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◆番外編◆ なにより愛しいもの~side要~
#21
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締め上げられて持ってイカれそうになるのを堪える俺に、まるで追い討ちでもかけるように、
「……あっ……やっ、……んぅっ」
と、甘い吐息を零しながら、俺の腕の中で、弓なりにビクビクと小刻みに仰け反ってよがる美菜。
そんな余裕のない美菜から放たれるイロカに思わず持ってイカれそうになった俺は、
「ちょっと触れただけで、そんなに気持ちいいのか? じゃぁ、もっと良くしてやる」
とか、
「もう、手だけじゃ物足りないんだろう?」
なんて言って、いきがっては見せるが、そうでもしていないともちそうにない。
なんとか愉悦に抗いながら、今度は美菜の無防備だった右の胸の尖りを口に含んで。
熱い舌先で何度も執拗に、ねぶって捏ねると、たちまち美菜の甘ったるい嬌声が静かな寝室に響いていく。
それに合わせて腰の動きを速めさせ、二ヶ所同時に攻め立てれば……。
「……やぁっ、……あんっ……やっ、ひゃっ……んぅっ……」
美菜の嬌声がよりいっそう高くなってゆく。
けれども、俺がいきがっていられるのもここまでだった。
美菜の胸の尖りを攻め立ててた筈の舌の動きが疎かになってきた俺の口からも、時折、情けないほど頼りない呻き声が吐息が零れ落ちてしまう。
そんな余裕のない俺の身体に唐突にギュッと抱きついてきた美菜。
そんなことをしてきた美菜のことが愛おしくて堪らなくなって。
気づけば俺は、同じように美菜のことをギュウッと力任せに強く抱き締めていて。
「……みなっ」
俺はそう言って、何度も何度も愛おしい美菜の名前を呼び続けた。
俺は、脚上に股がる美菜のことを下から突き上げて、軽快なリズムで揺すっている所為と余裕がないお陰で、どうしても息が荒くなってしまう。
「美菜」
それでも愛しい美菜のことをしっかりとこの目に焼き付けておきたくて、美菜にもちゃんとこの瞬間を見ていてほしくて、俺は荒い息でも構わず、美菜の名前を呼び続けた。
軽快だった筈の俺の腰の動きも緩慢になって、それでもまだ美菜のナカに居たいから抗って、美菜のナカを撫でつけ、巧みに攻めつつ、深い口づけも何度も繰り返し。
ナカの俺自身と同じように、頭の芯から身体の芯までを溶かされていく感覚に侵され、だんだんと何も考えられなくなっていく。
「……んっ……っんん、、はぁっ……ンン」
俺が口づけて飲み込んだ美菜の嬌声と俺の弾む吐息とが、重なりあった互いの唇の僅かな隙から、時折、微かに漏れて、広い寝室に響いては静寂に吸い込まれていく。
そうやって緩やかな快楽の波に漂っているうちに、いつのまにやら、気づけば、俺は、美菜の身体をベッドの上へと繋がりあったままの状態で組み敷いていた。
いつしか離れてしまっていた美菜の唇が無性に恋しくて……。
俺は、美菜の身体にゆっくりと覆い被さるようにして、それでも体重をかけないように優しくのし掛かかると。
美菜の顔を挟むようにして両肘を突いて、吐息のかかるほどの至近距離で見つめても、ボーッとしてしまっている美菜。
そんな美菜のことが無性に愛しくて可愛くて堪らなくて……。
「美菜」
そう、何度も呼びながら、チュッチュッと音を立て、額や瞼、鼻や頬という風に、至るところに、優しいキスを降らせた。
そしたら、それがくすぐったいのかなんなのか、なんとも言えない愛らしい表情を浮かべる美菜に、ズキュンと胸を射止められてしまった俺は、ナカでも射止められてしまいそうだ。
「そんなに可愛い表情をして、そんなに締め付けられたら……ヤバイ」
もう切羽詰まったようなそんな声しか出せなくて……。
これじゃ美菜より先にイッてしまいそうだ。
――それだけは、頼むから勘弁してくれ。
そう言ってみたところで、処女の美菜は、俺を追い詰めてるとは思いもしないだろうし。
最初はともかくとして、美菜を好きだと自覚してからの俺が、あんなに美菜のことを大事にしてたというのに、全然、気づいてもいなかった美菜。
……まぁ、美菜だから仕方ないか。
そう思いかけていた俺の頭に、不意に夏目や木村の顔が浮かんできてしまい。
俺は、思わずフウと盛大な溜め息をついて、
「とか言っても美菜は無自覚だもんなぁ……。まさか、夏目や木村にもこーじゃないだろうなぁ……」
と、ブツブツと呟きを落としてしまったが、美菜には聞こえてはいないようだった。
まぁ、その方がいい。
こんな風にすぐに嫉妬してしまうのを美菜には知られたくはないし。
夏目はともかく、木村のことを美菜に変に意識されても困るし。
それでも、やっぱり気にはなるため、
「美菜、これだけは言っとく。
そういう可愛い表情をしていいのは、俺の前でだけだからな。夏目に限らず、他の男の前でも禁止だからな。
こーら、聞いてるのか?」
こんな風に釘を刺してしまうんだが……。
相も変わらず、蕩けた頭でポカンとしている美菜には、俺の想いなんて、全然届いちゃいないようで、ちょっとばかしムカついた大人気ない俺は、拗ねたような口調になってしまったのだが……。
