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ヘレンの出生②
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「ハスリー子爵家からヘレンの出生届が出されたのも丁度その頃よ。もちろん母親の欄はハスリー子爵夫人になっていたけれども」
「ですがお母様、それだけでヘレンが王妃様の娘だと判断出来ませんわ」
今の話だけではハスリー子爵夫人と王妃が交流した形跡が見当たらないこと、ハスリー子爵と王妃が昔恋人関係にあったこと、そして王妃が長期に渡る謎の里帰りをしていたことしか分かっていない。これらを結び付けてヘレンが王妃の娘だと判断するには若干無理がある。
「そうね、これだけならそう思うのも当然だわ」
「これだけ……ということは、他にも情報があるということですか?」
「勿論あるわよ。まず、ヘレンはハスリー子爵夫人が産んだ子ではないの。夫人と子爵は白い結婚だったそうよ」
「え……お待ちください、どうやってそんな事までお調べになったのですか!?」
「そんなの当時の使用人から聞き出したに決まっているじゃない。ハスリー子爵夫人に仕えていた侍女に接触したのよ」
ハスリー子爵家がお取り潰しになったのはもう十年以上も前の話だ。
その当時の使用人を探すだけでも大変なはず。感心する私に母は「お金に糸目をつけなければ大抵の情報は手に入るのよ、覚えておきなさい」と告げた。名言だ、心に刻んでおこう。
「侍女が言うにはハスリー子爵夫人は一代男爵家の一人娘だったらしいわ。流行り病で両親を亡くし、生活にも困っていたところをハスリー子爵に見初められてそのまま結婚したそうよ」
「それはなんともロマンチックなお話ですね……」
一見すると、哀れな境遇の女性が貴族の男性に見初められるシンデレラストーリーだ。
だが、ひねくれた見方をすると夫人は実に都合のいい相手だと思えてならない。
一代限りの貴族であれば継ぐ爵位も領地もない。となると失礼な言い方をすれば彼女と結婚するメリットは何もないのだ。子爵が彼女に心底惚れたうえでの結婚であればいいが……そうではなく、もし何かに利用しようと考えていたのなら彼女はうってつけの相手だろう。頼れる家も親もいないしお金もない、つまりは逃げ出すことが出来ない相手なのだから。
「子爵は夫人を表向きは大切にしていたそうよ。贈り物や花を頻繁に渡すなどしてそれはいい夫だったそうだわ」
「ん? お待ちください、確かハスリー家は名ばかりの斜陽貴族なのですよね? どこにそんな贈り物や花を購入するお金が……?」
「鋭いわね、ミシェル。でもその件は一旦置いておいて、ややこしくなるから」
そう言うってことは母もこの矛盾に気づいたのだろう。
気にはなるが、確かに話がごちゃごちゃするからこれは一旦置いておこう。
「それで話を戻すけど、子爵が夫人と閨を共にすることは一切なかったらしいわ。最初は『君を大切にしたいから』と言われて素直に信じていた夫人も段々と夫に不信感を抱くようになったそう。それはそうよね、当主の最大の義務といえば跡継ぎを作ることだもの」
「そうですよね。貴族が結婚する理由は跡継ぎを作り血を繋ぐことですもの。それを拒む夫に不信感を抱かない妻はおりませんわ」
「ええ、そして他所に女がいると疑わない妻もいないわね。いたとしたら相当な能天気よ。ハスリー子爵夫人も当然のように夫を疑い、真実を突き止めるため外出する夫を尾行したそう。すると案の定外で女と密会していたのだけど……なんとその女の腹は膨れていたらしいわ」
「膨れていたとは……つまり妊婦ということですか?」
「ええ、子爵はその妊婦に見たこともないほどの甘く優しい笑顔を向けていたらしいわ。夫人はそれについて子爵に詰め寄りたかったそうだけど、それをすることで離縁されたら……と思うと怖くて出来なかったそうよ。離縁されても行く宛てが無いから見て見ぬふりをしたみたい」
ああ、やっぱり子爵にとって夫人は都合がいい相手だったのだ。
他所で女を作ろうとも離縁を恐れて見て見ぬふりをしてくれる妻、というのは前世の小説でもよく見た。他に女がいる男の基本行動なのかそれは。
