わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

★解そう？

11

　ゆっくり後ろから指が抜かれて脱力する。
　ハァハァと肩で息をしてしまってすぐには整いそうにない。

「大丈夫？」

　汗で張り付いた前髪を指で退けてリューラが覗き込んできたが、涙でぼやけてうまく見えなかった。
　チュッチュッと頰や目元に落とされるキスが気持ちいい。

「サラ」

　優しく呼ばれて抱き締められるのもかなり安心した。
　指で涙を拭われてまだ少しぼんやりとしながら目を開ける。

「色々ベタベタだしお風呂入る？それか動くの辛いなら拭いてあげるけど」

　聞かれてもまだうまく頭が働いてくれなくて俺はぼーっとしたままリューラを見つめた。

「そんなに気持ち良かった？」

　髪を撫でながら言われて、その腕に擦り寄ってしまう。
　だが、冷静になってくると、じわじわと戸惑いが出てきた。
　あんな場所に指を入れられてめちゃくちゃ気持ち良くなってしまったから。
　出したこともないような声も出して、完全に我を忘れていた。
　最初はキツくて違和感ばかりだったのに？
　あの強烈な快感はこれまで感じたことがなかった。
　その事実に顔から火が出そうだ。

「サラ？」

　聞かれて顔なんて合わせられず、その胸にくっついて見えないように隠れる。

「そんなかわいい反応されたら……もう一回したくなるよ？」

　耳の縁を指でなぞりながら言われてビクッと顔を上げてしまった俺は待ち構えていたリューラにキスをされた。