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エルザにとっての流刑地
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濃密な香が空気の中に静かに滞っていた。
沈香に似た香木の煙が天井近くでゆるやかに渦を巻き、透きとおる天蓋の絹をくぐり抜けては金糸の房飾りをゆらしている。
寝台は低く広く、その周囲には濃紅や藍、琥珀色の布が何重にも垂れ、まるで静かな聖域のような気配をたたえていた。壁には幾何模様のタイルがはめ込まれ、窓から射す朝の光は、彫りの深い木枠と透かし彫りの格子を通して、幾筋もの影を床に落としている。
その中央、絹の枕にもたれて横たわる女性はまるで細工物の人形のように微かに揺れるだけで動かない。
肌は陶器のように白く、重ねられた薄絹の衣がほとんどその輪郭を覆い隠していた。
目は開かれていたが、夢の中と現の境に漂うように、焦点はどこにも定まらない。
薄紅の唇がかすかに動きかけたが、言葉になる前にその息は静かに胸の奥に沈んでいく。
起き上がろうと、思った。だがその想いは身体のどこにも届かなかった。まるでこの部屋全体が重たい絹で編まれた繭のように、彼女を静かに包みこんでいるかのようだった。
遠く、鳴子のような音が響く。侍女たちが朝の仕度に立つ気配か。
けれど彼女は目を閉じ、音の聞こえる方へ顔を向けることさえしなかった。
ただこの部屋の空気と光と香りの中に、沈むように身をゆだねていた。
「エルザ、起きたか」
その声は寝室の奥、重たく装飾の施された扉の向こうから、低く、しかしはっきりと届いた。
寝台に横たわっている女性──エルザは目を開けた。
けれど首を傾けることはせず、ただその声だけを静かに耳の奥でなぞった。
声の主が誰であるか、疑う余地はない。彼女の顔に、怯えと緊張がかすかに影を落とし始めた。
扉がゆっくりと開く音がした。錠前の軋むような金属音と、絨毯を踏む柔らかな足音。
その音が聞こえるたびに、彼女の心臓は強く脈を打ち、逃れようのない不安が胸に押し寄せた。
男はゆっくりと寝台へと歩み寄る。身に纏った衣装の豪華さが、彼のただならぬ身分を物語っていた。
彼はエルザの傍らまで来ると立ち止まり、しばし見下ろした。彼女のの頬にかかる髪が微かに揺れるのを、じっと見つめる。
「艶めかしいな……。そのようなしどけない姿を見ていると、また其方を可愛がりたくなってくる」
その言葉に、エルザは慌てて飛び起きた。冗談じゃない——そう言わんばかりの剣幕で。
「……何かご用でしょうか、旦那様」
無造作に床に置かれた衣服を掴み、急いでそれを見につけながら傍らの男に問いかける。
まるで話題を逸らすかのように。
「ああ、これから謁見に向かうのでな。それを言いに来た。寂しいだろうが、いい子で待っているのだぞ」
男は腰をかがめ、手を伸ばし、エルザの額にそっと触れる。
その瞬間、彼女の背筋をぞわりと寒気が走った。
「必要があれば、使いを出せ」
その言葉にエルザはわずかに目を伏せ、何も答えなかった。
だが、男はそんな彼女の反応を気にする様子も無い。彼にとってエルザの意志などどうでもよいのだ。
男はやがて手を引き、静かに立ち去る。まるで何もなかったかのように絹の天蓋をもとの位置に戻しながら。
再び一人になった寝台でエルザは目から涙を溢れさせ、そのまま枕へと顔を押し付ける。
「なんでっ……私が、こんな目に……!!」
怨嗟のような声は誰の耳にも届かぬまま、朝の光に溶けて消えた。
*
「おはようございます、第六夫人様。朝の湯浴みの準備が整いました」
男が出て行ってから、入れ違いのように使用人が扉の向こうから声をかけてきた。
その声にエルザは「……分かったわ」と力なく答える。
扉が開けられた先には二人の女官が控えており、ひとりは銀の水差しを抱え、もうひとりは繊細な刺繍の入ったリネンの布を腕にかけていた。
寝台から降りたエルザが歩を進めると、足元の絨毯がふわりと沈み、周囲の香炉が音もなく煙を立てた。
回廊を抜けた先には白い大理石の壁に囲まれた湯殿が現れる。中央には円形の浴槽があり、湯面には薔薇の花弁とミントの葉が浮かび、蒸気がゆるやかに天井のモザイク画へと昇っていた。
