【完結】追放令嬢は海賊生活を謳歌する

当麻リコ

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88.初めての翌日 ※R18

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翌朝目覚めて、まず目の前にウィルがいるという状況にびくりと身体が跳ねた。
次いで腕の中に閉じ込められていることに気付いて赤面した。
身体中がだるいことに思い至り、喉がスカスカなことに昨夜の乱れぶりを思い出して恥じ入る。

けれど今まで女の人のところに行っても、夜中のうちに帰ってきていたからウィルが、隣で安らかな寝息をたてていることに幸福を感じた。

静かに腕の中から抜け出して、今のうちにシャワーを浴びようと起き上がる。
何気なく身体を見ると、いくつもある傷跡の上に重ねるようにキスマークがついていた。
いつの間に、と全身が熱くなる。
昨夜は一度の情交で容量いっぱいいっぱいになったせいで、すぐに気絶するように寝てしまった。きっとそのあとのことだろう。
よく見ると拭き清められたあともあって、甲斐甲斐しく世話をしてくれたのだと思うと胸が温かくなった。

ベッドから降りて、シャワー浴びるだけだしとウィルのシャツを拾って羽織る。

「いーカッコ……」

寝ぼけた声に振り返るとウィルが眠そうな顔でこちらを見て笑っていた。

「起こしてごめん、ちょっとシャワー浴びてくるね」

照れくさくて目を逸らしながら足を踏み出す。

「ひぅっ」

一歩進んだところで、こぽりと溢れて太腿を伝う感覚に足が止まった。

「きゃっ」

瞬時に腕を掴まれベッドに引き戻される。

「今のは完全に目に毒だわ」

さっきまでの眠そうな顔はどこへやら、すっかり覚醒しきった情熱的な目をしたウィルにあっという間に組み敷かれた。
やる気満々の欲情しきった目で見下ろされて、一瞬で真っ赤になる。

「しゃ、シャワー! シャワー浴びてから!」
「うんうん、シャワー浴びてからももっかいしような」

歌うようなご機嫌な声で流されて、首筋を甘噛みされる。

「ちょっ、ウィル、あ、……あッ!」

そのまま躊躇なく挿入されて、一瞬で身体に火がついてしまった。
ゆるゆると揺すられて、昨夜の名残ですぐに快感を拾い始める身体に戸惑う。
喘ぎは止まらず、ウィルは上機嫌のまま私に深く口づけた。


結局最後までいたして、裸のままシャワー室へと運ばれた。
綺麗に洗ってやるからな、なんて言いながら流れるような動作でもう一度して、部屋に戻ってからもう一戦が始まった。

幸か不幸かウィルも私も体力には自信があった。
昨夜処女を喪失したばかりだというのに、私の身体はすでにウィルの身体にすっかり順応してしまっている。

優しく丁寧だったのは昨夜の一回のみだ。
あとは激しく求められて、でも正直その余裕のなさがたまらなかった。
やはり私はすけべなのだと思う。


あまりにお腹が空いて、ようやく朝食をとりに食堂に降りていく。
見回しても知った顔はどこにもいない。
どうやら他の船員たちはいつもの宿に泊まっているらしい。

「どうして私たちだけこっちに?」
「惚れた女の喘ぎ声を他の男に聞かせる趣味はねぇ」

なるほどと気付いて顔が赤くなる。

「それにおまえ今自分がどんな顔してるかわかってんのか?」
「顔?」

赤いということならよく分かっている。
両頬を手の平で押さえながら聞くと、ウィルがにやっと唇を吊り上げた。

「さっきまでやりまくってましたって気怠い顔してる」
「うそぉ!」

慌てて両手で顔を覆う。そんな痴女みたいな顔、人様に見せられない。

「あーたまんねぇ。戻ったらもっかいやるか」
「やらないし!」

照れ隠しに勢いよく正面に座るウィルの肩をどつくと、本気で痛かったのかウィルが顔をしかめて呻いた。


部屋に戻りウィルの誘惑を躱し、身嗜みを整えて海賊島の繁華街へと繰り出す。
ラナが教えてくれたお手入れ用のクリームやら動きやすい服やらを買い込んで、遭遇した船員達と昼食を取ることにした。
雰囲気で色々察せられたのか、からかわれて気まずかった。
こっちは動揺してしどろもどろだというのに、ウィルは涼しい顔をしていてまるで他人事だ。むしろ慌てる私を見て楽しんでいる節さえある。まったく腹立たしい男だ。

そうやって遊び歩くうちにあっという間に夜になった。
明日からは必要物資の買い出しが待っている。
体力を蓄えておきたかったのに、ウィルに容赦なくベッドに引き摺りこまれて甘ったるい夜を過ごした。
そうやって慌ただしくも爛れた日常を送り、船の修理を終えて再び海へ戻った。

ちなみにあの新人海賊たちは、殺されはしなかったが一日中島の中心部に吊るされて、この島を出入り禁止になったらしい。
海賊っていうのは吊るすことが大好きな生き物のようだ。

船に戻ると、またきっちりいつも通りに慎み深い生活が始まった。
たまにこっそりキスをするくらいで、ウィルはぱったりと手を出さなくなった。
そういうことをしたいのが自分だけかと思うとちょっと悔しい。
恨みがましい目を向けても、ウィルは笑うばかりだ。
だからといって浮かれて船内の空気乱す気もなく、大人しく真面目に気ままな海賊生活を送る。
もちろん寝る部屋は別々だ。

「大人ってやーね」
「面子保つために必死なんだよ」

夜の訪問時に、平気な顔をしているウィルに言うと彼は苦笑した。
それからしばらく他愛のない話をして、そろそろ寝ようかという時に。

「敵襲!」

部屋の外から聞こえる声に顔を見合わせる。
即座に立ち上がって武器を手に甲板へと走り出す。

騒がしい日々が再開して、またいつもの関係に戻っていく。

それも案外悪くはなかった。
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