て王家が持つ。二日間、この水の都を存分に楽しんでくれ」
二日間、五人は水の都を巡りました。
「エリカ見て。この真珠の飾り、エリカに似合うんじゃない?」
「アルちゃん、そんなに荷物を増やしてどうするんですか。……でも、綺麗ですね」
エリカは微笑みながら、アルベローゼのために焼き菓子を吟味し、バハルは特産品の干物をかじります。
ライナスは海を渡る風を肌で感じ、ディオンは静かに英気を養っていました。
二日後、五人は王宮へと招かれました。
玉座に座るのは、五十歳ほどの恰幅の良い、海の男らしい力強さを備えた国王でした。
「よく来てくれた、英雄たちよ。……単刀直入に言おう。お主たちに頼みがある。無理ならば断ってくれて構わん。我が国の海域に、全長350ガルイ(約350メートル)に及ぶ伝説の海龍、フルム・ハヴギュヴァが現れた。既に多くの被害が出ている。……どうか、我が国の艦隊と共に、これを討伐してはもらえぬか」
ディオンたちはこの依頼を快諾しました。
一週間後、五隻の軍艦からなる討伐艦隊が港を出ました。
全艦の艦首には、新開発の魔導銛砲ガンド・スピア・レイズが据え付けられています。
ハルヴァール元帥が、波飛沫を浴びながら叫びます。
「敵は厄介だ。あの海龍の鱗は、微量のミスリルを含んでいて、微弱な魔力を宿している。その硬度は鋼を寄せ付けず、さらに鱗自体が常時、微細回復の効果を発生させておる。生半可な傷は一瞬で塞がるのだ」
さらに元帥は、海面を見据えて続けました。 「何より恐ろしいのは、その体表を常に特殊な油分が流れていることだ。物理攻撃も魔法の衝撃も、全て滑って逃げてしまう。この『ガンド・スピア・レイズ』で動きを封じねば、太刀打ちできん」
その時、海面が山のように盛り上がり、咆哮と共に全長350ガルイ(350メートル)の巨躯が姿を現すのでした。
作業が進む中、飛空艇艦長は真っ先にタラップを駆け降り、待ち構えていた港の役人へ一通の親書を差し出しました。
「聖都ルーン・ヴィークからの親書だ。国王陛下へ、直ちに!」
親書を受け取った役人が顔色を変え、すぐさま走り出します。
接舷作業の間に港がにわかに騒がしくなったかと思うと、ディオンたちがタラップを降りる頃には、既に連邦軍元帥ハルヴァールが精鋭を従えて待ち構えていました。
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ハルヴァール元帥が自ら再び現れ、今度はこの国の国王の署名と玉璽が押された親書を携えていました。
「改めて伝えよう。国王陛下との謁見は二日後だ。この宿の費用は全て王家が持つ。二日間、この水の都を存分に楽しんでくれ」
二日間、五人は水の都を巡りました。
「エリカ見て。この真珠の飾り、エリカに似合うんじゃない?」
「アルちゃん、そんなに荷物を増やしてどうするんですか。……でも、綺麗ですね」
エリカは微笑みながら、アルベローゼのために焼き菓子を吟味し、バハルは特産品の干物をかじります。
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二日後、五人は王宮へと招かれました。
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「よく来てくれた、英雄たちよ。……単刀直入に言おう。お主たちに頼みがある。無理ならば断ってくれて構わん。我が国の海域に、全長350ガルイ(約350メートル)に及ぶ伝説の海龍、フルム・ハヴギュヴァが現れた。既に多くの被害が出ている。……どうか、我が国の艦隊と共に、これを討伐してはもらえぬか」
ディオンたちはこの依頼を快諾しました。
一週間後、五隻の軍艦からなる討伐艦隊が港を出ました。
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さらに元帥は、海面を見据えて続けました。 「何より恐ろしいのは、その体表を常に特殊な油分が流れていることだ。物理攻撃も魔法の衝撃も、全て滑って逃げてしまう。この『ガンド・スピア・レイズ』で動きを封じねば、太刀打ちできん」
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