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甘くて苦いビターチョコのように
#11
しおりを挟むそんなこんなで、副社長が私の身体から放れると、あらかじめ用意して下さってたらしいゴムを装着してくれているようだ。
どうやら、ちゃんと避妊はして頂けるらしい。
意外なことだったけれど、副社長の立場からすれば、それは当然のことだろうと思う。
だって、これから会社を担っていく要である副社長がデキちゃった婚だなんて、体裁が悪いのかも知れない。
別に、私への配慮とかではきっとないのだろう。
一瞬でも、私のことを考えてのことだったのかな? なんて、そんなおこがましいことを思ってしまった自分が恥ずかしすぎる。
そんなことを思っていた私のことなんか置き去りにして、行為は何事もなく粛々と進められていく。
麗しの副社長は、慣れた手つきで私の両脚を抱えると、その間にゆっくりと腰を沈めてくる。
そうして、自身の熱く滾《たぎ》ったアレを充分に潤み切った私の蕾と泥濘を撫でるように擦りつけてくるから……。
厭らしい水音と一緒に溢れくる……えもいわれぬ快感に、私はあえなく身悶えさせられて。 静かな広い寝室には、ぴちゃぴちゃという卑猥な音に混じって。
「ひゃぁっ……やぁっ……ンンッ」
弾む吐息と一緒に口から飛び出た嬌声とが響き渡っていく。
危うく、達してしまいそうになったその瞬間、溢れた蜜でグチャグチャになってしまった私のソコに、ようやく副社長のソレがゆっくり少しずつ挿入され始めたのだった。
慎重に少しずつ、僅かに押し進められていくにつれ、ピリピリと痺れた様な感覚だったものが、次第に摩擦により熱を帯びていき。
僅かにジンジンと痺れる痛みへと変わったものが、徐々に身を割くような強烈なものへとなっていく。
引き裂かれるような強烈な痛みに襲われて、思わず目の前の副社長の身体を引き寄せて、ギュッと無我夢中でしがみついて堪えることしかできない。
だって、私が正直に『痛い』なんて言っちゃったら、優しい副社長のことだから、さっきの言葉通り、すぐに中断されそうなんだもん。
ーーそんなの絶対に嫌だ! せっかく、うまくいきそうなのに……。
私がそう思って、なんとかこの強烈な痛みに耐え忍んでいたっていうのに……。
「美菜、我慢するなと言っただろ?」
それなのに、副社長にあっけなく気づかれてしまうのだった。
それでも、ここまで来たら、やっぱり諦めることなんてできる筈もなく……。
気づけば、
「少しでも入ってるんですよね? だったら、あと少しでゴールってことじゃないですか。構わず最後まで入れちゃってくださいっ! それくらい我慢できますから!」
副社長にしがみついたまんまで、泣きながら駄々っ子みたいなことを言ってしまっていたのだった。
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