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緊張なんて、お酒で飛ばせ
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年も明け、普段なら正月太りが悩みになる頃。雫は一週間後に同窓会を控え、早くも緊張していた。そんな雫を横目にリビングで餅を頬張る尚美。毎日そわそわしている雫にはすっかり慣れたらしい。
「餅、もうなくなるよ~。食べないの?」
「太るからいい。」
「ふ~ん。餅一個分運動すればいいだけじゃん。」
「も~、あんま誘惑してこないでぇ…。」
痩せる努力をした後に服を買ったのだ。成美のアドバイス通り、ボディラインが出た仕様になっている。このタイミングで正月太りしました!なんて、死んでも言えない。たかが餅一個。されど餅一個。油断は禁物だ。
雫は、わざとらしく餅を頬張る尚美に少しの苛立ちを抱き、それを隠すように携帯をいじり始めた。
「なおちゃんもそんなに餅食べてたら、彼氏に太ったって言われるよ。」
「ぶっ!!!………なんてこと言うの!!?」
「え?図星?へ~~、そうなんだぁ~~。」
雫。してやったりのにんまり顔。
「なんでそう思ったの?」
「最近、様子明らかに違うし。浮かれてるし?」
「………どんな人か気になる?」
「べっつに~~。まぁ、私はぁ、どんな人でもなおちゃんが選んでるならそれでいいと思うけどぉ?」
「何、その話し方。ムカつく子ね。」
「『お父さん』」
「ん!!?」
「…でもいいと思うけどなぁ~。なんて、ね?」
「………それはどうかなぁ………。」
どうやらこの勝負、雫の勝ちのようだ。尚美は先ほど見せつけるような食べ方をやめ、肩身狭く静かに餅を口に運んだ。
その途端、雫の手元でスマホが鳴る。画面には『迅』の文字。雫は少し驚いて、電話に出た。
「もしもし。」
<もしも~し。>
「なんかあった?」
<同窓会の送迎のことなんだけどさ、俺と美月の二台でやろうと思って。>
「え?なんで?私ら須美の車で行こうと思ってたんだけど。」
<あ~、やっぱり?でも今度予約してある店、駐車場割と狭いんだよ。人数少ないとは言ってもみんながみんなバラバラに車できたら店の迷惑になるだろ?それにせっかく成人した後に会うんだぜ?できるだけみんなには酒飲んでもらいたいしな。>
「なるほどね~。じゃあ私らは迅の車ってこと?」
<おう。黒川橋から東の地区は俺で、西は美月が迎えに行く。迎えの順番だけど、奥から行くから雫が最初な。>
「オッケ~。……ってことは蓮も!?」
<いや、蓮は別件の帰りに店寄るらしいから迎えに行かない。>
「そっかぁ…。」
<そんな焦んなって。店の中が本番なんだから。>
「たしかに。」
<……なに?緊張なんかしちゃってんの?>
「…だったら、悪い?」
<雫。さっきも言ったけど、俺ら大人だぜ?緊張くらい酒で飛ばせ。>
「いやいや私そんな酒強くない。」
<その時はその時でなんとかするから。な?>
「……おう!!」
<よし!そのいきだ!!>
迅のアドバイスが吉と出るか凶と出るか。雫の初恋こじらせはどんなつづきを歩むのか。
次回!いよいよお待ちかねの同窓会!乞うご期待!!!
「餅、もうなくなるよ~。食べないの?」
「太るからいい。」
「ふ~ん。餅一個分運動すればいいだけじゃん。」
「も~、あんま誘惑してこないでぇ…。」
痩せる努力をした後に服を買ったのだ。成美のアドバイス通り、ボディラインが出た仕様になっている。このタイミングで正月太りしました!なんて、死んでも言えない。たかが餅一個。されど餅一個。油断は禁物だ。
雫は、わざとらしく餅を頬張る尚美に少しの苛立ちを抱き、それを隠すように携帯をいじり始めた。
「なおちゃんもそんなに餅食べてたら、彼氏に太ったって言われるよ。」
「ぶっ!!!………なんてこと言うの!!?」
「え?図星?へ~~、そうなんだぁ~~。」
雫。してやったりのにんまり顔。
「なんでそう思ったの?」
「最近、様子明らかに違うし。浮かれてるし?」
「………どんな人か気になる?」
「べっつに~~。まぁ、私はぁ、どんな人でもなおちゃんが選んでるならそれでいいと思うけどぉ?」
「何、その話し方。ムカつく子ね。」
「『お父さん』」
「ん!!?」
「…でもいいと思うけどなぁ~。なんて、ね?」
「………それはどうかなぁ………。」
どうやらこの勝負、雫の勝ちのようだ。尚美は先ほど見せつけるような食べ方をやめ、肩身狭く静かに餅を口に運んだ。
その途端、雫の手元でスマホが鳴る。画面には『迅』の文字。雫は少し驚いて、電話に出た。
「もしもし。」
<もしも~し。>
「なんかあった?」
<同窓会の送迎のことなんだけどさ、俺と美月の二台でやろうと思って。>
「え?なんで?私ら須美の車で行こうと思ってたんだけど。」
<あ~、やっぱり?でも今度予約してある店、駐車場割と狭いんだよ。人数少ないとは言ってもみんながみんなバラバラに車できたら店の迷惑になるだろ?それにせっかく成人した後に会うんだぜ?できるだけみんなには酒飲んでもらいたいしな。>
「なるほどね~。じゃあ私らは迅の車ってこと?」
<おう。黒川橋から東の地区は俺で、西は美月が迎えに行く。迎えの順番だけど、奥から行くから雫が最初な。>
「オッケ~。……ってことは蓮も!?」
<いや、蓮は別件の帰りに店寄るらしいから迎えに行かない。>
「そっかぁ…。」
<そんな焦んなって。店の中が本番なんだから。>
「たしかに。」
<……なに?緊張なんかしちゃってんの?>
「…だったら、悪い?」
<雫。さっきも言ったけど、俺ら大人だぜ?緊張くらい酒で飛ばせ。>
「いやいや私そんな酒強くない。」
<その時はその時でなんとかするから。な?>
「……おう!!」
<よし!そのいきだ!!>
迅のアドバイスが吉と出るか凶と出るか。雫の初恋こじらせはどんなつづきを歩むのか。
次回!いよいよお待ちかねの同窓会!乞うご期待!!!
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