わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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「ご無沙汰しております。少しお疲れのようですが……」

 顔を上げたサフィナに心配そうな顔をされて内心焦る。

「あ、いや……ちょっと寝不足なだけだ」

 咳払いをすると、サフィナはくすくすと笑い出した。

「ふふ……そういうこと……」

 首を傾げると、サフィナは片眉を少し上げる。

「顔赤いけど?」

 ニッと笑われて、そんな指摘に俺は慌てて腕で顔を隠した。
 呆れたようなため息。
 どうしたらいいかわからず俺はギュッと目を閉じる。

「サライド様」

 腕に触れられて目を開けると、サフィナはふわりと微笑んだ。

「来週もここに来る?」
「あ、あぁ……たぶん……?」
「それなら時間もらえない?」
「は?」
「来週末から私はしばらくこの国を出るから」

 “しばらく”という言葉は気になる。
 だが、この少し生き生きとした言い方は……新たな縁談?

「え!?どうし……」

 考えながらになると、

「縁談じゃないわよ?仕事」

 即否定をされた。

「仕事?」
「そう。ラグランドルへ医療支援でね」

 医療支援ということは正式に医師になったのだろう。
 しかも、国外への派遣ということは優秀な証だ。
 前はまだ見習いだったのに。ただ、

「でも、ラグランドルなんて今かなり危険だろ」

 そこは今、内乱も起きている危険な地域だった。

「だからこそ、必要なんでしょう?」

 俺の心配が通じないのか、サフィナに怯む様子はない。
 必要な理由はわかるが、仮にも女性で貴族の娘であるサフィナがなんて……普通はあり得ない。
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