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深まる疑惑
#26
しおりを挟む「壁に両手をついて脚を広げて立ってみろ」
「――え!?」
羞恥に襲われて紅潮したままだった私は、要さんの放った言葉をうまく聞き取ることができなくて。
それを、
「どうした?俺の言うことが聞けないのか?それとも、俺にもっと強い口調で命令されたくて、わざとやってるのか?」
可笑しなスイッチ全開の要さんに容赦なく咎められて、
「……え!?違っ、聞こえな――「ほら、さっさとしろっ!」」
弁解をしようと思っていた私の言葉は最後まで言い終わらないうちに、さっきよりも強い命令口調になった要さんの低い容赦ない声がしたと同時。
私の身体の向きをあっという間に反転させると、言葉通り壁に両手をついた体勢で脚を広げて立たせている私の真後ろに、何故かしゃがみこんでしまった要さん。
気づけば私は、要さんに後ろから、両手でお尻を鷲掴まれ下着を下ろされた挙げ句、露になった脚の割れ目に顔を埋められ、蜜が溢れひくついた泥濘に、尖らせた熱い舌を容貌なく捩じ込まれてしまっていた。
「キャッ!あっ!やぁん――!!」
驚きと、羞恥とで、短い悲鳴を上げた私は、要さんに容赦なく与えられる甘美な強すぎる刺激に身悶えながら、両手をついた壁に必死ですがりつくしかなくて……。
そんな私の身体は強い電流でも流されているかのように、甘く痺れたままプルプルと小刻みに震えていて、脚もガクガクと今にも膝から崩れ落ちてしまいそうだ。
余裕のない私の口許はだらしなく緩んで、涎まで垂らしてしまっていて、甘い嬌声を絶え間なく零し続けることしかできない。
その間も、要さんの巧みな舌の動きは少しも緩むことはなく、泥濘からいつしか蕾へと移ろいでいて。
今度は、蕾を優しく唇に含んでクチュクチュとわざとらしく水音を立てながら吸われたり、熱い舌で啄まれたりされていて。
そこにいつの間にか、要さんの綺麗な長い指まで加わって、短い舌では届かなかった泥濘の奥のざらついた箇所を長い指先で引っ掻くようにして、それぞれ二ヶ所同時に攻め立てられてしまえば……。
あまりの刺激に、壁についていた手からも身体からもフワッと力が抜け、私は膝から崩れ落ちるしかなかった。
それをすんでのところで、要さんによって抱き止められた私の身体が宙に浮遊したような感覚がして。
そうかと思えば、今度は、要さんに後ろから覆い被さるようにして抱きつかれた体勢で。
私はさっきと同じように壁に両手をつきながら、硬くなってその姿をまるで誇示するかのように熱く滾るように主張した彼自身によって、後ろから貫かれていた。
「ひゃっ、ンン――!!」
そして後ろから要さんに容赦なく腰を強く打ち付けられるたびに、パンパンと互いの肌のぶつかりあう乾いた音と、夥《おびただ》しく蜜が溢れてグチャッピチャッという厭らしい水音と、二人の荒い息づかいとが交ざりあって、辺りに響いては静寂に溶けてゆく。
可笑しなスイッチ全開になってしまっている要さんに後ろから容赦なく貫かれ、絶え間なく与えられる甘美な強すぎる刺激に追い詰められて、滾るように熱くなった私の身体は今にも蕩けてしまいそうだ。
そこへ、
「……美菜」
強引に押し進められる行為とは裏腹に、耳元に後ろから顔を埋めている要さんに、熱に浮かされたように何度も愛おしげに名前を呼ばれて。
これは酔ってる所為なんだって自分に何度も言い聞かせてるうち、私の目尻からは一筋の涙が零れ落ちてゆく。
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