壁際の噴水からは、細い銀の弧を描いて絶え間なく温かな湯が注がれている。
祖国では見たことがないほど豪奢で贅沢な浴室を見てもエルザの心が躍ることはなかった。
衣を脱ぎ、静かに湯へと身を沈めた彼女は、そのまま目を閉じた。
肌を撫でる湯の感触は絹にも似てやわらかく、まるで時の流れそのものが止まったよう。
(このまま、本当に時が止まってしまえばいいのに……。そうすればもう……あの男に好き勝手にされることもないのに……)
叶う事のない願いを頭に浮かべ、エルザは浴槽の縁へと寝そべる。
湯に身を沈めてしばらくすると、ひとりの女官が湯殿の縁へとやってきた。
次の瞬間、女官の手がエルザの濡れた髪をすくい上げ、そのまま強引に引っ張った。
ぬるりとした水音とともに髪が後ろへ引かれ、首がぐいとのけぞる。
「……痛ッ! 何するのよ!?」
痛みに悲鳴をあげるエルザの顔を覗き込んだのは、彼女の従妹であるパメラだった。
パメラは怒りをあらわにしてエルザを睨みつけていた。
「あんたのせいで私までこんな所に連れてこられて、奴隷のように働かされてんのに……なに呑気に湯舟になんて浸かってんのよ!!」
「ちょっ……痛いッ! やめて、パメラお従姉様!」
髪を引き抜かれそうなほど強く引かれ、なんとか逃れようと必死に体を捩った――その時だった。
「お前、何をしているのですか!」
女官の一人がエルザに乱暴を働くパメラに向かって容赦なく平手打ちを浴びせた。
あまりの強さに、パメラは反動でよろめき、浴室の床に尻もちをついた。
「痛ッ……!! ちょっと何するのよ!?」
「それはこちらの台詞です! 第六夫人様になんて真似を……! 端女の分際で、旦那様の所有物に傷をつけようとするなど言語道断。この愚か者に罰を与えなさい!」
「あっ、ちょっと! 引っ張らないで! 痛い! 痛いってば!?」
女官が命令すると、どこからともなく黒いベールで顔を隠した使用人が現れ、パメラの腕を掴み浴室の外へと引きずって行った。しばらくすると、隣室より悲鳴が響く。
「失礼いたしました。お支度を続けさせていただきます」
何事もなかったかのように、悲鳴などまるで聞こえないように、女官はエルザの髪を洗い始める。
その淡々とした様が恐ろしくて、隣室で何が行われているのかを聞くことが出来なかった。
沈香に似た香木の煙が天井近くでゆるやかに渦を巻き、透きとおる天蓋の絹をくぐり抜けては金糸の房飾りをゆらしている。
寝台は低く広く、その周囲には濃紅や藍、琥珀色の布が何重にも垂れ、まるで静かな聖域のような気配をたたえていた。壁には幾何模様のタイルがはめ込まれ、窓から射す朝の光は、彫りの深い木枠と透かし彫りの格子を通して、幾筋もの影を床に落としている。
その中央、絹の枕にもたれて横たわる女性はまるで細工物の人形のように微かに揺れるだけで動かない。
肌は陶器のように白く、重ねられた薄絹の衣がほとんどその輪郭を覆い隠していた。
目は開かれていたが、夢の中と現の境に漂うように、焦点はどこにも定まらない。
薄紅の唇がかすかに動きかけたが、言葉になる前にその息は静かに胸の奥に沈んでいく。
起き上がろうと、思った。だがその想いは身体のどこにも届かなかった。まるでこの部屋全体が重たい絹で編まれた繭のように、彼女を静かに包みこんでいるかのようだった。
遠く、鳴子のような音が響く。侍女たちが朝の仕度に立つ気配か。
けれど彼女は目を閉じ、音の聞こえる方へ顔を向けることさえしなかった。
ただこの部屋の空気と光と香りの中に、沈むように身をゆだねていた。
「エルザ、起きたか」
その声は寝室の奥、重たく装飾の施された扉の向こうから、低く、しかしはっきりと届いた。
寝台に横たわっている女性──エルザは目を開けた。
けれど首を傾けることはせず、ただその声だけを静かに耳の奥でなぞった。
声の主が誰であるか、疑う余地はない。彼女の顔に、怯えと緊張がかすかに影を落とし始めた。
扉がゆっくりと開く音がした。錠前の軋むような金属音と、絨毯を踏む柔らかな足音。
その音が聞こえるたびに、彼女の心臓は強く脈を打ち、逃れようのない不安が胸に押し寄せた。
男はゆっくりと寝台へと歩み寄る。身に纏った衣装の豪華さが、彼のただならぬ身分を物語っていた。
