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きっかけ
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「王太子様っ!危険ですので!」
「何がだ!いいからシーバスに会わせろ!」
部屋の入り口で医師たちに止められて、僕は必死に喚いた。
助けてもらったのに、僕は崩れるシーバスに手を伸ばすことさえできなかった。
僕は強いからいつでも守ってやる!
そう思っていたのに、実際はただ守られただけだった。
「なりません!鳥から何か感染している可能性もあるんです!疫病を広めるおつもりですか!」
強い力で部屋から出されてバタンとドアが閉まる。
衛兵に諭されて僕は部屋に戻るしかなかった。
シーバスはあんな状態なのに、僕は何もできない。
「なぁ、せめてシーバスの様子だけでも教えてくれないか?」
一緒についてきてくれた見習い医師に聞いてみると、医師は頷いてあの部屋に戻っていく。
幸い疫病などは起こらなかったが、目覚めてからもシーバスは熱が出たり、傷が化膿したりとかなり危険な状態が続いた。
僕はシャロンと待つことしかできなかったが塞ぎ込んでいるわけにもいかない。
もう二度とこの目の前で辛いことが起きないようにと鍛錬に励み、真剣に勉強もするようになった。
もう大事なものを目の前で守れないことはないように。
将来、僕がこの国を背負う時には苦しむ人が少しでも居なくなるように。
できるだけこの手からすり抜けさせず、ちゃんと自分で掴んでいたかった。
「何がだ!いいからシーバスに会わせろ!」
部屋の入り口で医師たちに止められて、僕は必死に喚いた。
助けてもらったのに、僕は崩れるシーバスに手を伸ばすことさえできなかった。
僕は強いからいつでも守ってやる!
そう思っていたのに、実際はただ守られただけだった。
「なりません!鳥から何か感染している可能性もあるんです!疫病を広めるおつもりですか!」
強い力で部屋から出されてバタンとドアが閉まる。
衛兵に諭されて僕は部屋に戻るしかなかった。
シーバスはあんな状態なのに、僕は何もできない。
「なぁ、せめてシーバスの様子だけでも教えてくれないか?」
一緒についてきてくれた見習い医師に聞いてみると、医師は頷いてあの部屋に戻っていく。
幸い疫病などは起こらなかったが、目覚めてからもシーバスは熱が出たり、傷が化膿したりとかなり危険な状態が続いた。
僕はシャロンと待つことしかできなかったが塞ぎ込んでいるわけにもいかない。
もう二度とこの目の前で辛いことが起きないようにと鍛錬に励み、真剣に勉強もするようになった。
もう大事なものを目の前で守れないことはないように。
将来、僕がこの国を背負う時には苦しむ人が少しでも居なくなるように。
できるだけこの手からすり抜けさせず、ちゃんと自分で掴んでいたかった。
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