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第七章 片翼の天使
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私と入れ違いに、ママは部屋に戻っていった。玄関には、サッカーユニフォームを着た颯太が立っている。
「颯太、あの……」
「今、サッカーの練習、終わったとこなんだ」
さっきのことを説明しようとしたら、唐突に颯太が話しはじめた。
「? ……うん、お疲れ様」
「日曜に練習試合があるんだ」
「ふーん。毎日遅くまで大変だね」
「暇なら見に来いよ。……ああ、そういや、莉子、大丈夫だったか?」
話のついでみたいに言った颯太に、つい私は笑ってしまった。
素直じゃないなあ。サッカーやっている間も心配しててくれたのかな。
「うん、大丈夫だって。一晩寝れば、元に戻るし、今日のことは覚えてもいないって」
「……は?」
あ、いけない! 颯太は、莉子ちゃんの闇のことを知らないんだ。今聞かれているのは、今日の帰りの恵さんのことだ!
「あ、と、あの、なんでもないの。私のかんちがい。うん、大丈夫だったよ」
「そうか? ならいんだけど。けんかにならなかったか?」
「ならないよ。私、莉子ちゃんとは仲良しだもん」
「それは知ってるけどよ。今日の莉子、いつもと違ったから」
照れくさいのか、あちこちに視線をさまよわせながら颯太が言った。
颯太も、莉子ちゃんとは保育園からの付き合いだ。
『優しいね、颯太君』
そういえば、萌ちゃんが以前、そんな風に言っていた。そうだね、萌ちゃん。やっぱり颯太は優しいのかも。
「ありがとう、颯太。心配してくれたの?」
「別に。お前だって突き飛ばされてたし……」
「私? 私は平気よ」
「ならいいや。じゃあな」
「うん。颯太が心配してたって、莉子ちゃんにも言っとく」
ばか、言うな、とどなり返して颯太は帰っていった。
「颯太君、どうしたの?」
部屋に戻ると、ママが聞いた。
「あのね」
私は、今日の帰りに莉子ちゃんと恵さんがケンカしたことをママに話した。
「そうなんだ。それもあって、莉子ちゃんの闇が暴走しちゃったのかもね」
「私もそう思う。明日また、朝行くときに莉子ちゃんと話してみるよ」
その時、また玄関のチャイムがなった。きっと、今度こそ藤崎さんに違いない。
ママが私の顔を見た。私が笑いながら頷くと、ママも少し緊張した顔で笑って、立ち上がった。
「颯太、あの……」
「今、サッカーの練習、終わったとこなんだ」
さっきのことを説明しようとしたら、唐突に颯太が話しはじめた。
「? ……うん、お疲れ様」
「日曜に練習試合があるんだ」
「ふーん。毎日遅くまで大変だね」
「暇なら見に来いよ。……ああ、そういや、莉子、大丈夫だったか?」
話のついでみたいに言った颯太に、つい私は笑ってしまった。
素直じゃないなあ。サッカーやっている間も心配しててくれたのかな。
「うん、大丈夫だって。一晩寝れば、元に戻るし、今日のことは覚えてもいないって」
「……は?」
あ、いけない! 颯太は、莉子ちゃんの闇のことを知らないんだ。今聞かれているのは、今日の帰りの恵さんのことだ!
「あ、と、あの、なんでもないの。私のかんちがい。うん、大丈夫だったよ」
「そうか? ならいんだけど。けんかにならなかったか?」
「ならないよ。私、莉子ちゃんとは仲良しだもん」
「それは知ってるけどよ。今日の莉子、いつもと違ったから」
照れくさいのか、あちこちに視線をさまよわせながら颯太が言った。
颯太も、莉子ちゃんとは保育園からの付き合いだ。
『優しいね、颯太君』
そういえば、萌ちゃんが以前、そんな風に言っていた。そうだね、萌ちゃん。やっぱり颯太は優しいのかも。
「ありがとう、颯太。心配してくれたの?」
「別に。お前だって突き飛ばされてたし……」
「私? 私は平気よ」
「ならいいや。じゃあな」
「うん。颯太が心配してたって、莉子ちゃんにも言っとく」
ばか、言うな、とどなり返して颯太は帰っていった。
「颯太君、どうしたの?」
部屋に戻ると、ママが聞いた。
「あのね」
私は、今日の帰りに莉子ちゃんと恵さんがケンカしたことをママに話した。
「そうなんだ。それもあって、莉子ちゃんの闇が暴走しちゃったのかもね」
「私もそう思う。明日また、朝行くときに莉子ちゃんと話してみるよ」
その時、また玄関のチャイムがなった。きっと、今度こそ藤崎さんに違いない。
ママが私の顔を見た。私が笑いながら頷くと、ママも少し緊張した顔で笑って、立ち上がった。
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