ということはその妊婦の腹には子爵の子がいて、夫人はその子を育てるためだけに結婚した相手ということ? それならそうと事前に説明して承諾を得ればいいものを、どうしてこういう類の男はいつも事後報告なのだろう……。頭がもう恋愛でいっぱいで思考が腐りかけているに違いない。
「悩んでいるまま月日は経ち、ある日突然子爵が赤ん坊を邸に連れ帰ってきたそうよ。夫人に向かって『今日からこの子は君の子だ』と言って育てさせたらしいわ」
「うわ……屑の所業にも程がありますね。そんなペット感覚で人間の赤ん坊を連れてくるなんて頭が湧いているのでしょうか?」
「まあ、きっと虫の一匹や二匹は湧いているわね。もし旦那様が同じことをすれば全身に蜂蜜を塗りたくって木の上に吊るすけど……離縁されたら後がない夫人は夫を責めることも出来ず、大人しくそれを受け入れたそうよ。あの時の妊婦と同じ菫色の瞳をした赤ん坊……ヘレンと名付けたその子の母となったらしいわ」
なんだか前半サラッと悍ましい報復行動を告げられた気がする。
確かそれをすると体に虫が集まって……いや、考えるのはやめておこう。
「え? 夫人はその妊婦の顔を見たのですか?」
「いえ、夫人がどうかは分からないけど、侍女は妊婦の顔を見たそうよ。といってもベールを被っていたから瞳の色しか分からなかったそうだけど。菫色の瞳といえば……王妃もそうよね」
母に言われて私はそこで初めて王妃とヘレンの瞳の色が同じだと気づいた。
(そうだわ……ヘレンと王妃はどちらも同じ菫色の瞳をしているじゃない。紫や青は高位貴族にはありがちな色だから特に気にもしていなかったけど……よく考えれば下位貴族出身のヘレナの瞳がそうなのはおかしいわ)
いや、でも父親が侯爵家の子息ならばおかしくないのか。と思ったが問題はそこじゃない。
私というかミシェルはヘレンが“元子爵の遺児”……つまりは下位貴族出身という情報しか知らなかったのだから、瞳の色について疑問を持って然るべきだ。
これも強制力の一種なのだろうか、それとも“婚約者が別の女を常に侍らせている”という行動がインパクト大だったためにヘレンや王妃の容姿など気にもならなかったのか。多分後者だと思う。
「ですがお母様、それだけでヘレンが王妃様の娘だと判断出来ませんわ」
今の話だけではハスリー子爵夫人と王妃が交流した形跡が見当たらないこと、ハスリー子爵と王妃が昔恋人関係にあったこと、そして王妃が長期に渡る謎の里帰りをしていたことしか分かっていない。これらを結び付けてヘレンが王妃の娘だと判断するには若干無理がある。
「そうね、これだけならそう思うのも当然だわ」
「これだけ……ということは、他にも情報があるということですか?」
「勿論あるわよ。まず、ヘレンはハスリー子爵夫人が産んだ子ではないの。夫人と子爵は白い結婚だったそうよ」
「え……お待ちください、どうやってそんな事までお調べになったのですか!?」
「そんなの当時の使用人から聞き出したに決まっているじゃない。ハスリー子爵夫人に仕えていた侍女に接触したのよ」
ハスリー子爵家がお取り潰しになったのはもう十年以上も前の話だ。
その当時の使用人を探すだけでも大変なはず。感心する私に母は「お金に糸目をつけなければ大抵の情報は手に入るのよ、覚えておきなさい」と告げた。名言だ、心に刻んでおこう。
「侍女が言うにはハスリー子爵夫人は一代男爵家の一人娘だったらしいわ。流行り病で両親を亡くし、生活にも困っていたところをハスリー子爵に見初められてそのまま結婚したそうよ」
「それはなんともロマンチックなお話ですね……」
一見すると、哀れな境遇の女性が貴族の男性に見初められるシンデレラストーリーだ。
だが、ひねくれた見方をすると夫人は実に都合のいい相手だと思えてならない。
一代限りの貴族であれば継ぐ爵位も領地もない。となると失礼な言い方をすれば彼女と結婚するメリットは何もないのだ。子爵が彼女に心底惚れたうえでの結婚であればいいが……そうではなく、もし何かに利用しようと考えていたのなら彼女はうってつけの相手だろう。頼れる家も親もいないしお金もない、つまりは逃げ出すことが出来ない相手なのだから。
