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悲しいお知らせ
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思えば彼等がまともな倫理観の持ち主であったならダニエルの行動を諫めてくれたのかもしれない。そうすればあんな悲劇は起きずに済んだ。誰も止める者がいなかったからダニエルの暴走は加速し続けた。
(ん……? いや、まともな人なら子爵夫妻がいるじゃない。あの二人ならダニエルの王族に対する蛮行を絶対に止めそうなものだけど……)
そういえば時戻り前は二人と会ったことがなかった。
礼儀を重んじるラティーシャ夫人ならば輿入れしてきたジュリアーナへ挨拶に訪れてもおかしくない。たとえダニエルが訪問を拒もうとも夫人ならば押し通すことも出来るだろうし、むしろ拒むことを怪しんだはすだ。
子爵にいたっては本邸近くに詰め所のある騎士団に所属しているのだから様子を見に来ることは簡単なはず。しかも使われていない別邸に門番が立っていたらそれを怪しいと思わないはずがない。
そう考えると二人は何らかの事情でここを離れていたのかもしれない。
そしてダニエルはその隙を狙って監禁を企んだと想像できる。
時戻り前、二人に何があったのだろう……と考え込むジュリアーナにルナが問いかけた。
「姫様、愛人と子供の監視はいかがなさいますか?」
「え? あ……そうね、そのまま監視を続けてちょうだい。婚約を破棄する際にその二人の存在が必要になるかもしれないから」
「畏まりました。ではそのように。何か動きがあればまたご報告いたします」
深く一礼したルナはそのまま部屋を後にした。
話し終えた途端に眩暈を感じたジュリアーナはそのままベッドに倒れ込み、深く息を吐いた。
「……はあ、どうにも怠さが抜けない。中々体調も良くならないし、困ったわ……」
倒れる前からの寝不足のせいか中々体調が回復しない。
早くこの邸から出たいのに、このままでは馬車にも乗れない。
多分ストレスもあるのだと思う。分かってはいたが自分を殺そうとした相手の邸に滞在するというのは精神への負担が大きい。そういえばここに来てから安心して眠れたためしがない。
早く王宮に帰りたいな、とぼんやり考えていると不意に部屋の扉がノックされた。
「姫様、お休みのところ申し訳ございません。少々よろしいでしょうか?」
声の主はラティーシャ夫人だ。
ジュリアーナが入室の許可を告げると青い顔をした夫人が扉を開けて中へと入って来た。
「申し訳ございません、実は……」
夫人は申し訳なさそうな顔で説明してくれたのは、なんとオーガスタ領地内にある大きな橋の一部が崩れてしまったということ。そこは王都と辺境伯領を繋ぐ主要の橋だったはず。
「それは一大事ね……。そこ以外で王都まで出られる道はあるの?」
「あるにはあるのですが整備のされていない道でして……馬車で通るとなるとかなり揺れますし、途中で車輪が駄目になってしまうかもしれません……」
そうなっては立往生する恐れもある。
車輪が駄目になってしまっては王都まで戻る術もない。一応乗馬の心得はあるが長距離を走らせる自信はない。
「一刻も早く通れるように修復作業を急がせますので、大変申し訳ございませんがそれまでお待ちいただきたく……。出立を早めると聞いておりましたのに、誠に申し訳ございません……」
「そういう理由ならば仕方ないわ。こちらこそ橋が直るまでご面倒をかけて申し訳ないわね」
「いいえ、とんでもございません! こちらの不手際ですもの。殿下がお気になさることは何一つございませんわ!」
仕方のないこととはいえ、橋の修復作業が終わるまでここに滞在しなければならないことにジュリアーナは内心落ち込んだ。なんだか意図的にこの地に閉じ込められたような気がして胸騒ぎがする。
(ん……? いや、まともな人なら子爵夫妻がいるじゃない。あの二人ならダニエルの王族に対する蛮行を絶対に止めそうなものだけど……)
そういえば時戻り前は二人と会ったことがなかった。
礼儀を重んじるラティーシャ夫人ならば輿入れしてきたジュリアーナへ挨拶に訪れてもおかしくない。たとえダニエルが訪問を拒もうとも夫人ならば押し通すことも出来るだろうし、むしろ拒むことを怪しんだはすだ。
子爵にいたっては本邸近くに詰め所のある騎士団に所属しているのだから様子を見に来ることは簡単なはず。しかも使われていない別邸に門番が立っていたらそれを怪しいと思わないはずがない。
そう考えると二人は何らかの事情でここを離れていたのかもしれない。
そしてダニエルはその隙を狙って監禁を企んだと想像できる。
時戻り前、二人に何があったのだろう……と考え込むジュリアーナにルナが問いかけた。
「姫様、愛人と子供の監視はいかがなさいますか?」
「え? あ……そうね、そのまま監視を続けてちょうだい。婚約を破棄する際にその二人の存在が必要になるかもしれないから」
「畏まりました。ではそのように。何か動きがあればまたご報告いたします」
深く一礼したルナはそのまま部屋を後にした。
話し終えた途端に眩暈を感じたジュリアーナはそのままベッドに倒れ込み、深く息を吐いた。
「……はあ、どうにも怠さが抜けない。中々体調も良くならないし、困ったわ……」
倒れる前からの寝不足のせいか中々体調が回復しない。
早くこの邸から出たいのに、このままでは馬車にも乗れない。
多分ストレスもあるのだと思う。分かってはいたが自分を殺そうとした相手の邸に滞在するというのは精神への負担が大きい。そういえばここに来てから安心して眠れたためしがない。
早く王宮に帰りたいな、とぼんやり考えていると不意に部屋の扉がノックされた。
「姫様、お休みのところ申し訳ございません。少々よろしいでしょうか?」
声の主はラティーシャ夫人だ。
ジュリアーナが入室の許可を告げると青い顔をした夫人が扉を開けて中へと入って来た。
「申し訳ございません、実は……」
夫人は申し訳なさそうな顔で説明してくれたのは、なんとオーガスタ領地内にある大きな橋の一部が崩れてしまったということ。そこは王都と辺境伯領を繋ぐ主要の橋だったはず。
「それは一大事ね……。そこ以外で王都まで出られる道はあるの?」
「あるにはあるのですが整備のされていない道でして……馬車で通るとなるとかなり揺れますし、途中で車輪が駄目になってしまうかもしれません……」
そうなっては立往生する恐れもある。
車輪が駄目になってしまっては王都まで戻る術もない。一応乗馬の心得はあるが長距離を走らせる自信はない。
「一刻も早く通れるように修復作業を急がせますので、大変申し訳ございませんがそれまでお待ちいただきたく……。出立を早めると聞いておりましたのに、誠に申し訳ございません……」
「そういう理由ならば仕方ないわ。こちらこそ橋が直るまでご面倒をかけて申し訳ないわね」
「いいえ、とんでもございません! こちらの不手際ですもの。殿下がお気になさることは何一つございませんわ!」
仕方のないこととはいえ、橋の修復作業が終わるまでここに滞在しなければならないことにジュリアーナは内心落ち込んだ。なんだか意図的にこの地に閉じ込められたような気がして胸騒ぎがする。
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