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エピローグ
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「よく覚えていないんだけど、なんだか、とっても怖い夢。真っ黒い煙みたいなのに飲み込まれそうになって、私、このまま死ぬのかなあ、なんて思ってた。でもその中で、美優が泣きそうな顔しながらずっと、負けないで、って応援してくれていた。泣き虫の美優が泣いていなかった。けど、もしこれで私がいなくなったりしたら、たとえ夢の中でも美優はまた泣くんだろうな、ってちょっと心配だった」
「莉子ちゃん……」
「私さあ、こないだの読書感想文で『泣いた赤鬼』書いたじゃん?」
莉子ちゃんが、急に話を変えた。
「うん」
「青鬼ってさあ、赤鬼が泣くって、わからなかったのかなあ」
「え?」
「だって、自分が悪者になってもいいって思うくらい青鬼は赤鬼の事好きだったんだよ? きっと赤鬼だって、同じように青鬼の事好きだったと思う。なのにさ、赤鬼が人間と仲良くなりたいからって、赤鬼になんの相談もなく自分が悪者になって消えるなんて、青鬼って、すごい自分勝手じゃない? 人間と仲良くなるのが赤鬼の願いだったとしても、自分も赤鬼の幸せの一つだって思ってくれてんの、わかんなかったのかな、青鬼」
「そ……そういう話だっけ?」
「まあ私はそう思うってだけなんだけどね」
くるり、と莉子ちゃんが振り向く。
「たとえ夢の中でも、私、美優を泣かせたくなかった。だから、私は元気にならなくちゃ、って思ったんだ。私、間違っていた?」
あの闇の中で。
莉子ちゃんは、そんなこと考えていたんだ。
きっぱりと言い切った莉子ちゃんは、なんだか前より頼もしくなっててかっこよかった。
「ううん、間違ってない」
言いながら鼻がつん、としたけど、ここで泣いたらまた莉子ちゃんにからかわれると思って私は笑った。
「莉子ちゃんは、私を守るために戦ってくれたんだね」
そう言うと莉子ちゃんはちょっと恥ずかしそうに笑って、また前を向いて歩き出した。
「しょせん、夢の話だけどね。昨日、あんなことがあったから、変な夢みたのかなあ。でも、朝目が覚めたら、なんだかすごく気分がさっぱりしてた。ママとパパのことでずっといらいらしてたけど、決まっちゃったものは仕方ないもんね」
「そうだね」
「ママがね」
「うん」
「今朝起きた時、ごめんね、って謝ったの。多分、あれ、離婚の事。ママも私に悪いって思ってるんだなあ、って思ったら、もうどうでもよくなっちゃった」
「うん。莉子ちゃんママ、莉子ちゃんのこと心配してたもん」
「そう思ってるんなら思ってるって、はっきり言えばいいのにね。わかりにくいのよ」
「きっと、大人にもいろんな事情があるんだよ」
「めんどくさいなあ、大人って」
「ねえ」
ふふ、と笑ったとき、後ろから明るい声が聞こえた。
「おはよう、美優ちゃん、莉子ちゃん」
ふりむくとそこにいたのは、なんと、ランドセルを背負った萌ちゃんだった。
「おはよう、萌」
驚いて声もでない私の代わりに、莉子ちゃんが挨拶を返す。
え? え? どういうこと?
「莉子ちゃん……」
「私さあ、こないだの読書感想文で『泣いた赤鬼』書いたじゃん?」
莉子ちゃんが、急に話を変えた。
「うん」
「青鬼ってさあ、赤鬼が泣くって、わからなかったのかなあ」
「え?」
「だって、自分が悪者になってもいいって思うくらい青鬼は赤鬼の事好きだったんだよ? きっと赤鬼だって、同じように青鬼の事好きだったと思う。なのにさ、赤鬼が人間と仲良くなりたいからって、赤鬼になんの相談もなく自分が悪者になって消えるなんて、青鬼って、すごい自分勝手じゃない? 人間と仲良くなるのが赤鬼の願いだったとしても、自分も赤鬼の幸せの一つだって思ってくれてんの、わかんなかったのかな、青鬼」
「そ……そういう話だっけ?」
「まあ私はそう思うってだけなんだけどね」
くるり、と莉子ちゃんが振り向く。
「たとえ夢の中でも、私、美優を泣かせたくなかった。だから、私は元気にならなくちゃ、って思ったんだ。私、間違っていた?」
あの闇の中で。
莉子ちゃんは、そんなこと考えていたんだ。
きっぱりと言い切った莉子ちゃんは、なんだか前より頼もしくなっててかっこよかった。
「ううん、間違ってない」
言いながら鼻がつん、としたけど、ここで泣いたらまた莉子ちゃんにからかわれると思って私は笑った。
「莉子ちゃんは、私を守るために戦ってくれたんだね」
そう言うと莉子ちゃんはちょっと恥ずかしそうに笑って、また前を向いて歩き出した。
「しょせん、夢の話だけどね。昨日、あんなことがあったから、変な夢みたのかなあ。でも、朝目が覚めたら、なんだかすごく気分がさっぱりしてた。ママとパパのことでずっといらいらしてたけど、決まっちゃったものは仕方ないもんね」
「そうだね」
「ママがね」
「うん」
「今朝起きた時、ごめんね、って謝ったの。多分、あれ、離婚の事。ママも私に悪いって思ってるんだなあ、って思ったら、もうどうでもよくなっちゃった」
「うん。莉子ちゃんママ、莉子ちゃんのこと心配してたもん」
「そう思ってるんなら思ってるって、はっきり言えばいいのにね。わかりにくいのよ」
「きっと、大人にもいろんな事情があるんだよ」
「めんどくさいなあ、大人って」
「ねえ」
ふふ、と笑ったとき、後ろから明るい声が聞こえた。
「おはよう、美優ちゃん、莉子ちゃん」
ふりむくとそこにいたのは、なんと、ランドセルを背負った萌ちゃんだった。
「おはよう、萌」
驚いて声もでない私の代わりに、莉子ちゃんが挨拶を返す。
え? え? どういうこと?
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