「子爵は夫人を表向きは大切にしていたそうよ。贈り物や花を頻繁に渡すなどしてそれはいい夫だったそうだわ」
「ん? お待ちください、確かハスリー家は名ばかりの斜陽貴族なのですよね? どこにそんな贈り物や花を購入するお金が……?」
「鋭いわね、ミシェル。でもその件は一旦置いておいて、ややこしくなるから」
そう言うってことは母もこの矛盾に気づいたのだろう。
気にはなるが、確かに話がごちゃごちゃするからこれは一旦置いておこう。
「それで話を戻すけど、子爵が夫人と閨を共にすることは一切なかったらしいわ。最初は『君を大切にしたいから』と言われて素直に信じていた夫人も段々と夫に不信感を抱くようになったそう。それはそうよね、当主の最大の義務といえば跡継ぎを作ることだもの」
「そうですよね。貴族が結婚する理由は跡継ぎを作り血を繋ぐことですもの。それを拒む夫に不信感を抱かない妻はおりませんわ」
「ええ、そして他所に女がいると疑わない妻もいないわね。いたとしたら相当な能天気よ。ハスリー子爵夫人も当然のように夫を疑い、真実を突き止めるため外出する夫を尾行したそう。すると案の定外で女と密会していたのだけど……なんとその女の腹は膨れていたらしいわ」
「膨れていたとは……つまり妊婦ということですか?」
「ええ、子爵はその妊婦に見たこともないほどの甘く優しい笑顔を向けていたらしいわ。夫人はそれについて子爵に詰め寄りたかったそうだけど、それをすることで離縁されたら……と思うと怖くて出来なかったそうよ。離縁されても行く宛てが無いから見て見ぬふりをしたみたい」
ああ、やっぱり子爵にとって夫人は都合がいい相手だったのだ。
他所で女を作ろうとも離縁を恐れて見て見ぬふりをしてくれる妻、というのは前世の小説でもよく見た。他に女がいる男の基本行動なのかそれは。
ということはその妊婦の腹には子爵の子がいて、夫人はその子を育てるためだけに結婚した相手ということ? それならそうと事前に説明して承諾を得ればいいものを、どうしてこういう類の男はいつも事後報告なのだろう……。頭がもう恋愛でいっぱいで思考が腐りかけているに違いない。
「悩んでいるまま月日は経ち、ある日突然子爵が赤ん坊を邸に連れ帰ってきたそうよ。夫人に向かって『今日からこの子は君の子だ』と言って育てさせたらしいわ」
「うわ……屑の所業にも程がありますね。そんなペット感覚で人間の赤ん坊を連れてくるなんて頭が湧いているのでしょうか?」
「まあ、きっと虫の一匹や二匹は湧いているわね。もし旦那様が同じことをすれば全身に蜂蜜を塗りたくって木の上に吊るすけど……離縁されたら後がない夫人は夫を責めることも出来ず、大人しくそれを受け入れたそうよ。あの時の妊婦と同じ菫色の瞳をした赤ん坊……ヘレンと名付けたその子の母となったらしいわ」
なんだか前半サラッと悍ましい報復行動を告げられた気がする。
確かそれをすると体に虫が集まって……いや、考えるのはやめておこう。
「え? 夫人はその妊婦の顔を見たのですか?」
「いえ、夫人がどうかは分からないけど、侍女は妊婦の顔を見たそうよ。といってもベールを被っていたから瞳の色しか分からなかったそうだけど。菫色の瞳といえば……王妃もそうよね」
母に言われて私はそこで初めて王妃とヘレンの瞳の色が同じだと気づいた。
(そうだわ……ヘレンと王妃はどちらも同じ菫色の瞳をしているじゃない。紫や青は高位貴族にはありがちな色だから特に気にもしていなかったけど……よく考えれば下位貴族出身のヘレナの瞳がそうなのはおかしいわ)
いや、でも父親が侯爵家の子息ならばおかしくないのか。と思ったが問題はそこじゃない。
私というかミシェルはヘレンが“元子爵の遺児”……つまりは下位貴族出身という情報しか知らなかったのだから、瞳の色について疑問を持って然るべきだ。
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※タイトル変更しました
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