彼はエルザの傍らまで来ると立ち止まり、しばし見下ろした。彼女のの頬にかかる髪が微かに揺れるのを、じっと見つめる。
「艶めかしいな……。そのようなしどけない姿を見ていると、また其方を可愛がりたくなってくる」
その言葉に、エルザは慌てて飛び起きた。冗談じゃない——そう言わんばかりの剣幕で。
「……何かご用でしょうか、旦那様」
無造作に床に置かれた衣服を掴み、急いでそれを見につけながら傍らの男に問いかける。
まるで話題を逸らすかのように。
「ああ、これから謁見に向かうのでな。それを言いに来た。寂しいだろうが、いい子で待っているのだぞ」
男は腰をかがめ、手を伸ばし、エルザの額にそっと触れる。
その瞬間、彼女の背筋をぞわりと寒気が走った。
「必要があれば、使いを出せ」
その言葉にエルザはわずかに目を伏せ、何も答えなかった。
だが、男はそんな彼女の反応を気にする様子も無い。彼にとってエルザの意志などどうでもよいのだ。
男はやがて手を引き、静かに立ち去る。まるで何もなかったかのように絹の天蓋をもとの位置に戻しながら。
再び一人になった寝台でエルザは目から涙を溢れさせ、そのまま枕へと顔を押し付ける。
「なんでっ……私が、こんな目に……!!」
怨嗟のような声は誰の耳にも届かぬまま、朝の光に溶けて消えた。
*
「おはようございます、第六夫人様。朝の湯浴みの準備が整いました」
男が出て行ってから、入れ違いのように使用人が扉の向こうから声をかけてきた。
その声にエルザは「……分かったわ」と力なく答える。
扉が開けられた先には二人の女官が控えており、ひとりは銀の水差しを抱え、もうひとりは繊細な刺繍の入ったリネンの布を腕にかけていた。
寝台から降りたエルザが歩を進めると、足元の絨毯がふわりと沈み、周囲の香炉が音もなく煙を立てた。
回廊を抜けた先には白い大理石の壁に囲まれた湯殿が現れる。中央には円形の浴槽があり、湯面には薔薇の花弁とミントの葉が浮かび、蒸気がゆるやかに天井のモザイク画へと昇っていた。
壁際の噴水からは、細い銀の弧を描いて絶え間なく温かな湯が注がれている。
祖国では見たことがないほど豪奢で贅沢な浴室を見てもエルザの心が躍ることはなかった。
衣を脱ぎ、静かに湯へと身を沈めた彼女は、そのまま目を閉じた。
肌を撫でる湯の感触は絹にも似てやわらかく、まるで時の流れそのものが止まったよう。
(このまま、本当に時が止まってしまえばいいのに……。そうすればもう……あの男に好き勝手にされることもないのに……)
叶う事のない願いを頭に浮かべ、エルザは浴槽の縁へと寝そべる。
湯に身を沈めてしばらくすると、ひとりの女官が湯殿の縁へとやってきた。
次の瞬間、女官の手がエルザの濡れた髪をすくい上げ、そのまま強引に引っ張った。
ぬるりとした水音とともに髪が後ろへ引かれ、首がぐいとのけぞる。
「……痛ッ! 何するのよ!?」
痛みに悲鳴をあげるエルザの顔を覗き込んだのは、彼女の従妹であるパメラだった。
パメラは怒りをあらわにしてエルザを睨みつけていた。
「あんたのせいで私までこんな所に連れてこられて、奴隷のように働かされてんのに……なに呑気に湯舟になんて浸かってんのよ!!」
「ちょっ……痛いッ! やめて、パメラお従姉様!」
髪を引き抜かれそうなほど強く引かれ、なんとか逃れようと必死に体を捩った――その時だった。
「お前、何をしているのですか!」
女官の一人がエルザに乱暴を働くパメラに向かって容赦なく平手打ちを浴びせた。
あまりの強さに、パメラは反動でよろめき、浴室の床に尻もちをついた。
「痛ッ……!! ちょっと何するのよ!?」
「それはこちらの台詞です! 第六夫人様になんて真似を……! 端女の分際で、旦那様の所有物に傷をつけようとするなど言語道断。この愚か者に罰を与えなさい!」
「あっ、ちょっと! 引っ張らないで! 痛い! 痛いってば!?」
女官が命令すると、どこからともなく黒いベールで顔を隠した使用人が現れ、パメラの腕を掴み浴室の外へと引きずって行った。しばらくすると、隣室より悲鳴が響く。
「失礼いたしました。お支度を続けさせていただきます」
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