それなのに、どういう訳か、「はい!」と嬉しさ全開に応えてきた美菜によって、俺は唖然とさせられてしまうのだった。
「……あっ……やっ、……んぅっ」
と、甘い吐息を零しながら、俺の腕の中で、弓なりにビクビクと小刻みに仰け反ってよがる美菜。
そんな余裕のない美菜から放たれるイロカに思わず持ってイカれそうになった俺は、
「ちょっと触れただけで、そんなに気持ちいいのか? じゃぁ、もっと良くしてやる」
とか、
「もう、手だけじゃ物足りないんだろう?」
なんて言って、いきがっては見せるが、そうでもしていないともちそうにない。
なんとか愉悦に抗いながら、今度は美菜の無防備だった右の胸の尖りを口に含んで。
熱い舌先で何度も執拗に、ねぶって捏ねると、たちまち美菜の甘ったるい嬌声が静かな寝室に響いていく。
それに合わせて腰の動きを速めさせ、二ヶ所同時に攻め立てれば……。
「……やぁっ、……あんっ……やっ、ひゃっ……んぅっ……」
美菜の嬌声がよりいっそう高くなってゆく。
けれども、俺がいきがっていられるのもここまでだった。
美菜の胸の尖りを攻め立ててた筈の舌の動きが疎かになってきた俺の口からも、時折、情けないほど頼りない呻き声が吐息が零れ落ちてしまう。
そんな余裕のない俺の身体に唐突にギュッと抱きついてきた美菜。
そんなことをしてきた美菜のことが愛おしくて堪らなくなって。
気づけば俺は、同じように美菜のことをギュウッと力任せに強く抱き締めていて。
「……みなっ」
俺はそう言って、何度も何度も愛おしい美菜の名前を呼び続けた。
俺は、脚上に股がる美菜のことを下から突き上げて、軽快なリズムで揺すっている所為と余裕がないお陰で、どうしても息が荒くなってしまう。
「美菜」
それでも愛しい美菜のことをしっかりとこの目に焼き付けておきたくて、美菜にもちゃんとこの瞬間を見ていてほしくて、俺は荒い息でも構わず、美菜の名前を呼び続けた。
軽快だった筈の俺の腰の動きも緩慢になって、それでもまだ美菜のナカに居たいから抗って、美菜のナカを撫でつけ、巧みに攻めつつ、深い口づけも何度も繰り返し。
ナカの俺自身と同じように、頭の芯から身体の芯までを溶かされていく感覚に侵され、だんだんと何も考えられなくなっていく。
「……んっ……っんん、、はぁっ……ンン」
俺が口づけて飲み込んだ美菜の嬌声と俺の弾む吐息とが、重なりあった互いの唇の僅かな隙から、時折、微かに漏れて、広い寝室に響いては静寂に吸い込まれていく。
そうやって緩やかな快楽の波に漂っているうちに、いつのまにやら、気づけば、俺は、美菜の身体をベッドの上へと繋がりあったままの状態で組み敷いていた。
いつしか離れてしまっていた美菜の唇が無性に恋しくて……。
俺は、美菜の身体にゆっくりと覆い被さるようにして、それでも体重をかけないように優しくのし掛かかると。
美菜の顔を挟むようにして両肘を突いて、吐息のかかるほどの至近距離で見つめても、ボーッとしてしまっている美菜。
そんな美菜のことが無性に愛しくて可愛くて堪らなくて……。
「美菜」
そう、何度も呼びながら、チュッチュッと音を立て、額や瞼、鼻や頬という風に、至るところに、優しいキスを降らせた。
そしたら、それがくすぐったいのかなんなのか、なんとも言えない愛らしい表情を浮かべる美菜に、ズキュンと胸を射止められてしまった俺は、ナカでも射止められてしまいそうだ。
「そんなに可愛い表情をして、そんなに締め付けられたら……ヤバイ」
もう切羽詰まったようなそんな声しか出せなくて……。
これじゃ美菜より先にイッてしまいそうだ。
――それだけは、頼むから勘弁してくれ。
そう言ってみたところで、処女の美菜は、俺を追い詰めてるとは思いもしないだろうし。
最初はともかくとして、美菜を好きだと自覚してからの俺が、あんなに美菜のことを大事にしてたというのに、全然、気づいてもいなかった美菜。
……まぁ、美菜だから仕方ないか。
そう思いかけていた俺の頭に、不意に夏目や木村の顔が浮かんできてしまい。
俺は、思わずフウと盛大な溜め息をついて、
「とか言っても美菜は無自覚だもんなぁ……。まさか、夏目や木村にもこーじゃないだろうなぁ……」
と、ブツブツと呟きを落としてしまったが、美菜には聞こえてはいないようだった。
まぁ、その方がいい。
こんな風にすぐに嫉妬してしまうのを美菜には知られたくはないし。
夏目はともかく、木村のことを美菜に変に意識されても困るし。
それでも、やっぱり気にはなるため、
「美菜、これだけは言っとく。
そういう可愛い表情をしていいのは、俺の前でだけだからな。夏目に限らず、他の男の前でも禁止だからな。
こーら、聞いてるのか?」
こんな風に釘を刺してしまうんだが……。
相も変わらず、蕩けた頭でポカンとしている美菜には、俺の想いなんて、全然届いちゃいないようで、ちょっとばかしムカついた大人気ない俺は、拗ねたような口調になってしまったのだが……。
それなのに、どういう訳か、「はい!」と嬉しさ全開に応えてきた美菜によって、俺は唖然とさせられてしまうのだった。
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